(信用を失うのは破産に等しい)
中国で「老頼」というのは、信用を失った者、履行能力があるのに、法律で確定した義務を履行しない者ということを指し、俗称として「老頼」と呼ばれます。
2013年11月、中国は失信者に対する懲戒に関する条例を制定しました。条例では、2018年5月1日から「失信者リスト」に掲載された特定の重度不信者に対して、新幹線・飛行機の利用を制限し、出入国を制限することになりました。
2018年5月、最高裁は「老頼」の逮捕を推進し、多くのメディアは逮捕の瞬間の中継をはじめました。望遠カメラ、隠しカメラを駆使した「老頼」逮捕の中継映像をみて見ると「老頼」たちは大慌て醜態の限りを尽くしているようです。早朝、警察が急襲すると箪笥に隠れる「老頼」、慌ててお金を鉢植えに埋めはじめる「老頼」、自宅の庭で酒の一気呑みをはじめる「老頼」、パンツ一丁で屋根に登って逃げようとする「老頼」、、、、様々な「老頼」が写し出されています。
これはまだ序の口。「老頼」の携帯番号に「老頼」専用の「メッセージ」が強制的に案内されるという方法が全国各地で始まりました。全国の地方裁判所が直々に指揮しています。まずは発信。善意の人が「老頼」と認定された人に電話を掛けるとアラーム音の後に「ニイハオ、おかけになった電話は借金を返さず信用を失った人にかかっています。この人はすでに「老頼」失信者リストに入れられています。慎重にお付き合いください。」というメッセージが流されます。受信の場合も逃がしません。北京の裁判所は通信会社の協力を得て、「老頼」が電話を掛けると受信者の携帯には必ず、「気を付けてください、この電話は「老頼」失信者からです!」というメッセージが表示されます。メールの場合も同じです。
さらに、裁判所に「老頼」と認定された人の子供は私立学校に入学できません。すでに入学した生徒にも退学または公立の学校へ転校を命じられます。信用を失うとまさに「魂の破産」です。交通機関が制限され、家族にも迷惑がかかります。
司法当局は制裁手段を徹底的に強化しています。悪質な失信者は一歩たりとも外に出さない!許さない!法律を駆使しITを駆使し「老頼」への圧力は徹底的にグレードアップされています。借り逃げは絶対に許さない! 効果覿面、2018年7月10日最高裁判所の発表によるとたった2ヶ月で全国で280万人の「老頼」が返済義務を履行しました。
少し前までは「債務不履行」がまかり通っていました。借金しても知らん顔、ほったらかしても大丈夫、借りた者勝ち、「貸すものが悪い」といってはばからず、借金王を誇るものさえいました。
2018年5月以降「老頼」の中には、自ら積極的に債権者を探し出し、裁判官を訪ねて利息をつけて債務を返済することを提案し、自分を「老頼」不信者リストから削除してほしいと裁判所に懇願する改心者もいるようです。世の中、様変わりです。借りたカネは返す!本当は中国4000年の常識です。
(高消費旅行か、高速鉄道や飛行機乗り、スター級のホテル泊まりなど、……すべて禁止される)