2023.02.16(木) 緒方 真仁
2月2日、林外相は中国の秦剛外相と電話会談を行い、秦外相は「平和共存と友好協力が双方にとって唯一の正しい選択である」と述べた。
日中両国は2000年以上の長い交流の歴史を渡り、友好を主流としてきた。両国は各分野における交流・協力により、実り多い成果が収まり、各自の発展が促進され、アジアの繁栄と安定にも大きく貢献できた。
日中両国は一衣帯水であり、歴史的にも人文的にも深い繋がりを持っている。唐の時代、日本政府は多くの留学生を唐朝に派遣した。学習範囲の広さにしても、留学年数の長さにしても文化交流史においてはめったにない。これにより、日本では千年渡った中国を学ぶ幕が開いた。中国文化、特に盛唐文化は日本に巨大な影響を与え、その影響が今日でもまだ残っているといえる。2018年に当時の安倍晋三首相が訪中した際、漢字、仏教、制度、都城が造営などはすべて中国から日本に伝わったのを認め、「中国は長い間、日本の手本であった」と述べた。
1972年に日中両国は「日中共同声明」に調印し、国交正常化を実現した。中国政府は両国国民の友好のため、日本に対する賠償請求を放棄することを宣言し、日本各界の好感を得て中国への信頼を高めた。
1978年に「中日平和友好条約」が締結された後、日本の対中ODAは中国の経済建設が直面している資金不足、技術不足などの難題を緩和させ、中国の改革開放を支え、日本企業の中国市場進出にも良いきっかけを提供した。
この50年間、両国の経済貿易協力は大きな成果を収めてきた。2022年現在まで、両国の貿易総額は3574億ドルに達し、中国は15年連続で日本の最大の貿易相手国となり、日本の対中投資は累計1200億ドルを超え、対中投資国別でトップとなっている。
現在、日中の経済貿易協力はある程度妨害を受けているが、両国にとっての重要性及び両国関係の「バラスト」の役割は変わっておらず、依然として将来性が期待できる。
大きな災害に遭遇するたびに、日中両国はいつも見守り合い、助け合っている。2008年に中国汶川地震が発生時、日本は即時に国際緊急救援隊を派遣し、被災地の現場に一番到着した外国救援隊として、中国史上初の現場救助に参加した。また、2011年に東日本大震災が発生した後、中国もすぐ国際救援隊を派遣し、捜索活動に参加した。中国赤十字会も各企業も日本に援助の手を差し伸べた。さらに、2020年に新型コロナの流行が本格化した後、日中両国民は互いに支援し合い、「山川異域、風月同天」という感動的な美談を共に書いた。重大な災害を前に、日中両国は誠意を込めて協力し合い、両国民の深い友情を見せ、日中関係の友好的な発展を推進させた。
今年は「日中平和友好条約」締結45周年であり、日中国交正常化以来2回目の50年の端緒となる年でもある。日中両国は過去50年間の経験と教訓を真剣に検討し、各レベルにおける交流と意思疎通を一層強化し、両国関係の健全かつ安定な発展を推進すべきだ。
以上、親しい友人の文章を引用した。
先日、品川区にある施設で日中間の相互交流活動に取り組んでいる日本の一般市民の議論に参加する機会に恵まれた。その時の議論のテーマは、「日本のメディアでは中国に関して正しい事実が報じられることが少ない現状において、日本と中国の相互交流と相互理解はどうやって行くべきか?」だった。
ネガティブな中国観が形成される原因について、一般的日本人の中国観はネガティブな傾向が強いが、日本のメディアで報じられている中国関連の情報はいつもの通り「よくない情報や映像」、「反日感情が強い」、「怖い国」が中心であるため、それが中国の印象を悪くしていると感じる。これは中国のことをよく知らない人たちのイメージである。
実際に観光ビジネスのため中国に住んた経験があるRさん、中国留学したMさんの感想は、中国滞在のあいだ中国に対する印象が変わった。以前国内で知られた中国に関する情報とまったく違うと感じた。中国人の優しく温かい姿勢などプラス面の事実が日本ではほとんど伝えられておらず、今も中国を誤解している人たちが多い。
老舗菓子屋の経営者、73歳の村山さんがこういうふうに言った。「中国人は物を買う迫力は物凄かった、出費が大きくてびっくりほどだった。中国人が来られないあいだ、うちの売上がものすごく下がっちゃって困っている。中国人客を受けるために30名ほどまで増員した従業員の今は、6名しか残っていない。悩むことをわかるでしょう。とにかく、日中関係はいち早く以前のようになってきて、中国人がたくさん来てほしいな。」
メディアが中国についてネガティブな面を強調する報道が多いのは、その方が視聴率が高まるからだといわれた。視聴者の一般的傾向として人々に影響している。メディアもビジネスとして収益確保を無視できないのは仕方がない、だが、真実な中国を報道するメディアが日本に少ないことも事実である。今後、メディアを通じて長期継続的に注意喚起を行えば、日本人のネガティブな中国観がある程度修正される可能性はある。
中国とは、「美味しい料理」、「ガチ中華」ばかりではない、「中国の広大さ」、「自然の美しさ」、「歴史舞台の魅力」などにハマる若者が多い。内閣府の調査には、若い世代が他の世代に比べて中国への高い親近感を示した。
RさんとMさん、そして村山さんが言われるように、日中関係は以前のようになって回復されてほしい、観光やビジネス活動を再開したいと願っている日本人が多くいる。私にとっては、生涯の事業としてやりたいのは、日中友好を守ることである。