人民網日本語版
広い中国では、地域によって、人々の肥満の傾向にも差があるのだろうか?どんな人が太りやすいのだろう?英文学術雑誌「Obesity Research & Clinical Practice」に、中国全土の18歳以上の成人約44万人を対象に、4年間かけて実施した疫学研究の結果が掲載された。同研究は、過体重・肥満の流行の最新統計を示し、それら統計に基づいて中国の「全国肥満マップ」を描き出している。健康時報が報じた。
北方エリアの人・中年・既婚者が太りやすい
研究によると、性別や年齢、既婚・未婚などが、過体重や肥満と明らかに関係がある。
(1)地域別では北方エリアの人のほうが肥満の傾向
全体的に見ると、過体重・肥満率の南方エリアと北方エリアの差は明らかで、東北地方や西北地方の過体重・肥満率は、東南地方を上回っている。
具体的に省別でみてみると以下の通りだ。
平均体重指数:最高は天津市(25.4kg/㎡)、最低は海南省(22.2kg/㎡)。
過体重率:最高は北京市(40.9%)、最低は広西壮(チワン)族自治区(14.6%)。
肥満率:最高は天津市(12.2%)、最低は海南省(1.3%)。
北方エリアは南方エリアより、過体重・肥満率が高い主な原因は食習慣と関係があると考えられる。南方エリアの人々は、家禽類や魚類などの白身肉、新鮮な野菜、果物をよく食べ、味は全体的にあっさりとしている。一方、北方エリアの人々は、味付けの濃い食べ物が好きで、豚肉、牛肉、羊肉など、赤身の肉をよく食べ、野菜・果物は比較的少ない。
その他、2020年の中国人約2億人のサンプルに対するある研究によると、北京市と天津市の住民は、特に甘党で、糖分の過剰摂取が問題となり、過体重・肥満のリスクが高くなっている。
(2)年齢別では中年男女のほうが太りやすい
中年になって太ってしまうのに原因がないわけでは決してない。同研究によると、年齢が高まるにつれて過体重・肥満のリスクも高まり、45-54歳でピークに達した後は、年齢が高まるにつれて今度は低くなっていく。45‐54歳の中年男女の過体重・肥満の割合は、18‐24歳の若者の3.83倍になっている。また、18‐24歳の若者を見ると、過体重率は10.9%、肥満率は2.3%肥満であるのに対して、45‐54歳の中年男女は、過体重率が36.9%、肥満率が6.9%になっている。
研究者は、「年齢が高まるにつれて、活動量が減ってエネルギー消費も減り、過体重・肥満が増加する。しかし、さらに年齢が高まると、筋肉が衰え始め、過体重・肥満が減り始める」と分析している。
その他、中年になると、太りやすくなるのは、自分の脂質代謝回転が目に見えて下降してくることとも関係する。脂質代謝回転が下がるということは、脂肪が貯まっていく速さが、消費の速さが大きく上回ることを意味する。
(3)結婚している人の方が太りやすい
同研究によると、既婚者、または異性と同居している人は、過体重・肥満になる確率が高い。また、男女ともに、結婚後は体重が増加する傾向にある。