串焼肉1kg一気に平らげ、口紅50本まとめ買い…リベンジ的消費がやって来た?

人民網日本語版

最近、企業活動や生産活動の再開が進むにつれて、いくつかの「奇妙」な現象が起きている。一度にミルクティを77杯注文した人、一度に串焼肉1キログラムを一気に平らげた人、一度にデリバリーでメニューにある料理を全部注文した人、一度に口紅を50本買った人のことだ。新型コロナウイルスによる肺炎の後のリベンジ的消費がやって来たのだろうか。中国新聞網が伝えた。

ネットで爆買い、あるいは終息後に備える

2月末、杭州市のショッピングセンターが営業を再開してみたところ、開店から5時間で営業収入が1100万元(1元は約15.6円)以上に達した。分析によると、これはリベンジ的消費の到来だという。

このケースだけではない。銀泰集団が提供した最新のデータでも、3月8日の国際女性デーに合わせたショッピングイベント「三八女神デー」では、口紅を一気に50本購入した人、家にいる「女神」を喜ばせるためにとMACのカウンターで口紅を128本予約した人、また当日の1回の買い物額が4万元に迫った人もいたという。

オンライン消費も上昇傾向で、京東が提供したデータでは、全国主要40都市の3月上旬のデータをみると、消費はより一層回復し、携帯電話類の売り上げは2月上旬に比べて58%増加し、内装サービスは195%増加、オフィス用品は全体で30%増加、家電類は37%増加している。

江蘇省消費者権利保護委員会が10日発表した調査結果をみると、回答者の40%以上が「消費意欲を早く発揮したい」と考えており、このうち13.1%が「ネットでずっと爆買いをしている」と答え、28.4%が「感染が終息したら、たくさん買い物する」とした。また感染が終息した後には、約90%が埋め合わせ的消費をすることが予想されるという。

さまざまな方法でリベンジ的消費を醸成

消息筋によると、いくつかのリベンジ的消費の兆しが現れただけでなく、これからリベンジ的消費の大きな波がやって来る可能性があるという。ネットユーザーからは、「絶対リベンジする。感染が終息したら、一日中魚の煮込みを食べて、一日中映画を見て、一日中ショッピングセンターをブラブラする」といった声も聞こえてくる。

ユーザーの中には、「火鍋を3回、焼肉を2回、シャンプーとサウナとマッサージに行く」といった心づもりをする人もいる。

国家発展改革委員会など23当局がこのほど共同で通達した「消費の容量拡大・品質向上を促進し強大な国内市場を加速的に構築することに関する実施意見」は、消費を促進する体制・メカニズムの改善を急ぎ、消費環境の改善を進めるとしている。

地方の様子をみると、最近は南京市が市民に3億1800万元分の買い物券を配布し、レストラン、スポーツ、図書、農村観光などに使えるという。大まかな統計によれば、南京だけでなく、済南市と寧波(ニンポー)市も買い物券を配布して消費を喚起している。江西省は週末を2.5日間にするなど柔軟に息抜きの時間を設けて文化観光の振興をはかろうとしている。

企業レベルをみると、京東が18日、複数のブランドと提携して15億元分の買い物券を発行した。アリババ系生鮮食品スーパーの盒馬鮮生によると、「埋め合わせ的消費が徐々にヒートアップしている。3月20日から22日にかけて、盒馬は上海で『年越しのやり直し』の提案をした。お正月によく食べる高級食材に焦点を当て、価格を引き下げて、上海市民にお正月に食べられなかったおいしいものを改めて食べてほしいと考えたからだ」という。

盒馬上海支社の常于氷社長は、「2月の最後の1週間から、盒馬の受注が徐々に上向き、感染状況が深刻だった時には忘れられていたシーフードや輸入果物などの売り上げの割合が徐々に通常の水準に戻ってきた。3月2日に無料配送を再開すると、受注は25%以上増加した」と話した。

「思いがけないところから育つ」消費

大規模なリベンジ的消費がいつ訪れるのかはっきりしないが、興味深いことに、こちらの花はまだでもあちらの花は咲いたことだ。感染期間中には美容院が休業していたので、オンラインで電動バリカンが飛ぶように売れた。外で食事ができないので、油条や涼皮、油溌麺などの軽食を自分で作るようになり、1ヶ月間にかかった材料費は外食と比べるとそれほど変わらなかった。これらはいずれも消費だ。

感染状況により除菌やケアに関する消費が特に上昇を続けた。ベビーマタニティ用品のECプラットフォームの蜜芽のデータによると、3月には蜜芽の優れた商品を提案する「スーパー工場」の売り上げ上位5位には洗い流さなくていいアルコール度数75度の除菌スプレーやハンドウォッシュなどが並び、すべて感染症対策の商品だった。昨年12月の上位5位にはレギンス、保温インナー、ティッシュペーパー、洗剤などが並んでいた。

多くのネットユーザーがクレジット消費をしている。クレジット消費プラットフォームの分期楽商城が提供したデータでは、3月の最初の2週間には、除菌できる食洗機、除菌できる加湿器、空気清浄機、ネックマッサージャー、浄水器などの売り上げが1月同期に比べて75%以上増加した。ペーパータオル、ハンドウォッシュ、消毒液、手袋など日常的な消毒・衛生用品の増加率は120%を超えた。

ジムに行けない場合はどうするか。データによると、スマート腹筋マシン、スマートルームランナー、体感型エクササイズダンスマットなど自宅でトレーニングができるスマートトレーニング・エクササイズ製品の売り上げ増加率が60%に達した。また家での生活・娯楽では、動画視聴・電子書籍閲覧の会員申込みが70%増加し、さまざまなトレーニングとゲームが楽しめる任天堂Switchは注文数が100%増加した。

京東は19日、「2月から現在まで、京東のヨガマット成約額が前年同期の6倍近くに増えた。1-2月のダンベル成約額は60%増加し、エキスパンダーは109%増加、縄跳びは56%増加、ローイングマシンは134%増加した」と明らかにした。

企業活動や生産活動の再開にともない、もう1つの新たな消費ポイントも生まれた。天猫(Tmall)が提供した3月1-9日のデータをみると、業務再開後はたくさんの働く人々が食事を持参しなければならなくなり、保温ランチジャーの売り上げが前年同期比211%増加した。公共交通機関の人混みを避けるため、電動スクーターを購入する人が急増しており、売上高は57495%増加した。電動自転車用防風サングラスも1568%、子ども用シートも1490%、それぞれ増加した。

感染状況の中、マスクは必需品となり、眉と目を際立たせる「マスクメイク」が流行中だ。銀泰百貨デパートの消費データによると、「マスクメイク」でアイメイク商品の人気が高まり、売り上げも2倍以上増え、アイシャドウパレットの多くが売り切れた。エッセンス、アイケア製品、化粧落とし、洗顔剤、スプレータイプの商品の売り上げも急激に増加したという。

ネットユーザーの中には、「お金を稼ぐ力は1種類しかないのに、お金を使う道は何百種類、何千種類もある。稼いだら使ってしまう。消費しないでいることは不可能!」とツッコむ人もいる。