CRI時評
米国のメディアと民衆はこの2日間、あることで憤激している。米国議会上院議員で上院情報委員会の委員長でもあるリチャード・バー議員が2月23日、自らと妻が所有する株式を大量に売却したのだ。バー議員はその前週、米国の感染症対策について「過去のいかなる時期に比べても、準備はさらに良好」と宣言していた。バー議員は米国の感染症対応プログラムの起草に参加したこともあり、上院の衛生委員会のメンバーでもある。米国メディアによると、バー議員は新型コロナウイルス感染症が発生してから、上院の感染症についての概要報告を定期的に聴取しつづけていた。同様の例は他にもある。米国上院ではバー議員と同じ時期に、その他の議員3人が株式を大量に売却していた。
この最新の株疑惑は、米国の感染症に対する予防・抑制活動の混乱と無秩序さの縮図だ。この事態により、米国の一部政治家にとっては資本こそが永遠に優先されるものであり、人の命より大切なものであることが、人々の目によりはっきりと示された。とは言っても、感染症が市場の自信に影響して株式市場が動揺した際に、米国当局が市場の救済にもたついていたわけではない。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)は金利を引き下げ、さらに7000億ドル規模の量的緩和政策を導入した。しかし、市場救済の効果は出なかった。米国の株価は暴落し、価格乱高下時に取り引きを強制停止させるためのサーキットブレーカーが4度に渡り発動された。このことで、米国現政権が発足して以来の株価の上げ幅は、すべて帳消しになった。
それ以外にも、米国では新型コロナウイルス感染の検査の進展が遅いと批判されつづけているにも関わらず、メディアは政治家や著名人、インターネットのインフルエンサー、さらにはプロバスケットボール・リーグのNBAのスター選手が新型コロナウイルスの感染検査を受けたと、絶えず報じている。巨大な貧富の差がもたらす社会の不公平など米国の根の深い問題が改めて浮き彫りになり、米国の体制の弊害が映し出されることになった。問題を直視し、透明さを維持し、迅速に行動し、米国国民の命と健康を、真に考慮することはできないのか。「資本優先」の論理を信奉する米国の政治家らは、よくよく考えねばならない。