今、中国の初等中等教育の実体は、精神病院のようです。いわゆるエリートを目指す子供は健康を犠牲にするだけでは十分ではありません。心の健康も犠牲にしなければなりません。にも関わらず、多くの子供は精神障害になるような代償を払ってでも高学歴を取ろうとしています。
精神障害は子供だけに留まりません。例えば中学生の親、特に母親。教育熱心な母親は自分はまともに仕事に就くことなく、昼夜欠かさず子供の教育に没頭する人も多い。日々の子供の食事、熱心に頭がよくなる食事を作ります。朝昼晩、学校にも自分が作った食事を持たせます。
週末も勉強、子供と一緒に塾に通ったりします。長期休暇も勉強。冬休みや夏休みの前から評判の塾の先生を必死のパッチで探します。もっといい先生、もっと有名な先生。お母さんたちはもっともっとで、休暇・補習クラスを探してまわります。休暇中の補習クラスが決まったら、ともかく子供を押し込みます。お母さんたちは、時々自分も補修クラスに出席してしまいます。子供は前の方に座わされて、お母さんは後の方に座ります、後ろから子供を監督しながら、先生のことも監督したりします。お母さんたちはバックが大好きです。
子供たちは毎日毎日、朝早くから塾に言って夜遅くバスに乗って、途中乗り換えながら、家に帰ってきます。遊ぶ暇などありません、バスの中でも塾の宿題をしています。トイレの中でも参考書を読んでいます。時には、うっかりして参考書で拭いてしまって肛門を切って血を流す子供もいるそうです。
中国の初等中等教育は、正に精神病院。見事、高学歴を掴んでエリートになっていく子供も、ドロップアウト・落ちこぼれ組となる子供にも、どちらも共通する運命が待っています。それは身も心も“傷だらけ”です。
中国では普通の人として生きていくことが厳しいのです。社会システムも教育も近郊・平等と言った機能を失っています。典型的なピラミッド、つまり、学歴が低ければ低いほど出世するチャンスも失い、社会の資源(すなわちおカネ!)を手にする機会も少なくなります。従って、ほとんどの母親は力のかぎり自分の子供を上へ上へと突き上げます。子供も子供でそのことを知っていて、自分が少しでも人より良い成績を取らないと人の上に立てないし、人の上に立てないと、人の下で踏み台にされてしまう運命が待っているだけです。このリスクには親も子供もぞっとさせられます。
中国の子供が、何を恐れて、つかれたように勉強するのか、、、。上へ上へだけではありません。後ろも怖いのです。自分の後を血だらけのゾンビが追いかけてくるのです。後ろのゾンビに追いつかれたら食べられる他ありません。真っ暗で巨大なお化け屋敷で見えないゾンビに追われ見えない出口に向かってマラソン競争をやっているようなもの。一度入ったら無事には出られない精神病院、これほど怖いお化け屋敷もありません。今、中国では、人の上に人はつくられ、人の下に病んだ人ばっかり。されど、学問ですすめ!
(バス乗って、宿題をしている小学生)