シャープ中国回帰

シャープは近く日本市場よりも先に中国市場で8Kテレビの新製品を発売し、市場獲得を目指すという。だが、目下の中国市場におけるシャープの状況は決して順調とはいえず、携帯電話などの電子製品事業は全面的に縮小しつつあり、鴻海の買収後に採用された「低価格戦略」も失われた市場シェア回復にはつながっていない。「証券日報」が伝えた。

業界関係者はこのほど、「2016年8月にシャープを買収した後、鴻海はシャープブランドの力を借りて、電子製品の代理製造企業からの脱皮を図ろうと考えたが、この戦略はうまくいっていない。それどころか、中国市場における低価格戦略のせいで、シャープブランドは大きく傷つき、『安物』のレッテルを貼られることになった」と指摘した。

シャープ関係者はこうした事態について、「鴻海はこれまでずっとシャープを助けて戦略的モデル転換を進めてきた。シャープが中国市場を重視していることも強調してきた」と話す。

業界関係者は、「今シャープが直面する四面楚歌の状況にある。液晶パネル事業で中国メーカーの京東方や華星光電に押され、テレビ事業でイノベーション力が足りず、優位性が失われつつあり、携帯電話事業では中国市場から撤退する可能性がある。トップブランドの座から陥落したシャープは、今では周辺に追いやられ、危機に直面している」との見方を示す。

今のシャープ携帯事業の苦境も相当なものだ。中国市場に回帰してから1年で、徐々に影が薄くなり、ついには撤退のうわさまでささやかれる始末だ。