人民網日本語版
屈建軍研究員のチームが6日に撮影した、甘粛敦煌鳴沙山月牙泉景勝地。画像は取材先が提供
全国砂漠化対策模範者で、中国科学院西北生態環境資源研究院敦煌ゴビ砂漠研究ステーションの屈建軍研究員は、甘粛省敦煌市鳴沙山の鳴沙現象(砂が鳴くような音を出すこと)の持続的な考察に基づき、鳴沙山エリア内のすべてに鳴沙群が分布しており、かつ一部の砂山が再び「鳴く」ようになったことを発見した。新華社が伝えた。
屈氏によると、東の莫高窟から西の党河口に至る鳴沙山は、東西に約40キロメートル連なり、南北の幅は約20キロメートル。屈氏によると、鳴沙は、別名「響沙」、「哨沙」または「音楽沙」で、砂漠と砂浜に分布しており、砂漠が最も珍しい。これは一種の神秘的な自然現象とされており、そしてそのため重要な観光資源になっている。だが、甘粛省敦煌市鳴沙山を含む中国国内の有名な鳴沙山が、相次いで音を出す機能を失った。
屈氏は長年の研究を経て、「敦煌市鳴沙山の自然の砂粒の表面は風や水の侵蝕といったさまざまな要素により多孔構造を持ち、共振する空洞を形成している。外部の力により、運動中に互いに摩擦・衝突することで極めて微弱の振動音が生じる。大量の表面空洞の共振作用により拡大し、人の耳に砂粒が運動する音が聞こえる。しかし環境汚染や人類活動の増加により、敦煌市の鳴沙山の砂粒が摩損し、それにより粉塵などの不純物が生じた。これらの不純物が砂粒表面の空洞に入ることで生じる減衰振動効果によって、鳴沙の共鳴メカニズムが損なわれ音が出なくなった」ということを発見した。屈氏のこの研究成果は2019年に、第8回中国イノベーション起業コンテスト砂産業コンテスト2等賞を受賞した。
屈氏は取材に、「90年代頃に人類活動が増加し、砂を過度に踏まれたことで、鳴沙山の生態保護が困難になった。一部の鳴沙も徐々に音を出すメカニズムを失った。現地政府は近年、鳴沙山封鎖保護プロジェクトを開始し、砂漠化封鎖エリアを画定し、封鎖保護や植生栽培プロジェクトを展開した。これは敦煌市鳴沙山の一部の砂山が音を取り戻すことをある程度サポートするとともに、珍しい鳴沙群を形成した」と述べた。
「長年の科学的な保護により、敦煌市鳴沙山の一部の砂山の砂粒が浄化され、表面がきれいになった。砂粒を踏むとかつての音を取り戻せる」。屈氏は、「鳴沙資源の科学調査を早急に展開し、敦煌鳴沙資源の調査と評価によって鳴沙砂丘を正確な位置づけを行い、この神秘的な自然現象を保護することで、敦煌鳴沙観光資源の保護と合理的な開発利用に科学的根拠を提供する」と提案した。