四川省で中国最小の恐竜足跡を発見、長さわずか10.2ミリ

人民網日本語版

四川省の自貢恐竜博物館は26日、同博物館の研究館員である彭光照氏、葉勇氏と副研究館員の江山氏、中国地質大学(北京)の准教授の邢立達氏ら中国内外の古生物学者からなる研究チームがこのほど、自貢市富順県で保存状態が良好な複数の恐竜の足跡を発見したと発表した。うち長さ10.2ミリメートルしかない小さな恐竜の足跡は、獣脚類の早成性もしくは超早成性の成長戦略を解明する可能性がある。中国新聞網が伝えた。

同博物館が今回公募で集めた標本は8点の足跡化石だ。足跡の輪郭を正確に浮かび上がらせるため、研究チームは3次元画像による再建を行い、データ分析可視化と3次元点群処理ソフトで3次元画像を作成した。この過程において、5番化石の非常に小さな足跡が学者たちの注意を引きつけた。5番化石は約0.35平方メートルで、少なくとも44個の3本指の足跡がある。足跡の密度は1平方メートルあたり約120個。うち1つの足跡が非常に小さく、長さ10.2ミリメートル、幅9.6ミリメートル。3本指がはっきり見て取れ、中でも3本目の指が最も目立つ。はっきりとした肉趾はなく、すべての指に相対的に鈍い爪痕がある。同足跡は中国で現在記録されているうち最も小さい恐竜の足跡だ。

関係分野の学者によると、富順の小さな足跡が獣脚類の生まれたばかりの頃の足跡であるとするならば、これは早成性もしくは超早成性の成長戦略の可能性が高いという。早成性もしくは超早成性は、主竜類の古い特徴の一つであり、一部の恐竜(例えばトロオドン、エナンティオルニス類)及びその他の脊椎動物(例えば翼竜)に見られる。同時に恐竜の足跡に基づき、恐竜の当時の運動状態、例えば歩行、走行さらには水泳などを判断できる。