中国、地下鉄車両内での食事、イヤホンなしの音楽などが禁止に 新条例が施行

人民網日本語版

4月1日から、中国交通運輸部(省)が発表した「都市鉄道交通旅客輸送組織・サービス管理弁法」(以下「弁法」)が正式に施行されている。「弁法」は乗客の行為を規範化するために、「駅や列車内での喫煙、点火」など、運行の安全性に影響を及ぼす10項目の行為を禁止しているほか、「電子機器を使用する際、イヤホンなどを使用せずに音を出す」、「列車内での食事」など、運行の秩序に影響を及ぼす7項目の行為を制限している。人民日報海外版が報じた。

マナーの悪い行為を制限

3月31日、人民網は微博(ウェイボー)で、「列車内で最も不快に感じる行為」についてネット調査を行った。調査結果によると、一番多かった回答は、「他の乗客が座席に寝転んでいる・足を踏まれる」で回答者の36%を占め、以下、「他の乗客が電子機器を使用する際、イヤホンなどを使用せずに音を出す」(30%)、「他の乗客が匂いがする食べ物を食べる」(21%)と続いた。また、多くのネットユーザーが「もしできるなら、全部選択したい」、「これら行為は全部不快」などのコメントを寄せた。

都市鉄道交通が急速に発展する中、乗車中のマナーに対する注目もますます高まるようになってきている。統計によると、2019年12月31日の時点で、中国大陸部の40都市の都市間鉄道の運営距離は累計で6730.27キロ、2019年度に新たに開通した路線は968.77キロ、利用者数は延べ240億人以上と、再び過去最高を更新した。これらを背景に、交通運輸部が発表した「弁法」には、「乗客の行為の規範」という章が設置され、多くの人が注目してきた地下鉄列車内でのマナーの悪い行為を明確に規範化している。

「弁法」は、多くの人の間で好評を博している。あるネットユーザーは、「心から支持する!合わせて宣伝、ガイド、規範、懲罰などの対策を実施してほしい」、「支持する!この規定はとてもいい!」など、賛同する声を寄せている。

電動立ち乗り二輪車など流行グッズに関する規定も

「弁法」が発表される前に、北京や上海、深センなどの都市は既に「マナー公約」、「乗客の規定遵守」、「管理条例」などを打ち出して、地下鉄の乗客の行為を規範化、制限している。正式に施行された「弁法」は、各地にとっては、関連の規則の制定、改訂のための「トップレベルデザイン」となっている。

「弁法」は非常に詳細で網羅的であるほか、現実的で、的を絞った内容になっており、首都経済貿易大学法学院の講師・屈向東氏は、「多くの人がずっと不快に感じていたイヤホンなどを使用せずに携帯の音を出したり、刺激の強い匂いがする物品を持ち込んだり、列車内で食事をしたりなど、地下鉄内でのマナーの悪い行為が全て規制範囲に入っている」と評価する。

中国の社会や生活で近年、よく見かけるようになっている電動立ち乗り二輪車や電動スケートボードなどをめぐる規定も盛り込まれている。「弁法」は、電動立ち乗り二輪車や電動自転車などの使用を、都市鉄道交通の運行秩序に影響を及ぼすため制限する7項目の行為に盛り込んでいる。

マナーの悪い行為を厳しく制限すると同時に、「弁法」では人間味のある配慮も示されている。例えば、「駅や列車内への動物の持ち込み」を禁止している一方で、「盲導犬や警察犬は除外」としている。また、「電動立ち乗り二輪車や電動自転車の使用」は禁止しているものの、「障碍者用の車いすなどは含まない」とし、「列車内での食事は禁止」しているものの、「赤ちゃんや病人は除外」としている。