中国は14の隣国と国境を接しています。従って中国には多くの国境都市も存在し、これらの国境都市と隣国との交流は非常に密接です。それぞれの国境地帯では、外国人と商売をしている中国人、中国に来て商売をしている外国人も多数。商売のやり方も多種多様です。スマートフォンの普及とともに、盛んになってきたユニークな商売として、お互いがお互いの国を出ないで金網を隔てて売買するという方法があります。
実際に、この商売は中国とミャンマーの国境で盛んです。ミャンマーとの国境の中国側に「中ミャン」と呼ばれる街があります。「中ミャン」の街の真ん中が鉄格子と金網で隔てられていて、金網のむこう側がそのままミャンマー、こちら側が中国です。中国とミャンマー両方から、多くの人々が「中ミャン」に集まってきます。そのまま金網を挟んで商売をすることができます。「中ミャン」では他にはない特別な決済も可能です。中国人がミャンマーの製品を購入するには人民元のキャッシュでの支払いの他、WeChatでも決済することもできるのです。国境線の金網に開けられた小さい窓口を通じて、国境線を挟んだままで取引が成立します。ミャンマーの人々は「中ミャン」の国境線・鉄格子に沿って、ミャンマーの特産品を並べています。例えば、果物、タバコ等々、品揃えも思いの外、豊富です。何よりも安い!中国の人々は、国境線のこちらから品定めをし、欲しいモノを指定します。
ミャンマーの人々は客の中国人が指定したモノを金網の窓口まで持ってきます。客から人民元もしくはwechatで支払いを受けて、品物を引き渡します。「中ミャン」では国境線がそのままショーウィンドウ、細長い商店街になっています。世界一の「国際通り」かもしれません。日本の皆さん、一度「中ミャン」にお越しいただいて、真にグローバルなショピングなどいかがでしょうか。