2019春節、中国各地のおせち料理自慢

         (四川料理:東坡肉)

春節を迎えて、中国人が楽しみにするのは、やはり年夜飯(大晦日のおせち料理)です。大晦日、家族が全員そろって年夜飯を食べることで、ようやくきちんと正月を迎えることになります。

ただ中国はやはり広いので年夜飯といっても地域によって違いもたいへん大きい。海辺に住む家族のテーブルは海鮮料理が中心、内陸・山間部のテーブルには「山珍」(山にあるもの)が並ぶのも常識。ここでは、地域地域それぞれの美味しい年夜飯(おせち料理)を紹介いたします。

東北地方:若鶏とキノコの煮込み。

           (若鶏とキノコの煮込み)

年(春節)の味が最も濃いのは東北三省(黒竜江省、吉林省、遼寧省)。それに東北の人の「年」(春節)ほど賑やか・派手な地方はありません。ただ、東北の料理は全国的には人気がなく、他の地域ではあまり見かけません、調理の火加減は強く、味が濃く、色も濃く、他の地方の料理ではどうしても真似できません。東北の人が料理を注文するときには「硬菜」(脂の濃い料理)が欠かせません。その代表格が若鶏とキノコの煮込み。東北の「年夜飯」の中でも最も特色ある濃い料理。食通であれば一度挑戦する価値あり!

北京:四喜丸子(4玉の肉団子)

          (四喜丸子 / 4玉の肉団子)

「皇城の元」と呼ばれる首都北京を一度歩いてみてください。北京の人の「年夜飯」(おせち料理)は料理の中身というより形式(料理の出し方)が大事なことがわかります。「帝都四九城」というおせち料理では「四四見底」という形式が大事にされます。四涼(4品の前菜)、四熱炒(4品の炒め料理)、四肉菜(4品の肉料理)、そして四湯菜(4品のスープ)で構成され「四平八穏」の吉祥が新しい年に訪れる、とされます。(中国では4と8が幸運の数字です)

ちなみに「四九城」というのは北京の城門、皇城の四つの城門、内城の九つ城門の総称をさします。皇城の四つの城門とは天安門、地安門、東安門、西安門をさします。内城の九つ城門とはそ正陽門(前門)、崇文門、宣武門、朝陽門、阜成門、東直門、西直門、安定門、と徳勝門を言います。今では「四九城」という表現は、北京そのものを意味する言葉としても使われています。

四喜丸子(4玉の肉団子)が、北京で「年夜販」(おせち料理)として人気がある理由は、4つの色、4つの香り、4つの味のある肉団子が、人生の福、禄、寿、喜の4つの祝い事を意味します。

春節の食卓に「四喜丸子」が出てくれば、大人たちは大喜び、お年玉も奮発されて、子供たちも大喜び。北京の運気は四方八方、世代を超えて広がります。

上海:四喜烤麩

             (四喜烤麩)

上海では、「年夜販」(おせち料理)というより「除夜の飯」を食べる習慣が良いこと(吉祥)をに繋がるとされています。四喜烤麩の「烤麩」は「靠夫」(夫に頼る)との語呂合わせ。家の男子が来年更に高い成果を得ることを意味します。上海語の「鮮」と「喜」は発音が同じで「四喜」は「四鮮」を意味して、よりいっそう良い「吉祥」を受けるという意味につながります。

そのため、上海では「四喜烤麩」が「年夜販」(おせち料理)には欠かせない吉祥な料理という訳です。北京が料理の形式なら、上海は料理名の発音重視、目的は同じ「良い年・吉兆」でも手段は地域によって千差万別、中国は広いのです。

広東:発財就手(手にすれば、金持ちになる!)

      (発財就手 / 手にすれば、金持ちになる!)

老婆饼(家内煎餅)、煲仔飯、油炸鬼(油揚げ)、、、。食は広東にありと言われるほど中国でも美食のトップに位置する広東人にとって、食べられないもの何もありません。

広東人には、料理名にもこだわりと理屈があります。たとえば、金色に揚げた饅頭は「黄金万両」、子豚焼きは「鴻運当頭」(鴻運が当たる)と呼びます、刺身は「食べる」とは言わず「すくい上げる」と言います。なぜなら「すくい上げる」とは、お金を稼ぐことを意味するからという理屈です。特に新年、広東人であれば大金が入る機会を逃してはなりません。広東人は豚の前足を「豚の手」と呼ぶことが大好きで、「年夜販」(おせち料理)にも「発財就手」を用意しました。つまり「発財就手」(手にすれば金持ちになる)!食は広東にあり、食のこだわりは金に通じる、です。

四川:川味腸詰

            (川味腸詰)

視線では、腸詰がない新年は「年の味」がない!と言われます。中国の腸詰マーケットでは、広東味の腸詰と四川味の腸詰が人気を二分しています。ただし、中国全土で食される四川味・腸詰のおおよそ半分は、四川人の春節の食卓にあがるとされています。

正月を迎える前、四川人の家庭では「川味麻辛腸詰」(四川味の腸詰)をたくさん作ります。どの家庭の窓やベランダに、赤と白の色のついた油っぽい腸詰がきちんとぶら下がっています。見渡す限りの腸詰という風景です。

同じ腸詰でも「南は甘い、北は塩っぱい、東は辛い、西は酸っぱい」といわれていますが五湖の海から来た“とされる川味麻辛腸詰、四川の腸詰は、本当に美味しい。特に、四川の家庭が心を込めて作る「年夜販」(おせち料理)の腸詰の味は本当に違います。腸詰・甘塩の争いは”三国志“さながらの「世紀の戦い」、ただし、筆者としては四川の腸詰に軍配!日本の皆さんも一度、四川で川味麻辛腸詰はいかがですか。春節ならずとも、年中無休で楽しめます。