「春節の空城(誰もいない城)」ランキング:深センが1位で優勝

中国のネット企業、騰訊(テンセント)が、このほど“2019春節の人口流動予測報告(位置情報サービス)”で「春節の空城」TOP10(人口流出率の高い大都市)を発表した。

第1位は深セン、第2位が東莞(トウカン)、3位北京、4位上海、5位蘇州、6位広州、7位杭州、8位鄭州(テイシュウ)、9位成都、10位仏山が続いた。

例えば、約2015万人の人口を抱える北京では、中国の旧正月、春節を前に“空”になった。天安門広場にも人がほとんどいない。ふだんでは見られない光景だ。世界最大の人口大移動が始まったからだ。関係部門の調査によると、2019年の「春運(春節期間の旅客運送)」は30億人に達し、同前年比で0.6%増加した。

春節期間北京の天安門広場)

今年の「春運」は1月21日から3月1日までの予定だが、多くの人が帰郷したため、ふだんは大混雑していいる北京地下鉄もガラガラの状態。ただ、北京の人気観光地、例えば紫禁城などは、春節を利用して北京を訪れた観光客も目につく。大晦日(2月4日、春節開始の前日)だけで、北京への旅行者は6.5万人に達する)

ただ、街にも、道ゆく人々はとても少ない。日ごろの騒々しい北京は「ひっそり」としている。

ランキング1位の深圳は、まさに「空城」となっている。深圳の大きなマンションでは1世帯しか残っていないようで、日が暮れても窓から明かりは漏れてこない。飲食店やデリバリーサービスにとっても売れゆきは激減。悩みは尽きない。日頃の深圳は活気に満ちて、街中に人が溢れている大都市。春節期間は人だけでなく車も少なく道路もガラガラ、ここが深圳とは思えないほど、まるで「空城」のようだ。

(深センの地下鉄車両、平日超混雑した通勤バス)

バスが「個人専用車」に変わり、タクシーを拾う手間がなくなった。駐車場もガラ空きで好きな場所に自由に駐車できる。地下鉄全車両を借り切ることさえできそう、がらんとした街は「世界の終わり」に似ている。この数日、誰でもわがままにすることができるようで、「深センは君のものだ!」。

(深センの繁華街)