姉さんたちの経済学 波を破る姉さんから中女の時代へ

人民網日本語版

先にはバラエティ番組の「乗風破浪的姐姐(風に乗り波を破る姉さんたち)」があり、後にはテレビドラマ「三十而已(Nothing But Thirty)」があり、2020年は「中女(経済力のある中年女性)の時代」が大まかな形を整えた年だといえる。「北京商報」が伝えた。

芒果テレビは「オーバー30」のアンチエイジングに励む女性達のために市場を開拓し、「三十而已」では30歳を目前にした3人の女性の物語を描き、それぞれの物語にそれぞれの魅力がある。ネットユーザーは一方でさまざまな意見を述べ、張雨綺や万茜といったお姉さんスターが風に乗り波を破る旅を見てうらやましがり、また一方で「理想の女性で専業主婦の顧佳に学ぶ『顧学』」を熱心に学んで、「顧姉さんがこなせない奥様の役割なんてない」との声を上げる。

今をときめくスターやかつての人気スター、ゆとりある暮らしの専業主婦、大都市で苦労しながら頑張っている女性、理想も計画もない都合のいい女性など……いろいろなタイプの中年女性に向けられた人生の広角レンズには、女性達の経済学が映し出され、また社会全体の経済学が映し出されている。

女性たちはさまざまな人生行路をたどるが、同じような人生のカベにぶつかる。女性が生きているさまざまな生存シーンには、変化が激しい芸能界もあれば、波瀾に満ちた資本市場もあり、中小企業のいつ途絶えるかわからない資金チェーン、職場での老若男女の人情の物語、大人の世界の親しい関係の中に潜む世間体や耐えがたさもある。

スターに焦点を当てた名場面は、人気の分かれ目となる場面であり、疑問を持ったり持たれたりする場面でもある。普通の働く女性の名場面といえば、前に進もうとする若者のがんばる姿と妥協する姿であり、これは実は流動する社会のスムーズな流れと滞りを示している。専業主婦にとっては夫婦の間の教育理念のすれ違いとぶつかり合いは保護者の名の下に示された自分とは異なる財産観、価値観、社会観だ。婚姻生活における両性のバランスについての議論もまた、現代社会の夫婦はどうやって同じ周波数で成長していくかを模索することでもある。

ここ数年、数々の映画賞を受賞した「スリー・ビルボード」、アマゾンビデオのドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」、韓国ドラマ「メロが体質」や「恋愛ワードを入力してください〜Search WWW〜」まで、こうした作品には非常に多くの世の中に反逆する、豊かで、独立した現代女性像が描かれている。彼女たちはこれまでの表現をひっくり返し、世界的に市場で高く評価された。彼女たちは経済力の高い中年女性であり、妻、母であり、そして時代のアイコンでもある。

時代が進み、女性の自己実現の可能性がますます大きくなっている。彼女たちの多くは厳しく自分を律し、健康管理に気を遣い、見識があり、能力もあり、仕事ではばりばり働き、家庭では献身的に尽くす。しかし選択肢の広がりゆえにコストの上昇にも直面し、時には自分をとりまく光の中で夢をあきらめることもある。

ドラマから現実へ、表面から裏側へ、少しずつ深く潜入する。これは精彩に富んだ女性と時代との戦いであり競争であり、自分に向き合うことでもあり、平等で貴重な魂のぶつかりあいでもある。物質的な欲望や精神的な欲望にしても、過去の抑圧や今も消えることのない憧れの気持ちにしても、心の中の欲望を直視する必要がある。

万能である必要はない、重すぎる負担を背負う必要もない。彼女たちはもう少女ではなく、紋切り型の強さや弱さは捨て去り、外部に影響されない自覚、他人に影響されない自分自身、時間の流れ中でも変わらない強靱性がある。

中年女性の時代の最大の経済学は、女性たちに向かって開かれた窓を通じて、あらゆる年代の男女が改めて自分を見つめ直し、私たちが今いる物質的に豊かなようでしばしば精神的な迷いに陥るこの時代を直視することだ。性別、年齢、資産の定義に関して、もう「二十にして迷わず」、「三十に過ぎない」などと年齢を縛られることはなくなる。それだけでなく、画面の前にいる私たちに常に次のように問いかけている。

「あなたは一体どんな人生を送りたいのか」