台湾のデザイナーが「教室変革」から「教育制度改革」へ美観運動に着手

上:変革前後の忠孝国民小学校、 下:変革前後の南河国民小学校 (PRNewsfoto/Taiwan Design Research Institute)

【台北2022年6月15日PR Newswire】「Design Movement on Campus(キャンパスのデザイン運動)」は、台湾デザイン研究院(Taiwan Design Research Institute、TDRI)と教育部(MOE)のコラボレーションである。全国の高校/専門高校、中学校、小学校が専門的なデザインチームを選択し、教育現場の意味を再考するデザイン思考を通じて、ともにキャンパスを変容し、教育的思考とソリューションを一変することに役に立つことが目的である。2019年に「Design Movement on Campus 1.0」を開始して以来、過去3年間に55校を美観デモ校に変え、日本のグッドデザイン賞やドイツのiFデザイン賞など内外の主要な賞を受賞した。

上:変革前後の忠孝国民小学校、 下:変革前後の南河国民小学校
上:変革前後の忠孝国民小学校、 下:変革前後の南河国民小学校

今年、「Design Movement on Campus 3.0」は25校と協力して21デザインチームを選択して教育現場に入り、変革の課題に取り組んでいる。デザインチームは音楽室、美術室、工作室などテーマ別教室の空間的変革を実行するだけでなく、複合カフェテリア、標識システム、屋外多機能エリアなどキャンパス内各所で機能・環境的な実験も行っている。

台中の忠孝国民小学校は当初、食品と農業教室のスペースが不十分だった。先生と生徒は授業のために備品を廊下に移さなければならず、貯蔵、食材計画もままならなかった。デザインチーム「Office AAA」はサービスデザインのフローによって状況に応じたデザイン構想を導入し、教室スペースを大幅に拡張した。一部厨房備品を露出し、大きな窓枠を通して屋外スペースをつなぎ、机と椅子の多様なアレンジを創出して、先生と生徒が教室をより柔軟に活用できるようにした。サービスデザインのフローで生まれた有機的ユニットがある教室の最良ケースの1つである。

一方、苗栗県の南河国民小学校は、鶏小屋の改修という過去のデザインチームが出合ったことがないデザインニーズを提起した。当初、鶏小屋と葉の堆肥エリアに明確な境界がなく、鶏小屋を教育現場にすることは難しかった。「Whispace Studio」は滑らかで曲がった白い金属柵を使い、台湾オークの下にオメガ型の食品・農業生態学サイトをつくり出して、小屋と樹木、食品、農園、堆肥スパースの途切れることのないトラフィックフローを生み出した。めんどりはそれぞれ名札と卵トレー与えられ、生徒の学習に生命教育を導入した。先生と生徒はめんどりの行動と生活を至近距離から観察することもできる。プロジェクトはさらに、先生、生徒、地域住民がめんどりと一緒に繫栄し学ぶことができる生態学と食品と農業の教育現場も生み出した。

多くの人々がこの素晴らしいプロジェクトを知って参加できるように「Design Movement on Campus 3.0」は「Design Movement on Campus Online Exhibition(キャンパスのデザイン運動オンライン展)」(campusfield.design.org.tw )を開始し、空間と距離の壁を超えて、過去3年間のプロジェクトの業績を紹介している。また、プロジェクトは数年継続的に蓄積されたケースによって、美観変革学習のオープンプラットフォームを提供することを願い、より多くの台湾教育現場の専門家、デザイナー、企業がプロジェクトに加わってデザインのアイデアとリソースを提供し、台湾の次世代向け教育環境に美観の健全な基盤を構築するよう呼びかけている。