世界人口の約半数が口腔疾患に罹患しているとのデータに基づき世界口腔保健デーに呼びかけ
ジュネーブ、, 2023年3月20日 /PRNewswire/ --
- 写真はAP Images(http://www.apimages.com)で入手可能-
FDI世界歯科連盟(FDI)は今日、9月に開催されるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の議論に関する国連(UN)高級事務レベル会合(HLM)において、口腔保健を統合することを含め、口腔疾患を防止する行動を優先するよう各国政府と世界の保健機関に呼びかけました。
同会議はニューヨークで開催され、2019年の第1回高級事務レベル会合に続くUHCの進捗を評価し、すべての人に健康を提供するための具体的な行動領域を特定するために、各国および関係者にとって重要な機会となっています。
世界保健機関(WHO)の推計によると、口腔疾患は世界中の人々に影響を与える最も広くみられる疾患であり、35億人近くが虫歯、重度の歯周病、歯の喪失、および口腔がんに苦しんでいます。口腔疾患の患者数は、5大非伝染性疾患(心血管疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患、がん、精神疾患)をすべて合わせた患者数よりもほぼ10億人多くなっています。
FDI世界歯科連盟会長で、モロッコのカサブランカにあるMohammed VI University of Health and Sciences(モハメッド6世健康科学大学)の歯学部長であるIhsane Ben Yahya教授は、「口腔内の良好な健康状態は、身体の健康と心の健康の両面において、私たちの日常生活に欠かせないものです。」と述べています。
「口腔疾患が毎年何十億人もの人々に影響を与えている今、各国政府と世界保健機関は、譲れない一線を引いて行動する時です。つまり、すべての人が手頃な価格で質の高い口腔医療を公平に受けられるように徹底し、国民皆保険の計画の中心に口腔の健康を据えることを意味します。」
口腔内の良好な健康状態は、呼吸、食事、会話、笑顔のために不可欠です。口腔疾患を治療せずに放置すると、その人の健康と社会生活の見通しに深刻な影響を与える可能性があります。患者の方々は、続く痛みに耐え、二次的な疾患が発生し、社会的に孤立し、労働力から排除され、また教育面では成績が低下する危険性があります。
ほとんどの口腔疾患は予防可能であり、費用対効果の高い介入によって治療することができます。しかし、多くの人々は、利用可能性や経済的な余裕など、いくつかの理由から口腔ケアを利用できない状態にあります。口腔疾患に苦しむ人々の75%近くが低・中所得国に居住しており、そこでは口腔医療にかかる費用が家族にとって致命的な負担となることもよくあります。
近年、世界的なレベルで口腔疾患に対する取り組みが進んでいます。2021年、各国は画期的な口腔保健に関するWHO決議を支持し、そして今年の第76回世界保健総会では、「世界人口の80%が必須の口腔保健サービスを受けられるよう徹底する」ことを各国政府に呼びかける「世界口腔保健行動計画(2023~2030)」を採択します。これは、各国が国の保健サービスに口腔保健を統合することを優先して、訓練を受けた歯科保健専門家を十分に確保することなどによって達成されるでしょう。
「私たちは、FDIの「すべての人に最適な口腔保健を提供するためのビジョン2030」に合致する「世界口腔衛生行動計画」の採択など、口腔衛生に関する機運の高まりを歓迎します。この勢いを口腔疾患に対する具体的な行動に移し、最も影響を受けている人々が生涯にわたって笑顔を享受できるようにすることが重要です。」とIhsane Ben Yahya教授は言います。
世界口腔保健デーは、口腔保健の専門家、政策立案者、研究者、そしてより広い世界の各国・地域が、口腔保健に対する前向きな姿勢の重要性を広める絶好の機会です。FDIは、この日を記念して、世界中の人々が#MouthProud(誇れる歯)チャレンジに参加し、健康な笑顔と健康な人生のために口のケアをするよう促すことを強く呼びかけています。
メディアへのお問い合わせ:
マイケル・ケスラー
メディア対応、FDI
携帯電話:+ 34 655 792 699
Eメール:michael.kessler@intoon-media.com
FDI世界歯科連盟について
FDI世界歯科連盟は、世界中の100万人を超える歯科医の主要な代表機関として役割を果たしています。そのメンバーシップには、130か国以上の約200の全国歯科協会と専門家グループが含まれています。FDIには、世界を最適な口腔衛生に導くというビジョンがあります。