ここ数年、中国人観光客は日本に対する理解を深めてきたようです。ショッピング(爆買い)から体験へ。中国人観光客のニーズはますます個性化し、素質・マナーも明らかに向上。日本の旅行ツアー関係者も評価しています。
日本政府観光局(JNTO)の最新データによると、2018年、訪日外国人観光客は約3119万人、そのうち中国人は838万人、全体の割合は27%を超え、対前年比で13.9%増加。この数年、訪日中国人の多くが“リピーター”となり、“爆買い”と揶揄されたショッピング中心から、個性的な観光、体験型観光に転換しています。
ただ、中国語ガイドが不足する状況は相変わらず。多くの中国人観光客を困らせる「冗談のような話」も頻発。例え、ある日本料理店が中国語ポスターで「有一只鳗鱼它有生鱼片(ウナギが一匹、刺身のまま生きている)」と表示、中国人としては思わず“笑い”、中国のサイトでも話題になりました。実際のところ、特に日本の地方都市では、中国語が話せる人材が不足しており、機械翻訳に頼ることで生じる珍訳も珍しくありません。
一方、中国人観光客の素質・マナーが、最近大幅に向上してきたとの評判。そもそも中国人も中国人同士では、文化を共有し、お互いに礼儀を重んじることもできます。これまでしばしばメディアに取り沙汰されてきた中国人観光客のマナー問題は、日中の文化や社会的な習慣の違い、無理解からくることも少なくなかったと言えます。もちろん中国も“旅の恥は掻き捨て”に無縁ではありません。
ただ最近では、日本に対する理解を深めてから来日し“郷に入っては郷に従え”で日本を旅する中国人が格段に増えてきました。これを受けて日本の人々も、だんだんと中国人観光客を理観し、より寛容に“おもてなし”の気持ちを持ってきたようです。
日本国土交通省観光庁の最新データによると、2018年外国人観光客の国内消費は4.5兆円。そのうち中国人は1.54兆円、全体の34.2%に達しています。日本では、お客様は神様。中国人観光客も、荒神さまから菩薩さまへ、といったところでしょうか。