レイキャビク, アイスランド, 2023年10月26日 /PRNewswire/ -- deCODE Genetics主導で実施された片頭痛の遺伝学に関する大規模国際研究で、片頭痛の生物学的知見が新たに得られ、片頭痛を予防する希少変異の検出が可能となり、新たな創薬標的づくりの可能性に道が開かれました。
ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)誌に26日、発表された研究結果で、アムジェン(Amgen Inc)の子会社であるアイスランドのdeCODE Geneticsが主導する国際研究者グループは、130万人超のうち8万人が片頭痛持ちという参加者の遺伝子データを解析しました。研究者らは、前兆のある片頭痛(しばしば古典的片頭痛と呼ばれる)と前兆のない片頭痛という片頭痛の2つの主なサブタイプに関連する配列変異の検出に焦点を当てました。その結果、これら片頭痛のサブタイプの一方に他方より大きな影響を及ぼす遺伝子がいくつかあり、治療薬開発の標的となり得る新たな生物学的経路を暗示していることがはっきりしました。
片頭痛は世界中で最も一般的な慢性疼痛疾患の1つで、成人の最大20%が罹患しています。近年、片頭痛の遺伝学的、基礎生物学的研究が進み、多くの片頭痛患者に有効な新しい治療薬が開発されましたが、それらは全タイプの片頭痛に効果があるわけではありません。
本研究では44の変異との関連が明らかにされ、そのうち12は新規のものでした。新たに4つの変異と前兆のある片頭痛との関連が明らかになり、13の変異は主に前兆のない片頭痛と関連していました。特に興味深かったのは、異なるタイプの片頭痛に内在する異なる病態を示唆する、影響の大きな3つの希少変異でした。つまり、PRRT2遺伝子の希少フレームシフト変異は、前兆を伴う片頭痛や別の脳疾患であるてんかんの大きなリスクとなるが、前兆を伴わない片頭痛のリスクにはならないのです。痛覚に重要な役割を果たす遺伝子として知られるSCN11Aから、片頭痛予防効果に関連するいくつかの希少な機能喪失型変異が検出される一方、同じ遺伝子の一般的なミスセンス変異は片頭痛の中程度のリスクと関連していました。最後に、KCNK5遺伝子を示唆する希少変異は、重度の片頭痛や脳動脈瘤に対し大きな予防効果をもたらし、この2つの疾患の間の共通経路の特定、あるいは初期の脳動脈瘤の症例の中に片頭痛と誤って分類されるケースがある可能性が示唆されました。deCODE geneticsのKari Stefansson最高経営責任者(CEO)は「私たちの研究のユニークな点は、配列決定された個人の大規模データセットを扱っており、片頭痛を防ぐ希少変異の検出が可能になり、新たな創薬標的づくりに道を開く可能性があることです」と話しています。
国際研究チームの共同研究は、アイスランドのdeCODE geneticsの研究者が主導、コペンハーゲン病院のバイオバンクとデンマーク血液銀行の研究、ノルウェーのHUSK研究、米国のIntermountain Health研究およびUKバイオバンクとFinnGenの大規模集団ベースの研究から生まれたデータの協力研究者が参加しました。
アイスランドのレイキャビクに本社を置くdeCODEは、ヒトゲノムの解析と理解のグローバルリーダーです。deCODEは、独自の専門知識と人的資源を活用し、数十の一般的疾患の遺伝的危険因子を発見してきました。疾患の遺伝的特徴を理解する目的は、その情報を使って新たな疾患の診断、治療、予防法を生み出すことです。deCODEはアムジェン(NASDAQ:AMGN)の完全子会社です。
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Gyda Björnsdóttir project leader on behalf of deCODE genetics and Kári Stefánsson CEO of deCODE genetics