イタリア・ドンぺ社、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症肺炎症患者を対象としたレパリキシンの有効性と安全性を評価する第2相臨床試験の結果を発表

In its GMP facility in L’Aquila, Dompé manufactures more than 60 thousand packages per year distributed globally (PRNewsfoto/Dompé Farmaceutici S.p.A)
  • 新型コロナウイルス感染症で入院を要する肺炎患者において、レパリキシン投与群(n=36)の臨床イベント発生率は、標準治療群(n=19)に対して統計学的に有意に低いことが確認された。
  • 本試験は、新型コロナウイルス感染症の重症肺炎患者を対象に、IL-8阻害剤であるレパリキシンの有効性と安全性を評価した初めての試験である。
  • 第2相試験の結果は、米国胸部疾患学会(ATS)2022年国際会議で発表され、Infectious Diseases and Therapy(感染症と治療)誌に掲載された。

ミラノ, 2022年6月13日 /PRNewswire/ -- Dompé farmaceutici S.p.A(以下、ドンペ社)は本日、第2相臨床試験の結果を発表し、新型コロナウイルス感染症の重症肺炎患者において、レパリキシンが標準治療と比較して臨床転帰を改善させることを示しました。しかし、この結果を確かなものにするためには、より大規模な第3相臨床試験が必要です。第2相臨床試験の結果は、Infectious Diseases and Therapyに掲載され、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたATS2022年国際会議の科学セッションで発表されました。

In its GMP facility in L’Aquila, Dompé manufactures more than 60 thousand packages per year distributed globally
In its GMP facility in L’Aquila, Dompé manufactures more than 60 thousand packages per year distributed globally

急性肺損傷および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、新型コロナウイルス感染症の患者における一般的な合併症です。1 ドンペ社は、アンメット・メディカル・ニーズに応える研究投資の一環として、新型コロナウイルス感染症に起因するサイトカイン放出症候群に関連するIL-8の阻害を評価する非盲検多施設共同試験を実施しました。

イタリア・ミラノのサン・ラファエレ病院のCARE(集中治療・麻酔科センター)ディレクター、Giovanni Landoni医学博士は次のように述べています。「レパリキシンは、 新型コロナウイルス感染症によって引き起こされた急性呼吸器炎症患者への新規適用が期待される治験薬分子です。臨床試験では、良好な忍容性を示しました。 標準治療と比較した結果は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及により低下している可能性がありますが、得られた結果から、急性呼吸器炎症の患者において継続的な調査が有益であることが示唆されました。」

55名の患者を、IL-8の阻害剤であるレパリキシン1200mgを1日3回経口投与する群と、標準治療を21日間まで行う群に2対1で無作為に割り付けました。 臨床イベントの発生率は、標準治療を受けた患者と比較して、レパリキシン投与群で統計的に有意に低かった(27%対42.1%、p=0.02)。 レパリキシンによる治療は、治療に起因する有害事象、臨床検査値およびバイタルサインのパラメーターに関して、良好な忍容性が確認されました2

ドンペ社の最高医学責任者であるFlavio Mantelli氏は、次のようにコメントしました。「ドンペ社は、他のバイオ医薬品業界とともに、新型コロナウイルス感染症およびその合併症と戦うために緊急に取り組んできました。 ワクチンによって病気の重症度は軽減されていますが、最も深刻な影響を受けている患者に対する病院での治療方法は依然として限られています。 我々はこの患者集団に献身しています。新型コロナウイルス感染症の呼吸器合併症を軽減する可能性を評価するために、臨床開発プログラムを継続することを楽しみにしています。」

本試験について 3

本試験は、2020年5月5日から2020年11月27日までに新型コロナウイルス感染症の重症肺炎患者で入院し、今回初めて退院した成人患者を対象に、レパリキシン経口剤の有効性と安全性を評価するために計画した非盲検多施設無作為化の第2相臨床試験です。 本試験では、新型コロナウイルス感染症の重症肺炎で入院した成人患者55名(18~90歳)を対象に、レパリキシン1200mgを1日3回経口投与する群と標準治療(SOC)を最大21日間行う群に2:1の割合でランダムに割り付けました。 治療上緊急に発生した有害事象は、レパリキシン群で3例、標準治療群で5例でした。 レパリキシンは全体的に忍容性が高いと考えられます。

すべての患者は、臨床的必要性に基づき、新型コロナウイルス感染症にかかる投薬を含む標準治療を、治験実施医療機関の現地標準療法および国際ガイドラインに従って実施されました。

その他の臨床試験の詳細については、NCT04794803をご参照ください。

ドンペ社について

ドンペ社は、イタリア・ミラノに設立された非上場のバイオ医薬品会社で、130年にわたる研究開発と医療イノベーションの歴史を有しています。 現在、ミラノに本社を置き、全世界で800人以上の従業員を擁するドンペ社は、米国サンフランシスコのベイエリアを商業運営の拠点としています。

将来予想に関する記述

本プレスリリースには、将来予想される結果と一致しない可能性がある情報が含まれています。 ドンペ社は、記載されている内容の健全性・妥当性を堅く信じています。 しかしながら、これらの情報の中には、同社の研究開発活動や規制当局による必要な検証との関連で、一定の不確定要素を含んでいるものがあります。 従って、現時点において、ドンペ社は、期待される結果が上記の情報と一致することを保証するものではありません。

参考資料

1. Tzotzos SJ, et al. Crit Care. 2020 Aug 21;24(1).

2. 新型コロナウイルス感染症で入院を要する肺炎患者におけるレパリキシンの有効性と安全性を評価する第2相多施設ランダム化比較試験、カリフォルニア州サンフランシスコで行われたATS2022年国際会議。

3. https://www.springer.com/journal/40121

写真 - https://mma.prnewswire.com/media/1837356/Dompe_Farmaceutici.jpg
ロゴ - https://mma.prnasia.com/media2/1837355/Dompe_Farmaceutici_Logo.jpg?p=medium600