人民網日本語版
「爆買い」と言われるように、中国人消費者の購買力は世界的によく知られている。
中国の消費者はどのような商品やブランドを好むのだろうか。阿里研究院がこのほど発表した「中国消費ブランド発展報告2020」によると、過去1年間に、中国人の(ネットショッピングの)ショッピングカートに入った商品の80%以上が国産品だった。携帯電話なら華為(ファーウェイ)や小米、家電なら海爾(ハイアール)や格力、アパレルなら李寧や太平鳥などだ。ここ数年は、国産品の品質が高まり続けており、これに魅力的なマーケティングスタイルが加わって、多くの若い消費者の心をがっちりつかんでいる。
国産人気ブランドを一番好むのは誰?
近年、国産ブランドの多くが古いものを受け継ぎながら新しいものを打ち出し、市場シェアを拡大させている。データによれば、2019年に阿里巴巴(アリババ)の小売プラットフォームの消費財16大カテゴリーのうち、中国ブランドの市場シェアが72%も占めた。天猫(Tmall)の「5・1ショッピングカーニバル」では、美的の取引額が10億元(1元は15.3円)を突破し、前年同期比100%増加した。格力の取引額は6億元に迫り、同300%以上増加した。小型家電分野では小熊電器、米家、艾美特などの売上高がいずれも2倍増加を達成し、活力を示した。
北京に住む唐さん(女性)は化粧品が大好きで、大学生の時からさまざまな商品を試してきた。「以前は国際大手ブランドの化粧品が好きで、値段が高ければ品質も確かだと思っていた。最近は完美日記や橘朶などの国産ブランドもなかなかよく、コストパフォーマンスが高い。この2つのブランドのアイシャドーやチーク、チップは日常的に愛用している」という。
アパレルブランドでは、李寧が鮮やかな復活を遂げた。以前のファッション性と無縁なスポーツブランドから、「新たな国産人気ブランド」へと華麗に変身し、「中国李寧」のロゴ入りTシャツを着た若者がどんどん増えている。スポーツウエアが好きな北京の大学生の陳さん(男性)は、「これまでの印象では、李寧はスポーツウエアを売っている会社で、そんなにかっこよくなかった。でもここ2年ほどの間に李寧のウエアはデザイン性が高まり、徐々に新たな人気ブランドになっていった」と話した。陳さんは普段から人気ブランドの服を着ているが、海外人気ブランドは価格が高めで、まだ学生の陳さんはやや手を出しにくい。だがトレンドをおさえつつ価格はほどほどの「中国李寧」シリーズが登場して、ニーズにしっかり応えてくれたという。
携帯電話と家電製品の分野では、中国ブランドの認知度がさらに高い。携帯電話を買うなら、ファーウェイや小米、OPPOなどの国産ブランドが消費者にとっての選択肢となっている。大型家電ではハイアールや格力などのブランドがますますよくなっており、小型家電では北鼎や小熊などの新ブランドが次々登場している。
では、国産品を一番よく買っているのは誰か。アリババがまとめたデータによれば、新鋭国産品ブランドを購入する消費者のうち、女性が90%を超え、95後(1995年から1999年生まれ)が過半数を占め、三線都市以上の都市住民が60%に上る。同報告は、「中国ブランド、特に国産人気ブランドの消費者には3つの傾向がある。若者が多く、大都市の人が多く、女性が多いことだ。大都市に暮らす若い女性は、文化消費ニーズがより明確で、国産人気ブランド文化商品の主力購買層だ」との見方を示した。
市場は静かに変化している。ますます多くの国産品が人々の視界に入り、ますます多くの若者が国産品を好んで買うようになっている。