人民網日本語版
海外に逃亡した経済犯罪犯を捜査する刑事が主人公のドラマ「獵狐(Hunting)」が今月14日から、東方衛視(衛星テレビ)、北京衛視(衛星テレビ)でゴールデンタイムに放送され始めたほか、動画配信サイト・優酷、愛奇芸、騰訊視頻で同時配信されている。中国の公安部が2014年から始めた海外逃亡者を取り締まる特別捜査活動「獵狐行動」をモチーフにした同作品では、俳優の王凱(ワン・カイ)演じる経済犯罪を担当する刑事の夏遠や王鷗(ワン・オウ)演じる呉稼琪らが、中国の特大経済事件を解決していく。何年も解決できなかった経済事件の逃亡犯を海外まで追いかける姿を描く斬新なストーリーで、英知に富み、果敢に行動する刑事たちの姿が描き出されている。
「獵狐」は、映画・ドラマではあまり注目されることのない経済犯担当の刑事にスポットを当てている。劉新監督は、「非常に専門的な内容となる経済犯担当の刑事がテーマの作品の製作は難度が非常に高い。事件を解決する様子を描くだけでなく、経済犯担当の刑事が海外に逃亡した犯人を追いかける様子を詳しく描かなければならない」と説明する。18年の時点で、「獵狐行動」により120ヶ国・地域に逃亡していた犯人約4600人を逮捕し、約170億円(1元は約15.25円)を犯人から取り立てている。
「獵狐」では、中国の一流のクリエーターチームが集合し、ドラマ「安居(Housing)」や「紅高粱(Red Sorghum)」、「因法之名(In Law We Believe)」などを手掛けた趙冬苓が脚本を手掛け、北京、天津、徐州など、全国各地で事件解決に参加してきた経済犯担当刑事約100人を取材。3年かけて、その生活を体験して脚本を書き上げ、現実感あふれる「獵狐」の基礎を築いた。
刑事の生活を体験して素材を集める過程で、クリエーターチームが最も印象を受けたことは、経済犯担当刑事は専門知識と行動力を備えていなければならない点だったという。まず、経済や株式、金融などの専門知識に熟知していなければならない。また、海外に足を運んで逃亡犯を探す際、2‐3人のグループで活動し、進退窮まる状況に陥ることも多い。経済犯担当刑事という特殊性は、「獵狐」の撮影の難度も上げた。劉監督によると、「クリエーターチームはまず、経済、金融に関する知識を調べなければ、プロフェッショナル、かつリアルに事件を描いたり、人物像を描いたり、リアルな時代の枠組み下で、中国の経済犯罪を撲滅するという固い決意を描いたりすることはできない。これが、製作の過程で乗り越えなければならない課題であり、『獵狐』の大きな特徴でもある」。