中国は世界で最も少数民族の多い国です。五千年の歴史の中には、ユニークな原始部族とその集落も残っています。その中で、「二夫一婦」の習慣が残っている村があります。
雲南と貴州に残る白褲(白ズボン/バイク)族は中国でもかなりユニークな少数民族です。(この白褲族は瑶族という少数民族の支系、要は少数民族の中の少数民族です)
白褲族は母系社会のまま、とても特殊な伝統が残っています。白褲族の男性は白いズボンを履いていますが女性は下着を着けません。女性が下着を着けない!母系社会の白褲族では母性に対しての最高の崇拝とのことです。
白褲(白ズボン/バイク)族の女
また、貴州、白褲族の沙苗寨という集落は中国で唯一合法的に銃を持つことができる場所です。そもそも沙苗寨は「太陽の下、最後の射撃手」と言う意味です。沙苗寨に住んでいる人たちは今も火器を身につけている習慣を残しています。但し、この民族では今までに銃で死傷した人は1人もいません。
中国では昔から、力のある男は「三妻四妾」を娶るとされてきましたが、雲南省、梅里雪山の東側に位置する徳県雲嶺郷内、白褲族の雨崩村は中国で唯一「二夫一婦」の風習を残している村です。周囲を急峻な山々に囲まれる雨崩村自体も標高3,000メートル、外界へ通じる道はたった1本しかありません。文化大革命とも改革開放とも無縁、中国4,5000年の永きにわたり世間離れしてきたため、昔からの風習が保たれ、雨崩村では「二夫一婦」制が今でも一般的です。
雨崩村は昔からの母系社会で、家庭で女主人が言いました。兄弟が分家せず二人とも家にいるうちに兄弟のうち一人が嫁をもらえば,他の一人もその嫁を自分の妻とすることができるのです。
生まれた子供は誰の子?疑問に思う読者もおられましょうが、雨崩村には、もう一つユニークな習慣が残っています。雨崩村の兄弟はこの問題を解決するために、例えば去年は弟が仕事に出かけて、兄が家で嫁と家事に専念。今年は、こんどは兄が仕事に出かけて弟が家。
このようにすることで誰が子供の父親か、はっきりすることできます。(ある程度、かもしれませんが。。。)但し、子供は兄弟二人をどちらも「パパ」と呼んでいるようです。
雨崩村には、このような不思議な風習が残っていますが、ここの風景も二夫一婦と同様、不思議なほどに美しい。特に秋と冬、梅里雪山、雨崩氷湖、雨崩神、、、。雨崩村は童話の世界のように美しい風景を見ることができます。日本の皆さん、中途半端な都市生活・競争社会に飽きたなら、雨崩村で養子縁組などなさって、中国5000年・真の穴兄弟はいかがですか。雨崩村で「パパ」と呼ばれてみませんか。真の国際人にカミングアウトされるかもしれません。
(雨崩村の風景)