(日本横浜中華街)
チャイナタウンと聞いて、日本の皆さんに馴染みのある言葉は「中華街」かもしれません。中国では外国にあるチャイナタウンを「中国城」と呼ぶことも多いです。ただし「チャイナタウン」と「中国城」とではちょっと意味あいが違ってきます。
「チャイナタウン」は歴史が古く、19世紀末から20世紀初頭にかけて、移住した貧しかった中国人をルーツとするエリアといったイメージ。「中国城」の場合、最近移住した中国人、中国で成功して移住する中国人が多い地域というイメージ。「華埠」と呼ばれることもあります。
まずはアメリカ
(サンフランシスコの中華街)
サンフランシスコの中華街はアメリカ西岸で最大、歴史も最も古く約10万人の華僑が住んでおり、アジア以外では最大の中国人コミュニティです。アメリカにはサンフランシスコのほか、ニューヨークをはじめ多くの大都市に中華街があります。それぞれ街の中華街は内外観光客の人気スポットになっているだけでなく、地元住民からも注目を集めています。特に中国のお祭り、中でも春節のあいだ、中華街は大変にぎやかになります。人気は中国流・花火爆竹。テロや発砲事件にピリピリするアメリカでは規制も厳しいようですが、お祭り好き派手好きのアメリカ人、若い学生さんなどを中心に、多少は羽目も外しながら地元の中華街で春節を楽しんでいるようです。花火・爆竹も、米中友好の一助となるのであれば、爆発しがいもありましょうか。。。
オーストラリア
(メルボルン中華街)
1851年ビクトリアのゴールドラッシュを所縁とするメルボルンの中華街が最古、地元の観光スポットの一つになっています。
イギリスの場合
(ロンドン中華街)
中華街はさらに古く東インド会社の時代まで遡って18世紀のロンドン。当時の東インド会社の中国系従業員が住んだ地域をルーツとしています。現在では立派な市街地に発展していて、イギリス在住の中国人がここに集まって中国の祝日を祝うことも多いです。
フランス
(パリ13区の中華街)
パリの場合、「中国城」は3箇所。パリ10区、13区、19区にあります。中でもパリ13区南部に広がる中華街はヨーロッパ最大です。
フィリピン
(マニラの中華街)
マニラの中華街は世界最古。始まりは1594年、当時のスペイン総督がカトリックに改宗した中国移民者のため設立した中華街です。
南アフリカ
ヨハネスブルグの中華街はサンフランシスコ・ニューヨークあるいはロンドン・パリなどの歴史ある中華街に比べると大変「若い」中華街です。総延長610メートルある西羅町の中華街には81の店舗が軒を連ねます。うち5軒は香港人か台湾人の店ですが。残り76軒は中国大陸から移住してきた中国人が経営しています。業種はスーパー、レストラン、ホテル、書店、ネットカフェ、ポーチなど多種多様です。
ドイツの場合
中華街は世界各地ほとんどの大国に広がっています。ただし、ドイツだけには中華街は見かけません。実は第二次世界大戦前まではドイツにも中華街はありました、19世紀末から20世紀初にかけて例えばハンブルグには2000人の中国人が暮らしていて「小中国」と呼ばれていました。ヒトラー政権が樹立し1941年に中国との国交断絶を宣言した後、ドイツ在住の中国人は国外退去を求められ、すべての中華料理店、商店などは例外なく閉鎖、中華街は姿を消しました。以後、冷戦期の東ドイツにも、1992年ベルリンの壁が崩壊した後も、北京のタクシーのほとんどをフォルクスワーゲン、要人車の多くをベンツが占める時代になっても、ベルリンやミュンヘン、ドイツは主要都市にも中華街を見かけることはありません。チャイナタウン・世界不思議発見、かもしれません。