三養社の環境配慮型・透明難燃ポリカーボネート、有機フッ素化合物の未検出を証明

  • 検査、試験サービスにおけるグローバルリーディングカンパニーであるSGSが有機フッ素化合物74種を検査
  • 難分解性、生物蓄積性により病気を発症させるため、世界各国で有機フッ素化合物に対する規制強化が進んでいる
  • 難燃剤を使用していない環境にやさしい素材…最高レベルの難燃グレード取得・一般PCに比べて優れた耐化学薬品性と低温衝撃強度を有する

ソウル(韓国)、2023年12月4日 /PRNewswire/ -- 三養社(Samyang Corp.)は安全性が立証された環境配慮型・透明難燃のポリカーボネート素材でグローバル市場を攻略する。

三養社(代表取締役:カン・ホソン)は4日、自社で開発した環境にやさしい透明難燃のポリカーボネート(PC、Polycarbonate)を対象に有機フッ素化合物(PFAS、Per and Polyfluoroalkyl Substances)検査を行った結果、人体に有害な有機フッ素化合物が検出されなかったと述べた。

有機フッ素化合物は炭素とフッ素で構成される人工物質で、優れた熱安定性と耐水性、耐油性で電気・電子製品、食品包装材、化粧品、繊維製品、消防用品など幅広い産業群で長く使用されてきた。その難分解性から「永遠の化学物質」と呼ばれ、環境残留性や生態蓄積性による環境汚染、腫瘍、甲状腺機能の攪乱、ホルモン不均衡などの問題が生じている。

そのため、米国ではすでに有機フッ素化合物への規制が始まり、EUは有機フッ素化合物の使用禁止を含めた有害化学物質規制法案をつくるなど、世界各国で使用規制の法制化を進めている。

三養社は今回の試験で74種類の有機フッ素化合物の検査を行った。代表的な物質として△慢性腎不全を誘発する危険があるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) △奇形児の出産率を高め、各種癌と甲状腺疾患など、重症疾病を誘発するペルフルオロオクタン酸(PFOA)などを検査した。この他にもペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)と過フルオロカルボン酸(PFCA)などのその他の有機フッ素化合物に対して検査を行い、試験の結果で該当成分が全く検出されないことが分かった。

今回の有機フッ素化合物検査は、世界最大級の検査・試験企業であるSGSで行われた。1878年に設立されたSGSは、全世界に2,600の事務所と研究所を持っている企業であり、国際標準として認められるほど検査と検証の信頼性が高く評価されている。

三養社の透明難燃ポリカーボネートは、焼却する際に有毒ガスを発生させる塩素、臭素などのハロゲン系難燃剤を添加せずにシロキサンポリカーボネート(Si-PC)ベースで分子結合構造を変更して開発した環境にやさしい素材である。

透明性と衝撃強度が低い従来の難燃ポリカーボネートの欠点を克服し、化学物質に耐える耐化学性と低温環境での衝撃強度が一般ポリカーボネートより優秀なのが特徴だ。難燃性も優れており、米国の安全規格開発・認証機関である「UL(Underwriters Laboratories)」が開発した難燃性規格「UL 94」燃焼試験の垂直燃焼試験で最高レベルの「V-0」を取得した。「V-0」は、垂直状態の試料に接炎した時の残炎時間が10秒以下のプラスチックにのみ与えられる。

三養社は1mm内外の薄いフィルム状に加工しても一般ポリカーボネートと同じ水準の機械的物性を維持するこの素材の特性を生かして、自動車、家電製品の内外装材、防音壁、医療機器の部品など、使用範囲を透明性と難燃性が求められる産業材全般に広げるつもりだ。

三養社のカン・ホソン代表取締役は「最近、有機フッ素化合物の環境汚染、人への有害性問題が世界的に浮上しており、各国が使用規制を強化している」とし、「今回の有機フッ素化合物検査結果をもとに透明難燃ポリカーボネートの海外進出に拍車をかける一方、環境配慮型・高機能性素材も他社に先駆けて開発していく計画である」ことを明らかにした。

一方、三養グループは環境配慮型素材事業の拡大にも拍車をかけている。三養社は昨年、韓国で初めて再生ポリカーボネート(PCR PC、Post-Consumer Recycled Polycarbonate)の原料が90%以上含まれているポリカーボネートを開発した。また、廃魚網リサイクル企業であるネットスパと廃魚網リサイクルプラスチックペレットの供給契約を締結し、そこで得たプラスチックで自動車内外装材、電子製品、生活用品を開発して商用化を控えている。

■ Samyang Corporation AM(Advanced Materials) BU(Business Unit) Website
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