JPA Healthが主要オーディエンス間の関係を測るコネクティビティー・スコアを発表
【ワシントン2023年11月2日PR Newswire】「One World, One Health:Exploring the Connectability between Human, Animal and Environmental Health(ひとつの世界、ひとつの健康:人間、動物、環境衛生のコネクティビティーを探る)」と題したJPA Healthの新しい報告書は、人間、動物、環境衛生という世界中に影響を与えるステークホルダー間のコミュニケーションと協力の憂慮すべき欠如を明らかにしています。
The One Health Connectability Chart. ATTRIBUTION SOURCE: JPA Health, “One World, One Health: Exploring the Connectability between Human, Animal and Environmental Health”
世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)も支持する概念「One Health(ひとつの健康)」は、人間、動物、環境衛生というステークホルダー間の協力強化の必要性を認めています(注1、2)。One Health原則は、飢餓ゼロ(目標2)、すべての人に健康と福祉(目標3)、安全な水とトイレを世界中に(目標6)、海の豊かさを守る(目標14)、陸の豊かさも守る(目標15)など、国連の持続可能な開発目標にも反映されています(注3)。
報告書に寄稿した、カリフォルニア大学デービス校の元学部長で特別名誉教授のMichael Lairmore教授(DVM、PhD)は「私たちは、この分析が変化のきっかけとなり、『One Health』が現代の複雑な健康課題に取り組むための基盤として受け入れられる未来に向け、対話の口火を切り、協調行動を促すよう願っています」と話しています。
報告書作成にあたり、JPA HealthのインサイトツールGRETEL(R)を使用した、組織と個人のつながりと影響力の評価が行われました(ソーシャルネットワーク分析を代替使用)。主な調査結果は、以下の通りです。
1.「One Health」会話は、バブルの中で行われている。One Healthのステークホルダーは独り言を言っているだけで、動物、人間、環境衛生の各分野にまたがる重要なステークホルダーを引き込んでいない。
2.気候変動や自然保護のステークホルダーは、「One Health」の会話や交流にほとんど参加していない。主要なステークホルダーのうち、動物の健康と人間の健康の2つはOne Health議論に参加しているが(コネクティビティー・スコアはそれぞれ2.76と1.44)、気候変動と自然保護のステークホルダーはOne Health分野の会話や交流にほとんど参加していない(コネクティビティー・スコアはそれぞれ0.21と0.33)。
3.政策立案者は、「One Health」から切り離されている。最も強力で影響力のある国の1つである米国では、政策立案者は概ねOne Healthからは切り離されている(コネクティビティー・スコアは0.11)。
こうした調査結果を得るため、JPA Healthは「コネクティビティー・スコア」とステークホルダーの分析を利用し、さまざまなステークホルダーがどれだけ効果的に社会的つながりを構築し、メッセージを広めているかを評価しました。コネクティビティー・スコア1.0以上は、メッセージが広範囲に拡散する傾向が強いことを意味します。しかし、メッセージの到達範囲と全体的認知度を最適化するには、2.0以上に近いスコアの達成が望ましいのです。
JPA HealthのCarrie Jones最高経営責任者(CEO)は「私たちは、CEOや経営幹部を含む全てのステークホルダーがOne Healthアプローチを優先し、人間と動物の健康、そして地球の長期的持続可能性を維持していくには、より意図的な取り組みが急務だと強調するために、この報告書を作成しました」「ビジネスリーダーには、部門を超えたコミュニケーションと、より健全な世界へのコミットメントの共有を支持し、前例をつくっていただきたい。これは単なる道徳的義務ではなく、持続可能かつ長期的なビジネスの成功に戦略的に必要なことなのです」と訴えています。
JPA Healthの分析で明らかになったOne Healthの会話のずれは、連邦政府、州政府、地方政府の政策の一体化や強化、的を絞ったコミュニケーション・キャンペーン、部門を超えたパートナーシップの強化、多様性、公平性、包摂性へのより本格的取り組みなど、さまざまな方法で対処可能で、方法はそれ以外にもあるはずです。
報告書の全文は、こちらでご覧いただけます。
調査方法
JPA Healthは、独自のAI搭載インサイトツール「GRETEL®」を使い、2022年8月から2023年7月までのソーシャルネットワークデータを分析しました。この分析により、人間、動物、環境衛生の各部門がどの程度コミュニケーションを取っているかなど、One Healthの取り組みに関する重要な知見が明らかになりました。One Healthイニシアチブには世界的な影響力がありますが、報告書は、保健、医療、科学分野の主要プレーヤーが、One Healthについて継続的かつ突っ込んだ会話をしていないことを明らかにしました。また、これらのステークホルダー間のコミュニケーションが限られていることも浮き彫りになり、複雑かつグローバルな健康課題に取り組むには、協力体制の改善が急務であることが明確になりました。
▽JPA Healthについて
JPA Healthは、2007年に設立された受賞歴のある独立系の総合代理店です。米国と英国にオフィスを構え、マーケティング、広報、支援サービスを提供しています。JPA Healthはこのほど、PR Dailyのエージェンシー・オブ・ザ・イヤー2023を受賞しました。同社は、変化を促し、目に見える結果を出した数々の健康キャンペーンを考案、賞を獲得してきた業績で、健康分野のリーダーとなっています。JPA Healthチームは、人々がより健康的な生活を送れるよう支援することに情熱を注いでいます。詳細については、www.jpa.com をご覧ください。
▽GRETEL(R)について
独自の高精度コミュニケーション・エンジンGRETELは、データ主導の知見を提供、トレンドを特定、オーディエンスの嗜好を理解することで、ユーザーが複雑な健康コミュニケーションの状況を把握できるよう設計されています。大規模データセットを分析することで、特定の健康トピック内のテーマ、トレンド、嗜好を特定し、オーディエンスを引き込むためのターゲットを絞った効果的なメッセージング戦略の開発が可能になります。
▽「One Health」について
「One Health(ひとつの健康)」は、人間の健康、動物の健康、環境衛生が相互に関連していることを認識しています。疾病予防と人獣共通感染症の監視により、深刻な疾病発生のリスクを抑えることができます。環境の健全性は、人間、動物、植物に影響を与えます。森林伐採、環境汚染、気候変動は、One Healthの全分野に影響を与えており、これらの問題を総合的に考えることで、私たちは複雑な地球規模の健康問題に対処し、私たち全員にとってより良い結果を導き出せるようになります(注1、2)。
参考文献
(注1)World Health Organization: WHO. One health. https://www.who.int/ health-topics/one-health#tab=tab_1. Published May 9, 2022.
(注2)Centers for Disease Control and Prevention. One Health Basics. Centers for Disease Control and Prevention. Published November 5, 2018. https://www.cdc.gov/onehealth/basics/index.html
(注3)THE 17 GOALS | Sustainable Development. https://sdgs.un.org/goals.
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