一般的な喉の痛みに対する抗生物質の誤用の広がりとそれが世界第3位の死亡原因になるのを助長していることが新たな調査で判明

ロンドン, 2022年11月19日 /PRNewswire/ -- 世界抗菌薬啓発週間(WAAW、11月18-24日)に発表された新たなグローバル調査結果で、喉の痛みなどの呼吸器疾患の治療で抗生物質に頼り過ぎていることが抗生物質耐性を助長し、年間495万人の死者を出す世界第3位の死亡原因となっていることが明らかになった。

The STAR study findings suggest that a public misunderstanding of how to treat sore throats is contributing to antibiotic overuse.
The STAR study findings suggest that a public misunderstanding of how to treat sore throats is contributing to antibiotic overuse.

Global Respiratory Infection Partnership(GRIP)とStrepsils(ストレプシル)のメーカー、Reckittの委託を受け実施された「The Sore Throat & Antibiotic Resistance(STAR)(喉の痛みと抗生物質耐性)」調査によると、抗生物質は10人中9人の喉痛に効果がないにもかかわらず、調査対象となった成人の半数以上が、過去6カ月間に喉痛などの呼吸器疾患で抗生物質を服用していたことが分かった。上気道感染症は、世界中で成人の抗生物質誤用の主要因となっている。

STAR調査の結果は、喉の痛みの治療方法に対する誤解が、抗生物質の過剰使用につながっていることを示唆している。35歳未満の成人の61%が、喉の痛みには抗生物質が効くと信じており、この年齢層のほぼ半数(45%)が、抗生物質を使わずに呼吸器疾患を治す方法を知らなかった。錯誤の度合いが高いことが、35歳未満の38%が、抗生物質なしに喉の痛みなどの呼吸器疾患を治すことに不安を感じている理由なのかもしれない。

しかし、こうした不安はほとんど見当違いである。ほとんどの喉の痛みは、細菌感染ではなくウイルスによって引き起こされるので、抗生物質は必要ない。炎症を抑えるのどあめや痛み止めの方が、そうした症状には効果的だ。

呼吸器疾患への抗生物質の誤用について医療関係者を啓発する専門家主導の取り組みであるGRIPは、WAAWの期間中、一般の人々に対し、抗生物質が適切かどうかを医療専門家に尋ね、代替治療や症状の緩和法を検討し、誤用しない道を率先して歩むよう呼びかけている。

本調査について、GRIP会長のSabiha Essack教授は以下のように語った。

「本調査の結果を懸念している。将来、リーダーや労働力となる35歳未満の人々が、抗生物質があらゆる喉の痛みや風邪に効くと誤って信じ込み、個人および公衆衛生レベルでの抗生物質の不適切な使用がもたらす結果に気づいていないかもしれないからだ。GRIPは、抗生物質の適切な使用に関する啓発と教育を呼びかけ、若い人たちに、抗生物質耐性との戦いに役立つ質問をするよう促している」

GRIPの専門家であるSabiha Essack、Martin Duerden両氏の詳細あるいはインタビューについては、以下まで。Jamie.wilkes@emotiveagency.com
+44 20 8154 6389

Infographic - https://mma.prnasia.com/media2/1949298/GRIP_Infographic.jpg?p=medium600