台北、2025年8月19日 /PRNewswire/ -- 台湾のスマートエネルギー企業、泓徳能源(HD Renewable Energy、台湾証券コード:6873)は、オルタナティブ投資運用会社Brawn Capitalと共同で北海道札幌市に建設を進めてきた大規模蓄電所「Helios」(出力50MW/容量104MWh)が、7月末に北海道電力の66kV特別高圧送電網への系統連系を完了したと発表した。現在は商業運転開始前の最終段階であるコミッショニングを実施中で、予定通り2025年末までの本格稼働を目指す。同社によると、本プロジェクトに対する投資額は約59億円。日本市場におけるエネルギー貯蔵分野への本格参入を象徴する重要なマイルストーンと位置付けている。
「Helios」は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給調整機能の強化を目的としたもので、今後、電力系統の安定化やピークシフトへの貢献が期待されている。
本施設の運用は、泓徳能源グループ傘下で小売電気事業および蓄電資産統合事業を展開する星星電力(Star Trade)が担う。星星電力のAI技術を活用した電力取引プラットフォーム「Star Trade」により、容量市場、スポット市場、需給調整市場への参入を図る。ビジネスモデルとしては、「長期固定収益(tolling)」と「市場取引最適化(merchant)」の二本柱を採用し、安定収益と市場機会の両立を目指す。
泓徳能源の周仕昌総経理は、「日本は当社にとって極めて重要な海外市場であり、今後も戦略的パートナーとの連携を強化し、スマートエネルギーの普及と再生可能エネルギー導入拡大に貢献していきたい」とコメントした。
同社は日本においてすでに複数の事業を展開しており、2024年4月には三菱電機と合弁会社を設立、エネルギーリソースアグリゲーション(ERA)事業に注力している。さらに、東急不動産と共同で群馬県の蓄電プロジェクトに参画し、東京都の2024年度「再生可能エネルギー導入拡大のための大規模系統蓄電支援事業」において約11.9億円の補助金を獲得した。
また、泓徳能源は台湾企業として初めて、長期脱炭素電源市場(LTDA)の蓄電システム容量入札において2024年・2025年の2年連続で落札を果たし、合計400MWの容量を確保。これらの案件は2028年から2029年にかけての運転開始を予定しており、2026年のLTDA入札にも継続的に参加する方針だ。