スタンフォード大学図書館、カリフォルニア歴史協会コレクションの管理を継承

2025年1月30日

カリフォルニア州パロアルト市およびサンフランシスコ市、2025年1月30日 /PRNewswire/ -- Stanford University Libraries（スタンフォード大学図書館、SUL）は、18世紀以降のカリフォルニアと西部開拓史を物語る60万点以上のコレクションを誇るCalifornia Historical Society Collection（カリフォルニア歴史協会コレクション、CHS）の恒久的な管理を継承しました。

Photographer unknown, group of miners, ca. 1850s. Daguerreotype. California Historical Society

このコレクションは、Bill Lane Center for the American West（ビル・レーン・センター・フォー・ザ・アメリカン・ウェスト）との協力により取得されたものであり、今後数年以内にCalifornia Historical Society Collection at Stanford（スタンフォード大学カリフォルニア歴史協会コレクション）として命名され、一般市民や学界にも公開されることになります。

昨年6月の譲渡契約締結後、資料はすべてスタンフォード大学に移管されました。

スタンフォード大学付属図書館でIda M. Green University図書館司書を務めるMichael A. Keller氏は、「このコレクションは、スタンフォード大学が現在所蔵しているカリフォルニアおよびアメリカ西部に関する資料を補完するものであり、この地域の歴史を研究する学者や学生のみならず、一般の人々にとっても貴重な資料となるでしょう」と述べました。

また同氏は「カリフォルニア歴史協会は、その設立の経緯から西部開拓史に関わる資料の収集と保存に精力的に取り組む一方、長い時間をかけて多岐にわたる充実したアーカイブを構築してきました。書籍、雑誌、書簡や葉書、地図、写真、新聞などの収集物は、歴史研究、教育、カリフォルニアおよび西部開拓史の理解にとって、膨大かつ手つかずの貴重なリソースとなっています」と語りました。

カリフォルニア歴史協会の収蔵品は、18世紀初頭にまでさかのぼるものもあります。およそ1.5kmにも及ぶカリフォルニア歴史協会のコレクションは、その希少かつ多様な資料で名高く、カリフォルニア州および地域の歴史に関する最も重要なコレクションの一つとなっています。

歴史的に重要な資料には、ゴールドラッシュ、州への昇格、1906年に発生したサンフランシスコ大地震や火災といった重要な出来事に関する資料の原本が含まれています。また、1900年代初頭にさかのぼるAmerican Civil Liberties Union of Northern California（北カリフォルニアの米国自由人権協会）の記録など、他に類を見ないコレクションも含まれています。

スタンフォード大学の歴史学者Gordon H. Chang博士と人文科学教授のOlive H. Palmer博士は、カリフォルニア州の豊かな歴史にアクセスできることの重要性をよく理解しています。Gordon H. Chang博士は、「スタンフォード大学における北米の中国人鉄道労働者プロジェクトでは、カリフォルニア歴史協会コレクションのアーカイブを徹底的に調査し、これまでの鉄道研究者が使用したことのない資料の発見に大きな功績を残しました」と述べました。Chang博士の研究は、カリフォルニア歴史協会コレクションの奥深さと、アジア系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、メキシコ系アメリカ人の歴史に関するスタンフォード大学図書館所蔵の資料との相乗効果を示しています。その中には、中国系アメリカ市民同盟の資料、メキシコ系アメリカ人法的防衛・教育基金の記録、米国の公民権運動指導者Huey P. Newton（ヒューイ・P・ニュートン）および黒人民主主義運動や黒人解放闘争を展開したBlack Panther Party（ブラックパンサー党）の資料などが含まれます。

スタンフォード大学の他の研究者が自身の研究のためにカリフォルニア歴史協会コレクションを利用した例としては、スタンフォード大学名誉教授でアメリカ史教授のMargaret Byrne博士、および著書『Railroaded』や『California Exposures』の著者、Richard White氏らが挙げられます。

White氏は、「私にとってカリフォルニア歴史協会コレクションは、カリフォルニアで最も貴重でありながら十分に活用されていないコレクションの一つです。私は、これがスタンフォード大学図書館のアメリカ西部に関する所蔵品を増補し、19世紀から20世紀初頭にかけてのカリフォルニア史の空白を埋めるのに役立つと考えます。スタンフォード大学にこのような重要なアーカイブがもたらされるのは、非常に稀な機会だと言えるでしょう。」と述べています。

スタンフォード大学のDonald J. McLachlan歴史学名誉教授で、Lane Centerの創設者でもあるDavid M. Kennedy博士は、このコレクションの取得により「スタンフォード大学はカリフォルニア州およびより広域な北米西部の歴史研究における第一級の拠点となるでしょう」と述べました。

カリフォルニア歴史協会理事会は、カリフォルニア州内の複数の主要な研究機関や公共機関を検討した結果、最終的にスタンフォード大学図書館がカリフォルニア歴史コレクションの管理と発展に最適であると判断しました。カリフォルニア歴史協会の暫定CEOを務めるJen Whitley氏は「スタンフォード大学図書館は、スタンフォード大学キャンパス内に点在する20の図書館ネットワークにまたがる強固な基盤とコレクションの拡充、デジタル化、保存、技術開発に関する知識と専門性を持つ大規模なチームを有しています。スタンフォード大学図書館とアメリカ西部研究Bill Lane Centerとの提携により、カリフォルニア歴史協会コレクションは、今後もカリフォルニアおよび西部地域に対する理解を深めていくでしょう」と、述べています。

スタンフォード大学の第12代学長であり、Kleinheinz Family欧州研究教授を務めるRichard Saller氏は、このコレクションの追加は、研究と教育という大学の主要な使命を支えるものであると述べました。「歴史的な視点が非常に重要視される現在、カリフォルニア歴史協会コレクションは、過去2世紀にわたる長期の軌跡に関する情報の宝庫となるでしょう。」

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問い合わせ先：chscollection@stanford.edu