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バンコク、2025年6月2日 /PRNewswire/ -- 統合型ICTソリューションの世界的リーディング・プロバイダーであるZTE Corporation(0763.HK / 000063.SZ)は、タイの大手携帯通信事業者であるAISおよびMediaTekと提携し、バンコクのA-Z Innovation Centerにて5G-A UEアグリゲーションのライブ・デモンストレーションを実施しました。
拡張現実(XR)や4Kライブ配信、没入型メタバース体験といったアプリケーションの普及に伴い、単一のユーザ機器(UE)では、電力・周波数・チャンネル容量といった面で避けられない制約が生じています。UEアグリゲーションは、遠隔UEが近隣のリレーUEと連携できるようにすることで、非常に有効なソリューションを提供します。リレーUEは、自身の余剰リソースを活用して遠隔UEのアップリンク性能を向上させ、単一デバイスの性能限界というボトルネックを効果的に打破します。
UEアグリゲーションは、3つの主要な連携要素を統合することで、強固かつ効率的なアップリンク伝送チェーンを実現します。
- パワー・アグリゲーション( Power Aggregation ):リレーUEが信号の中継を支援することで、カバレッジが弱いエリアのアップリンク接続性を向上させます。
- 帯域幅アグリゲーション( Bandwidth Aggregation :リレーUEが未使用の周波数リソースを共有することで遠隔UEのアップリンク・スループットを向上させます。
- チャンネル・アグリゲーション( Channel Aggregation ):遠隔UEとリレーUEが、それぞれ独立した通信リンクを同時に確立し、マルチパス伝送を可能にすることで信頼性と冗長性を強化します。
今回のライブ・トライアルは、AISの商用5Gネットワーク構成上でZTEの5G gNodeBおよびコア・ネットワーク機器を使用し、A-Zセンターのラボで実施されました。MediaTekは、UEアグリゲーション機能を備えた試作端末を提供しました。テスト・シナリオでは、遠隔UEとリレーUEの連携をシミュレーションし、従来の単一デバイス構成と比較検証しました。
モバイル・デバイスからのワイヤレス・アップリンク・スループットおよびリアルタイム4K映像配信を基準にパフォーマンス評価を行い、以下の結果が得られました。
- UEアグリゲーションを有効にすることで、セル境界に位置するユーザのアップリンク速度が最大3倍向上しました。
- アグリゲーションを使用しない場合、不十分なアップリンク・スループットしか得られず、4Kライブ配信で再生の途切れやフレーム落ちが頻発しました。
- アグリゲーションを有効化すると、安定した品質で滑らかな高画質4Kライブ配信が可能となり、目立ったフレーム損失も見られませんでした。
UEアグリゲーションは、3GPP Release 18の仕様に組み込まれており、今後のRelease 19および20においてさらに進化していくものと期待されています。今後のリリースでは、マルチパス・ルーティング、マルチリレー・アーキテクチャ、DU/CU間の協調制御、そしてインテリジェントで低遅延の経路最適化といった機能がサポートされる予定です。これにより、産業用IoT、V2X(vehicle-to-everything)、およびXRといった次世代ユース・ケースに向けた強固な基盤が築かれます。
メディア問い合わせ:
ZTE Corporation
広報担当
メール:ZTE.press.release@zte.com.cn