ロンドン, 2024年10月22日 /PRNewswire/ -- 今年、約9,500人の富裕層（HNWI）が英国を離れると予測されており、その大半はEUへ向かうと見込まれています。EUは、12月末までに英国から6,500人以上のミリオネアを迎え入れることになりそうです。UAEは、英国から流出する富裕層（800人以上のHNWI）の次に大きな集団を迎え入れることになり、これに続くのが米国（720人以上）、オセアニア（300人以上）、そして第5位にはカリブ海諸国が位置し、250人のミリオネアがその熱帯の海岸線に永住することが予想されています。
2024年のヘンリー・ウェルス・マイグレーション・ダッシュボード（Henley Wealth Migration Dashboard）に続いて、国際的な投資移住コンサルティング会社であるヘンリー＆パートナーズ（Henley & Partners）とニュー・ワールド・ウェルス（New World Wealth）は、来週の英国予算発表を前に最新の予測を発表しました。
過去9か月のデータに基づくと、英国の富裕層流出、いわゆるWEXITにより、85人のセンチミリオネアと10人のビリオネアが含まれる見込みです。皮肉にもBrexitの運命とは逆行し、68%がヨーロッパを目指しており、人気の渡航先としては、イタリア、マルタ、ギリシャ、ポルトガル、スイス、モナコ、キプロス、フランス、スペイン、オランダが挙げられています。
ヘンリー＆パートナーズの英国オフィスに所属するスチュアート・ウェイクリング氏は、「過去2四半期は記録的なものであり、英国拠点の投資家による投資移住プログラムへの申請件数は、直近6か月間（2023年10月から2024年3月まで）で前の6か月間と比較して160%増加しました。英国人は、2018年に同社のクライアントソース市場リストで20位だったのが、今年は世界的な需要において4位に上昇しています。」
英国の高税率と、14年ぶりとなる労働党の初の予算案で追加の増税が発表される可能性への懸念が、主な理由の一つとして強調されています。ニュー・ワールド・ウェルスのリサーチ担当責任者であるアンドリュー・アモイルズ氏は、英国のキャピタルゲイン課税および相続税の税率が世界でも最も高い水準にあると述べています。「英国の多くの政治家や学者が理解していないのは、シンガポールやUAE、さらにはニュージーランドのように、キャピタルゲイン課税を課していない高所得国が世界にはいくつも存在するということです。また、カナダ、オーストラリア、マルタのような高成長市場を含む、相続税を課していない国々のリストはさらに多くなります。」
ヘンリー＆パートナーズの税務サービス部門ディレクターであるピーター・フェリーニョ氏は、「新政権が所得税や付加価値税（VAT）を増税しないと約束したことで、新たな歳入を増やすための選択肢が制限されています。」と述べています。「相続税は40%の税率で、325,000ポンドを超える遺産に適用されており、これは世界的な基準から見ても非常に高い水準です。資産が依然として元の所有者の管理下にある場合、その譲渡が税務上有効かどうかについて、さらに厳しい制約が課されることが予想されます。『キャリードインタレスト』の抜け穴に関して、最新の見解では、これを所得税の完全な税率で課税すると、業界の大部分が国外に流出する可能性が高いため、何らかの変更はあると予想されますが、全面的な見直しには至らないでしょう。」
