調達資金は主力ワクチンITOP1の第I/IIa相試験の開始にも寄与
オックスフォード(英イングランド), 2024年5月2日 /PRNewswire/ -- 世界有数の精密抗原探索プラットフォームと、防御免疫反応を持続的に刺激できるワクチンベクターを組み合わせた総合がんバイオテクノロジー企業Infinitopes Precision Immunomicsは30日、Octopus Venturesが主導する1280万ポンドのシード資金調達ラウンドの完了を発表しました。本ラウンドには、Cancer Research Horizons、Cancer Research Institute、CRIS Cancer Foundation、Kindred Capital、Manta Ray、Martlet Capital、Meltwind Advisory、Saras Capital、Wilbe Capitalおよび専門のエンジェル投資家からも資金が集まり、目標額を大幅に超える応募がありました。調達資金の総額は、新規株式投資と、イノベートUK(Innovate UK)の未来経済投資家パートナーシップ(Future Economy Investor Partnership)スキームからの名誉ある非希薄化賞を合わせたものです。
適切なターゲット、適切なベクター、適切な患者、適切なタイミング
Infinitopesは2021年の設立以来、がんワクチン分野の3つの重要課題を克服することで、同分野のリーダーとしての地位を確固たるものにするべく、迅速に取り組んできました。第1に、同社は、抗原探索技術Precision Immunomics(TM)(プレシジョン・イミュノミクス)を使い、腫瘍シグネチャーを偏見なしに同定、ランク付けすることで、相乗効果のある新規腫瘍ターゲットの正確な選択を可能にしました。第2に、Infinitopesは、生命を脅かすがん転移の再発予防に必要なT細胞反応を持続的に刺激できる、安全で効果的な独自のベクター送達システムの開発を続けています。最後に、同社は免疫学に関する豊富な知識を活用し、疾患キーオピオニオンリーダー(KOL)と提携して、患者を最大限保護するための最適な治療スケジュールを立てています。
主力の第 I/IIa相試験は今秋開始予定
Infinitopesの主力アセットである新規がんワクチン「ITOP1」は、2024年第3四半期に1次治療がん患者を対象に第I/IIa相試験を開始する予定です。2022年8月に英医薬品医療製品規制庁(MHRA)からイノベーション・パスポート「革新的ライセンス及びアクセス経路(ILAP)」を取得したことで、このように迅速な臨床への移行が可能となりました。
クラス最高の抗原探索
今回の新たな投資により、クラス最高の次世代LC-MS/MS質量分析装置の導入が早まり、同社独自の腫瘍抗原探索と計算免疫生物学/AI/機械学習技術が強化され、最適なターゲットの組み合わせを同定、ランク付けし、さらに5つのがんを治療できるようになります。
英王立がん研究基金による支援
Infinitopesは、英王立がん研究基金(CRUK)主導でオックスフォード大学からスピンアウトした企業で、CRUKが資金提供し、Paul Klenerman教授、Nicola Ternette准教授の研究室とMark Middleton教授が率いる臨床プログラムで開発された基礎技術、ノウハウ、特許、ライセンスを組み合わせています。
InfinitopesのJonathan Kwok最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は、以下のように語りました。
「Infinitopesは2021年9月の設立以来、精密標的で持続性のある胸躍るような新しいクラスのがんワクチンの設計、開発、臨床評価で世界をリードする能力を確立してきました。大成功を収めたチェックポイント阻害剤がピークを迎え、腫瘍の再発を予防できるのは良くても患者の30-40パーセント止まりになっている時に出現したのが、当社の治療法です。前臨床試験の結果が示唆しているのは、当社のワクチンの薬効はそれらを大幅に上回る可能性があり、将来のがん患者治療を一変させるかもしれないということです。適切な患者に対し、適切なベクターで適切な時期に適切なターゲットを選択する当社独自の統合戦略の追求を可能にした、今回の資金調達の発表を大変喜んでいます。当社は、がんの治癒というミッションに参加してくれる学術機関や大手製薬会社の共同研究者、賢明な技術投資家、情熱的な新入社員やインターンを引き続き求めています」
Cancer Research HorizonsのPhil Mastersonアソシエイトディレクターは、以下のようにコメントしました。
「Infinitopesは、コロナウイルス感染症(Covid)時代の技術の進歩から生まれたがんワクチン革命の最前線に立っています。Cancer Research Horizonsの投資戦略は、患者へのインパクトの最大化に重点を置いていますが、Infinitopesは、ターゲット、送達メカニズム、臨床試験の改善を通じて、がんの死亡原因の70-90%を占めるがん転移と闘う免疫システムを強化しています。CRUKが資金提供した、革新的な基礎科学に基づくリーディングカンパニーづくりを支援できることをうれしく思います」
Octopus VenturesのHugo Villanueva氏は、以下のように語りました。
「Octopus Venturesでは、ヘルスケアを活性化する起業家を支援しています。Infinitopesチームはその好例です。新たながんワクチンの設計、開発、臨床評価を行う彼らの仕事は極めて重要で、がんと闘う彼らの仕事を支援できることをうれしく思います」
Kindred CapitalのJohn W Cassidyゼネラルパートナーは、以下のように付け加えました。
「Kindredでは単に投資するだけでなく、未来を構想し直す先駆者と提携しています。Infinitopesはこうした精神を体現し、科学的識見と技術的先見性を織り交ぜて、がん治療の次のフロンティアを構築しています。今回の重要な資金調達マイルストーンには、現在のパラダイムに挑戦するだけでなく、それを再定義すると約束している医療革新に力を与えるという私たちの共有コミットメントが明確に示されています。Infinitopesは、がんがもはや手強い敵ではなく、克服可能な病態となる世界に向けた大胆な道筋を示しています。こうした彼らの使命を支援できることをうれしく思います」
Manta Rayの投資家Julia Schrameier氏は、以下のように付け加えました。
「私たちが2022年12月にInfinitopesに初めて投資したのは、同社がコンピューターによるプロテオミクス主導の最先端の抗原探索プラットフォームづくりに適した時期の適切なチームだとの強い確信があったからです。利用しやすい非個別化治療に焦点を当て、豊かな科学的専門知識と顕著な実績を兼ね備えた同社は、この分野の他の企業とは明らかに一線を画しています。この1年の目覚ましい進歩と成長を目の当たりにして、私たちの確信はさらに深まりました。Jonathan(Kwok氏)や同氏のチームとの協力は実に素晴らしい経験で、私たちは最初の投資に続き、エピトープを1つずつ同定していく、Infinitopesのがん治療の旅を支援し続けることにワクワクしています」
Infinitopesは先週、第8回Immuno Oncology Europe(がん免疫療法サミット欧州大会)(ロンドン、4月23-25日)とImmuno'24(ロンドン、4月25-26日)で発表、第7回European Neoantigen Summit(欧州ネオアンチゲンサミット)(アムステルダム、4月29日-5月1日)とBioEquity(バイオエクイティ)(サンセバスチャン、5月12-14日)にも参加します。
▽Infinitopesについて
Infinitopes Ltdは、英王立がん研究基金(CRUK)とオックスフォード大学の支援を受け、間もなく臨床段階に入る総合がんバイオテクノロジー企業です。同社は、精密抗原探索と高効率ベクター送達システムという2つの世界をリードするプラットフォームを組み合わせ、複数の固形がんを適応症とする免疫学的持続性のあるワクチンを開発しています。主力ワクチン候補は、2024年第3四半期に第I/IIa相試験を開始する予定です。Infinitopesは、抗原探索、免疫学、ワクチン学、腫瘍学、バイオ製造、臨床試験、規制の各分野で社内人材を育成、2022年に英医薬品医療製品規制庁(MHRA)からイノベーション・パスポート「革新的ライセンス及びアクセス経路(ILAP)」を取得しました。Infinitopesは、イノベートUKから、がん治療薬賞(Cancer Therapeutics Award)(2022年)と未来経済投資家パートナーシップ賞(2023年)という2つの権威ある最大規模の非希薄化賞も授与されています。同社は2024年、1280万ポンドのシード資金調達を完了しました。Infinitopesチームは、設立時の共同創業者3人から28人のフルタイム社員にまで成長、現在ではオックスフォード大学のバイオエスカレーター・イノベーションビル最大のテナントとなっています。詳細については、www.infinitopes.com をご覧ください。