*テクノロジー革命: 経営幹部は世界貿易の将来を支える原動力としてのテクノロジーに自信を示しており、98%が既に在庫管理から輸送ルートの最適化までサプライチェーン業務の向上にAIを活用している
*積極的な導入: 課題の変化を見越して、企業はテクノロジーの導入を増やす計画。3分の1が高度な自動化、28%がブロックチェーン、21%がAI、ビッグデータ分析、予測分析に注力するとしている
*サプライチェーンへの適用: 地政学的緊張が影を落とす中、フレンドショアリングやデュアルサプライチェーン戦略に目を向ける企業が増えている。4分の1以上がサプライヤーを絞る方向に動いている
*Economist Impactは、ハイテク製品の貿易関税が大幅に引き上げられた場合、世界のGDPが0.9%減少すると予測
ダボス(スイス), 2024年1月16日 /PRNewswire/ -- 世界経済フォーラムで16日に発表されたEconomist Impact(エコノミスト・インパクト)とDP World(DPワールド)の新たな調査報告書で、2023年の課題や地政学的緊張の高まりにもかかわらず、ビジネスリーダーは2024年に驚くほど楽観的であることが明らかになりました。
主な要因は、テクノロジーがサプライチェーンの効率と回復力を一変させるという確信が広がっていることです。保護主義、世界の分断、政情不安への懸念が高まる中、企業はサプライチェーン内のリスクを再評価し、フレンドショアリングやデュアルサプライチェーン戦略に軸足を移しつつあります。
DP Worldの委託を受け、Economist Impactが主体となり実施された第4回「Trade in Transition(過渡期の貿易)」年次調査は、さまざまな地域やセクターの貿易専門家や上級管理職の視点を集約したものです。地政学的リスクの高まり、気候変動という差し迫った現実、テクノロジーの著しい進歩など、かつてない変革期を迎えている今、企業は複雑な課題に直面しています。しかし、そこにはチャンスもあります。
2023年はサプライチェーン・イノベーション転換の年、テクノロジーが2024年の楽観論を後押し
3500人の企業幹部を対象としたグローバル調査では、サプライチェーンの有効性と回復力を向上させるテクノロジーが、世界貿易の将来を評価するよう求められたビジネスリーダーの楽観論の主な要因であることが分かりました。こうしたセンチメントの核にあるのはAIの広範な導入で、経営幹部の98%が既に、AIを活用してサプライチェーン業務の少なくとも1つの側面を大きく変えていました。
在庫管理問題の解決や取引経費の削減から輸送ルートの最適化まで、経営幹部はAIを統合し活用しています。企業の3分の1が、AIを活用して貿易業務全体のコスト削減を実現、それをリソースとサプライチェーン計画の強化に充てています。3分の1以上の企業が、在庫管理強化のためのデジタルツールの活用を、貿易・サプライチェーン全体のコストを削減する上で最も効果的な戦略だと考えています。
企業は今年、テクノロジーの導入をさらに強化する意向で、積極姿勢には、イノベーションを展開して効率と回復力を向上させ、ビジネス環境の変化を乗り切っていこうという決意がはっきり示されています。調査対象の3分の1が、物流効率化のために高度な自動化とロボットを重視、28%がトレーサビリティーとデータセキュリティー強化のためブロックチェーンを導入、21%がリアルタイム・インサイトと混乱予測のため人工知能、ビッグデータ分析、予測分析を採用するとしています。
地政学的緊張の高まりにサプライチェーンを適応
グローバル化の新時代になり、企業はサプライチェーン全体のリスク削減に動いており、地政学的リスクの高まりがグローバル貿易の輪郭を形づくりつつあります。3分の1以上の企業が、貿易やサプライチェーン業務の構想にフレンドショアリングを取り入れており、32%が並行サプライチェーンやデュアルソーシングを構築しています。
さらに、企業は多様化より統合、回復力より管理の強みを重視し、4社に1社以上がサプライヤーを絞る方向に動いており、その割合は前年から16ポイント上がりました。
政情不安、貿易摩擦の激化、世界の分断が成長を妨げかねないとの懸念が高まっています。企業の5社に1社が、輸出先または輸入元の主要市場での関税引き上げや、関税をめぐる不確実性を懸念しています。実際、22%の経営幹部が調達市場の政情不安を課題として強調、4分の1近く(23%)が地政学的不確実性の高まりを懸念しています。
Economist Impactは、世界貿易分析プロジェクト(GTAP)プラットフォームで定量的貿易分析を実施し、「地理的経済的分断」がさらに進むとの仮想シナリオ下で世界の潜在的な生産高減少を推計しました。Economist Impactは、現在の地政学情勢で焦点となっているハイテク商品の貿易障壁の大幅増大を重視したシナリオでは、世界のGDPが0.9%減少すると予測しました。
16日、ダボスの世界経済フォーラムでの報告書発表で、DP World GroupのSultan Ahmed bin Sulayem会長兼最高経営責任者(CEO)は、以下のように語りました。
「本報告書の調査結果は、不確実性の増す環境の中で事業展開せざるを得ない企業が、驚くほど楽観的であることを明らかにしました。各国政府は、貿易摩擦を低減しつつ、企業が必要とする予測可能性を提供することで、貿易がもたらす大きな経済的利益を最大化できるのです。それには、関税の引き下げだけでなく、民間部門と協力して、効率性、可視性、適応性の向上を可能にする技術的進歩-特にデジタル化、自動化、AI-の普及が必要です」
Economist Impactでニュー・グローバリゼーションのグローバル責任者を務めるJohn Ferguson氏は、以下のように付け加えました。
「地政学的リスクが高まり、気候変動の影響が強まる2024年、企業がサプライチェーンに対して講じる対策の多様性は目に見えて増えています。これは、単一の戦略では企業ごとに異なるニーズに応えられないとの理解が広がっていることの反映です。はっきりしているのは、企業がより迅速かつスマートに適応できるよう、サプライチェーン全体でテクノロジーの導入が進んでいるということです」
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▽Economist Impact(エコノミスト・インパクト)について
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私たちは、持続可能性、健康、グローバリゼーションの変容といった大きなテーマで企業、財団、非政府組織(NGO)、政府と連携し、変化を促し、前進を可能にしています。
▽「Trade in Transition(過渡期の貿易)」について
これは、DP Worldの委託を受け、Economist Impactが主体となりまとめた「Trade in Transition」報告書の第4版です。3500人を超える企業幹部からデータを集め、国際貿易とサプライチェーンに関する民間部門のセンチメントを調査したグローバル調査です。より具体的には、地政学、気候変動、テクノロジーなどの要因が貿易やサプライチェーンにどのような影響を与えているかを調査しています。「Trade in Transition」では、地域別(北米、南米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋)および部門別データ(日用消費財(FMCG)、工業製品、消費財、食品・飲料、エネルギー・天然資源、健康・医薬品、物流・流通)も精査し、国際貿易における優先事項を比較・対照しています。
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当社は、港湾・ターミナル、海洋サービス、物流、テクノロジーの各事業を急速に変革・統合し、グローバルなインフラと各地域の専門知識を融合させることで、世界の貿易のあり方を変えるべく、より強力で効率的なエンド・ツー・エンドのサプライチェーン・ソリューションを創出しています。
当社はさらに、イノベーションに投資することで未来を再構築しています。インテリジェント配送システムから自動倉庫スタッキングに至るまで、当社はディスラプティブなテクノロジーの最先端に立ち、同部門をより優れた取引方法に導き、工場の現場から顧客の玄関先まで混乱を最小限に抑えています。
誰にとっても可能なものに変えていくため、当社は貿易の流れをつくります。
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