*IQMは量子教育、研究、HPCサービス事業者との協力を推進するため米国での事業を開始
*最初の具体的措置として、IQMはカリフォルニア大バークレー校との提携で超伝導量子プロセッサーを推進
エスポー(フィンランド), 2023年12月14日 /PRNewswire/ -- 量子コンピューター構築の世界的リーダーであるIQM Quantum Computers(IQM)は14日、米国市場への参入を発表し、次世代の高度な超伝導量子プロセッサーの開発と運用を通じた量子情報科学(QIS)の分野で、カリフォルニア大学バークレー校と戦略的提携を結んだと発表しました。
今回の進出は、量子の教育と研究を推進しつつ、米国各地のハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)サービス事業者と協力して破壊的革新技術を商業化するというIQMの長期戦略に沿ったものです。
米国への参入によって、IQMは量子研究組織と結び付く無数の機会にも恵まれることになります。「長期的には、当社は独自の技術力を原動力にして、米国市場に大きな足場を築くことを目指しています」と、IQM Quantum Computersの共同創業者兼国際関係責任者であるJuha Vartiainen博士は述べました。
IQMは最近、主力製品IQM Radianceと教育製品IQM Sparkを発表しました。「この事業拡大はIQMにとってまさにビッグバンであり、カリフォルニア大学バークレー校と共同で開始することはまさしく当社の使命と一致しています。当社は量子の民主化を推進し、米国の教育市場に支援の手を差し伸べ、喫緊の課題、つまり量子関連の人材不足に対処したいと考えています」とVartiainen博士は付け加えました。
▽カリフォルニア大学バークレー校との提携
IQMとカリフォルニア大学バークレー校の提携は、次世代の高度な超伝導量子プロセッサーの開発を目指します。IQMとカリフォルニア大学バークレー校のチームは、高い量子コヒーレンスを備え、不要なクロストークは最小限の新しい量子プロセッサーの3D集積バージョンを製作する予定です。両チームは、量子ハードウエアの設計、モデリング、製造で豊富な経験があります。
カリフォルニア州パロアルトの量子産業の実現と成長を目指す有力な関係者組織Quantum Economic Development Consortium(QED-C)の14日の全体会議で、カリフォルニア大学バークレー校物理学部のIrfan Siddiqi教授兼学部長はこの提携について、「私たちは、学術界の基本的な新しいアイデアとオンサイトの専用商用ハードウエアをオープンな共同作業の環境で組み合わせることができる新しいタイプの共同事業に参加できることを楽しみにしています。これにより、影響力のある量子計算への進歩が加速されることは間違いありません」と述べました。
Lawrence Berkeley National LaboratoryのChristopher Spitzer量子研究プログラムマネジャーは、「これは、量子エコシステム全体の補完的な強みを活用して、以前は手の届かなかった成果を達成するバークレーの革新的な提携モデルを通じて達成できることの一例です」と述べました。
IQMの米国進出とバークレーとの提携は、6G技術とともに量子情報科学技術における協力を促進するという米国、フィンランド両政府の共同宣言に基づく最初の政策になります。
Vartiainen博士は「私たちは、フィンランドと米国のこの特別な関係をリードし、それを実現できたことを大変うれしく思います。これにより、両国政府の支援を受けて新規プレーヤーが市場に参入できるようになります」と述べました。
さらに、カリフォルニア大学バークレー校との提携は、IQMがその開放性と緊密な協力関係を通じていかに際立っているかを証明するものであり、顧客が同社の技術に幅広くアクセスできるようになります。
Vartiainen博士は、「私たちは、量子が突破口を開くには、緊密な提携が鍵であると確信しています。私たちは教育機関や研究機関への参入を開始しますが、次のステップは、量子コンピューターを製造するハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)サービス事業者と提携し、当社の量子コンピューターをさらに大きな市場で販売することです。これは、市場では他社と比べて大幅に異なるアプローチです」と締めくくりました。
▽IQM Quantum Computersについて
IQMは量子コンピューター構築の世界的リーダーです。IQMは、スーパーコンピューティングセンターや研究所にオンプレミスの量子コンピューターを提供し、そのハードウエアへの完全なアクセスを提供します。IQMは、産業顧客に対して、アプリケーション固有の独自の共同設計アプローチを通じて量子の利点を提供します。IQMの商用量子コンピューターには、フィンランド初のVTT搭載商用50量子ビットの量子コンピューター、ドイツのIQM主導コンソーシアムの(Q-Exa)HPC量子加速器が含まれ、IQMプロセッサーはスペイン初の量子加速器でも使用される予定です。IQMは290人を超える従業員を擁し、パリ、マドリード、ミュンヘン、シンガポール、エスポーに事務所があります。
Photo - https://mma.prnasia.com/media2/2299829/IQM_Quantum_Computers_1.jpg?p=medium600