Menarini GroupとSciClone Pharmaceuticalsが中国での進行性・転移性乳がん治療薬ORSERDU(R)(エラセストラント)の開発・商品化で独占的サブライセンス提携を発表

  • ORSERDUは、ESR1遺伝子変異を有するER陽性/HER2陰性の進行性または転移性乳がん患者に特化した初の治療薬で、内分泌療法では約20年ぶりのイノベーション
  • ESR1遺伝子変異は、ER陽性/HER2陰性の進行性または転移性乳がんの最大40%に存在し、標準的な内分泌療法に対する抵抗性促進因子であることが知られており、こうした腫瘍の治療をより困難にしている
  • 本契約には、非公表の契約一時金、マイルストーン支払、販売ロイヤルティーが含まれる

フィレンツェ(イタリア), 2023年11月9日 /PRNewswire/ -- 国際的な医薬品・診断薬のリーディングカンパニーMenarini Group(「Menarini」)と国際的なバイオ医薬品企業SciClone Pharmaceuticals(Holdings)Ltd.(「SciClone」)は7日、中華人民共和国(中国)で転移性乳がん(mBC)患者に適した治療選択肢を拡大するべく、ORSERDU(R)(エラセストラント)の開発・商品化に関する独占的サブライセンス契約を締結したと発表しました。

ORSERDUは、1日1回服用の経口内分泌単剤療法で、エストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)陰性、エストロゲン受容体1(ESR1)遺伝子変異のある閉経後女性または成人男性で、内分泌療法を少なくとも1回受けた後に病態進行した進行性または転移性乳がんの治療薬として、2023年1月に米食品医薬品局(FDA)の優先審査およびファストトラック指定の下で承認されました。ORSERDUは2023年9月、欧州委員会でも承認されました。Menarini Groupの完全子会社で、がん患者への画期的ながん治療薬の提供に注力しているStemline Therapeuticsが、米国および欧州連合(EU)でORSERDUを商品化しています。

サブライセンス契約に基づき、SciCloneは中国でのORSERDUの開発および登録を進め、中国での薬事承認後、ORSERDUを商品化します。

Menarini GroupのElcin Barker Ergun最高経営責任者(CEO)は「転移性乳がん患者には、効果的で忍容性の高い選択肢が必要です」「中国の患者さん向けの1日1回の服用で効果を発揮する新しい乳がん治療薬の登録に向け、SciCloneと提携できることを誇りに思います」と語っています。

乳がん症例の約70%はER陽性、HER2陰性で、ER陽性、HER2陰性の進行性乳がんまたはmBC腫瘍の最大40%にESR1遺伝子変異がみられます。こうした遺伝子変異は、標準的な内分泌療法に対する抵抗性促進因子であることが知られており、これまではこうした遺伝子変異を有する腫瘍は治療がより困難でした。

SciCloneのZhao Hongエグゼクティブディレクター兼社長兼CEOは「中国は世界の乳がん患者の20%を占めており(注1)、こうした患者、特に転移性の患者には新たな治療の選択肢が必要なことを私たちは知っています」「今回の契約により、腫瘍にESR1遺伝子変異のあるER陽性、HER2陰性のmBC患者向けの重要な治療手段の選択肢を腫瘍内科医に提供できるようになると考えています」と語っています。

米国およびEUにおけるORSERDUの承認は、エラセストラントの無増悪生存期間(PFS)が、治験責任医師が選択した承認済み内分泌単剤療法と定義した標準治療(SOC)と比較して統計学的に有意であることを示した第3相試験EMERALDのデータが裏付けとなっています。本試験の主要評価項目は、全患者集団およびESR1遺伝子変異患者におけるPFSでした。腫瘍にESR1遺伝子変異のある患者群において、SOCのPFS中央値が1.9カ月だったのに対し、エラセストラントは3.8カ月で、進行または死亡のリスクもSOCより45%減少しました(PFS HR=0.55、95% CI:0.39, 0.77)。

2022年サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されたEMERALDのPFS結果の事後サブグループ分析では、事前にCDK4/6i治療を受けていた期間はエラセトラントによるPFS延長と正の相関関係がありましたが、SOCとは相関していないことが実証されました。EMERALD試験で無作為化される前にCDK4/6iで12カ月以上治療を受けたESR1遺伝子変異のある患者の場合、SOCのPFS中央値が1.9カ月だったのに対し、エラセトラントは8.6カ月を達成、進行または死亡のリスクも59%減少しました(HR=0.41、95% CI:0.26-0.63)(注2)。

安全性データは、以前に報告された結果と一致していました。ORSERDUの最も一般的な副作用は、筋骨格痛、吐き気、トリグリセリド増加、コレステロール増加、嘔吐、疲労、消化不良、下痢、カルシウム減少、背痛、クレアチニン増加、関節痛、ナトリウム減少、便秘、頭痛、ほてり、腹痛、貧血、カリウム減少、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加でした。ORSERDUの重要な安全性情報は、以下の通りです。

3相試験EMERALDNCT03778931)について

第3相試験EMERALDは、ER陽性/HER2陰性の進行性・転移性乳がん患者の2次または3次治療の単剤療法としてエラセストラントを評価する、無作為化・非盲検・実薬対照試験です。本試験には、CDK4/6阻害剤を含む内分泌療法での1次または2次治療歴のある患者478人が登録されました。本試験の患者は、エラセストラントを投与する群と、治験責任医師が選択した承認済みホルモン剤を投与する群に無作為に振り分けられました。本試験の主要評価項目は、全患者集団およびエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)に変異のある患者群における無増悪生存(PFS)でした。腫瘍にESR1遺伝子変異のある患者群において、SOCのPFS中央値が1.9カ月だったのに対し、エラセストラントは3.8カ月で、進行または死亡のリスクもSOCより45%減少させました(PFS HR=0.55、95% CI:0.39, 0.77)。

ORSERDU(エラセトラント)について

米国での適応症:ORSERDU(エラセトラント)345mg錠は、エストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)陰性で、ESR1遺伝子変異のある進行性または転移性乳がんを患い、内分泌療法を少なくとも1回受けた後に病態進行した閉経後女性および成人男性の治療に適応されます。

米国向け処方情報の全文は、www.orserdu.com でご覧いただけます。

重要な安全性情報

警告および注意事項

脂質異常症:ORSERDU服用中の患者の高コレステロール血症および高トリグリセリド血症の発現率は、それぞれ30%、27%だった。グレード3および4の高コレステロール血症および高トリグリセリド血症の発現率はそれぞれ0.9%、2.2%だった。ORSERDU服用開始前および服用中は、定期的に脂質プロファイルをモニターすること。

胚・胎児毒性:動物における所見とその作用機序から、ORSERDUは妊婦に投与すると胎児に害を及ぼす可能性がある。妊婦および生殖可能な女性には胎児への潜在的リスクについて助言すること。生殖可能な女性には、ORSERDUによる治療中および最終投与後1週間は効果的な避妊を行うよう助言すること。生殖可能な女性パートナーがいる男性患者には、ORSERDUによる治療中および最終投与後1週間は効果的な避妊を行うよう助言すること。

副作用

ORSERDUを投与された患者の12%に重篤な副作用が発現した。ORSERDUを投与された患者の1%以上に発現した重篤な副作用は、筋骨格痛(1.7%)および吐き気(1.3%)だった。ORSERDUを投与された患者の1.7%に致命的副作用が認められ、内訳は心停止、敗血性ショック、憩室炎、原因不明(各1例)だった。

臨床検査値異常を含む、ORSERDUの最も一般的(10%以上)な副作用は、筋骨格痛(41%)、吐き気(35%)、コレステロール増加(30%)、AST増加(29%)、トリグリセリド増加(27%)、疲労(26%)、ヘモグロビン減少(26%)、嘔吐(19%)、ALT増加(17%)、ナトリウム減少(16%)、クレアチニン増加(16%)、食欲減退(15%)、下痢(13%)、頭痛(12%)、便秘(12%)、腹痛(11%)、ほてり(11%)、消化不良(10%)だった。

薬物相互作用

CYP3A4誘導剤および/または阻害剤との併用:強度または中等度のCYP3A4阻害剤とORSERDUとの併用は避けること。強度または中等度のCYP3A4誘導剤とORSERDUとの併用も避けること。

特定患者集団への使用

授乳:授乳中の女性は、ORSERDUによる治療中およびORSERDUの最終投与後1週間は授乳しないよう助言すること。

肝障害:重度の肝障害(Child-Pugh C)のある患者へのORSERDU投与は避けること。中等度の肝障害(Child-Pugh B)のある患者にはORSERDUの投与量を減らすこと。

小児患者でのORSERDUの安全性、有効性は確立されていません。

副作用の疑いの報告は、Stemline Therapeutics, Inc.(1-877-332-7961)またはFDA(1-800-FDA-1088またはwww.fda.gov/medwatch )にご連絡ください。

エラセストラントは、ELEVATE(NCT05563220)、ELECTRA(NCT05386108)、ELCIN(NCT05596409)など、転移性乳がんを対象としたいくつかの臨床試験でも、単剤療法または他の治療法との併用療法として研究が行われています。エラセストラントは、早期乳がんを対象とした評価も行われています。

Menarini Groupについて

Menarini Groupは、売上高44億ドル超、従業員数は1万7000人を超える国際的な大手医薬品・診断薬企業です。Menariniは、満たされていないニーズの高い治療分野に重点を置き、心臓疾患、腫瘍、呼吸器疾患、消化器疾患、感染症、糖尿病、炎症、鎮痛用の製品を提供しています。18の生産拠点と9の研究開発センターを有するMenariniの製品は、世界140カ国で販売されています。詳細については、www.menarini.com をご覧ください。

Stemline Therapeutics Inc.について

Menarini Groupの100%子会社Stemline Therapeutics(「Stemline」)は、新規腫瘍治療薬の開発、商品化に注力している商業期バイオ医薬品企業です。Stemlineは、エストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)陰性でESR1遺伝子変異のある進行性または転移性乳がん患者で、内分泌療法を少なくとも1回受けた後に病態進行した閉経後女性および成人男性用の経口内分泌治療薬ORSERDU(R)(エラセトラント)を米国とEUで商品化しています。Stemlineは、米国および欧州で侵攻性血液がんである芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)患者向けにCD123を標的とする新規標的治療薬ELZONRIS(R)(tagraxofusp-erzs)を商品化、これは、これまでに米国およびEUで承認された唯一の治療薬です。Stemlineは、多発性骨髄腫用のXPO1阻害剤NEXPOVIO(R)(セリネクソール)も欧州で商品化しています。Stemlineは、固形がんおよび血液がんを対象に、さまざまな開発段階にある低分子化合物およびバイオ医薬品の広範な臨床パイプラインも有しています。

SciClone PharmaceuticalsHoldingsLimitedについて

SciClone Pharmaceuticals(Holdings)Limited(「SciClone Pharmaceuticals」、HKEX:6600)は、がんおよび重篤な感染症に対する革新的治療法の開発・商品化のための統合プラットフォームを有する、グローバルなバイオ医薬品企業です。イノベーション主導の戦略的転換により、SciCloneはファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの可能性を秘めた製品・パイプラインを含む、差別化された優位性を持つ製品ポートフォリオを確立してきました。SciCloneは、「SciCloneは生命に希望を与える」というグループ創業時の志を忠実に守り、世界標準のケアでトップクラスのヘルスケア製品とサービスを提供することで、患者の健康増進に取り組んでいます。SciCloneの詳細については、www.sciclone.com. をご覧ください。

(注1)Ferlay J, Ervik M, Lam F, Colombet M, Mery L, Piñeros M, Znaor A, Soerjomataram I, Bray F (2020). Global Cancer Observatory: Cancer Today. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer. Available from: https://gco.iarc.fr/today, accessed [01 Nov 2023].

(注2)Bardia et al. EMERALD phase 3 trial of elacestrant versus standard of care endocrine therapy in patients with ER+/HER2- metastatic breast cancer: Updated results by duration of prior CDK4/6i in metastatic setting. SABCS 2022. GS3-01

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