欧州消化器病週間2023:低出生体重児は後に脂肪性肝疾患を発症する可能性が4倍高い

コペンハーゲン, デンマーク, 2023年10月15日 /PRNewswire/ -- 欧州消化器病週間(UEG Week)2023で16日に発表された画期的新研究により、出生時の体重と、現在では代謝機能障害関連脂肪肝(MASLD)として知られる若年層の非アルコール性脂肪性肝疾患発症との間に有意な関係があることが分かりました。

特に低出生体重児は、小児期、青年期、若年成人期にMASLDを発症する可能性が4倍高いことが判明しました。

研究者らは、1992年1月から2017年4月までの間にMASLDと診断された25歳以下の全ての人、計165例を対象とした集団ベースの症例対照研究を実施しました。各MASLD患者は、年齢、性別、暦年、居住地域に基づき、一般集団の最大5人の対照者と照合されました。

低出生体重児(2500g/5ポンド8オンス未満)は、正常出生体重児に比べMASLD発症の可能性が4倍高く、10パーセンタイル未満の在胎不当過小児(SGA)も、適正出生体重児(10-90パーセンタイル)に比べ、人生の早い時期にMASLDを発症する可能性が3倍以上高いことが分かりました。

研究者らはさらに、低出生体重児やSGAとして生まれた人は、より重篤な病期のMASLDを肝線維症や肝硬変の形で発症する相対リスクが最大で6倍高いことも発見しました。

本研究の筆頭著者のFahim Ebrahimi博士は「これまでの研究で出生時の体重と主要疾患との関連は確立されていましたが、MASLDとの関連は不明なままでした。私たちの研究で、胎児の発育因子がMASLDや進行性肝疾患の発症に重要な役割を果たしているという説得力ある証拠が得られました」とコメントしています。

肥満率が上昇する中、MASLDは世界中で最も一般的な慢性肝疾患の原因となっています。欧州だけでも成人の25%以上が罹患していると推定され、有病率は増加しています。

Ebrahimi博士は「早期発症のMASLDは成人期まで持続することが多く、肝硬変や末期肝疾患の発症リスクの増加とも関連しているため、低出生体重児として生まれた人が、若いうちから、この疾患の高い相対リスクに直面していることは非常に憂慮すべきです。リスクのある人を特定し、この疾患の負担を軽減するための積極的かつ効果的な戦略を立てることが重要です」と付言しています。

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