【アーバイン(米カリフォルニア州)2023年9月11日PR Newswire】がんや免疫疾患を治療するための新規治療法を開発している臨床期バイオテクノロジー企業PeproMene Bio, Inc.は11日、再発または難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫(r/r B-NHL)を対象とするPMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)の第1相臨床試験で第1投与患者群が完了したと発表しました。用量制限毒性(DLT)は認められず、試験は次の患者群に進むことが許可されました。
PMB-102試験は、国内最大級のがん研究・治療機関シティ・オブ・ホープで行われています。PeproMeneは、この治療法を開発したシティ・オブ・ホープからPMB-CT01に関する知的財産のライセンスを取得しています。
第1患者群では、50x106 PMB-CT01の投与は極めて良好な忍容性を示しました。3人の治療患者の全員がグレード1のサイトカイン放出症候群(CRS)を経験、2人はグレード1の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)を経験しましたが、完全に回復しました。治療後1カ月の全奏効率は100%(完全奏効2例、部分奏効1例)でした。マントル細胞リンパ腫の患者2人は、PMB-CT01への登録前、従来のCD19 CAR T細胞治療後に進行していました。
本単施設・用量漸増試験(NCT05370430)の主任治験責任医師でシティ・オブ・ホープ血液・造血細胞移植部リンパ腫科准教授のElizabeth Budde医学博士は「FDAが承認したCD19 CAR T細胞を含め、事前に受けた3-10種類の治療法がうまくいかなかった治療歴の多い患者で、これほど高い奏効率を示しながら毒性は最小限だったことに、うれしい驚きと興奮を覚えています」と話しました。
シティ・オブ・ホープ総合がんセンターの副理事長兼副所長で、PeproMeneの創設科学メンバー、科学顧問委員会の有給委員長でもあるLarry W. Kwak医学博士は「B細胞性リンパ腫や白血病に対するCD19-CAR T細胞治療の初期効果は高いものの、CD19-CAR T細胞治療後に再発する患者は依然として多く、喫緊の満たされていない医学ニーズがあることが浮き彫りになっています」と指摘しました。Kwak氏はPeproMeneの出資者ですが、「CD19と違い、BAFF-Rシグナル伝達はB細胞の増殖と生存に必要なため、BAFF-R発現が失われることでB細胞腫瘍が治療を回避する能力が制限される可能性があります。BAFFR-CAR T療法が患者さんにとって臨床的に意義のある新たな選択肢となるよう願っています」とも話しました。
PeproMene最高執行責任者(COO)のHazel Cheng博士は「まだ初期段階ではありますが、PMB-CT01を投与したB-NHL患者の初回投与患者群において、許容可能な安全性と暫定的な有効性が確認されたことに意を強くしています。3人の治療患者(2人はCD19 CAR T療法後に進行、1人はCD19/CD20陰性リンパ腫)の全員がPMB-CT01治療に反応しました」「こうした臨床結果は、2019年にScience Translational Medicine誌に発表された、PMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)がB細胞悪性腫瘍の抗原CD19の欠損を克服できることを示した、シティ・オブ・ホープの前臨床研究データとも一致しています」と話しています。
▽PMB-CT01について
PMB-CT01は、B細胞活性化因子受容体(BAFFR)を標的とするファースト・イン・クラスの自己キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療薬です。BAFF-Rは、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーの1つで、B細胞にほぼ独占的に発現するBAFFの主要な受容体です。BAFF-Rシグナルは正常なB細胞の増殖を促し、B細胞の生存に必要と考えられているため、BAFF-R抗原の欠損によって腫瘍細胞が免疫反応を回避できる可能性は低くなります。このユニークな特性から、BAFF-R CAR T療法には、B細胞性悪性腫瘍の治療法となる大きな可能性があります。BAFF-R CAR-Tは、抗BAFF-R scFv(単鎖可変領域フラグメント)抗体およびCD3ゼータ、4-1BBを含む第2世代のシグナル伝達ドメインを使い構築されました。当社の研究で、BAFFR-CAR T細胞は試験管内および動物モデルでヒトのリンパ腫や白血病を死滅させることが判明しています。PeproMeneはシティ・オブ・ホープから、PMB-CT01に関する知的財産をライセンス供与されています。
▽PeproMeneについて
PeproMeneは、カリフォルニア州アーバインにある臨床期バイオテクノロジー企業で、がんや免疫疾患を治療するための新規治療法を開発しています。PeproMeneの主力候補薬PMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)は現在、再発・難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL;NCT04690595)およびB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL;NCT05370430)を対象に第1相臨床試験で研究が行われています。PeproMeneは、BAFFR二重特異性T細胞誘導抗体やBAFFR-CAR NK細胞の開発も行っています。
詳細については、PeproMene Bio Inc.のHazel Cheng博士(hazel.cheng@pepromenebio.com )にお問い合わせいただくか、www.pepromenebio.com をご覧ください。
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