アラブ首長国連邦、国連、国際刑事警察機構および欧州刑事警察機構が環境犯罪と気候危機への対策で協力

  • アラブ首長国連邦UAE内務省は、ESRIの支援を受けて、データ主導の世界的な準備態勢評価を担当します。 同省はまた、UNODC国連薬物・犯罪事務所と緊密に連携し、国連合同環境ユニットほか気候のための法執行機関の国際的な取組みI2LECのパートナーと協力して、グローバルトレーニングハブの設立を主導します。
  • 国際刑事警察機構インターポール主導の合同作戦ユニットは、UNODC、欧州刑事警察機構ユーロポールUAE内務省の支援を受けて、世界各地の環境犯罪を対象とします。一方、国連警察は、警察専門家を訓練して、派遣国における環境犯罪や気候関連の脅威に対処する能力の構築を支援することを目指します。

アブダビ、アラブ首長国連邦, 2023年7月26日 /PRNewswire/ -- アラブ首長国連邦(UAE)内務省が主導し、国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime、英文略称:UNODC)と緊密に連携する、気候のための法執行機関の国際的な取組み(International Initiative of Law Enforcement for Climate、英文略称:I2LEC)は本日、2023年から2025年までのロードマップを発表しました。同ロードマップは、環境犯罪と気候危機全般への取り組みを目的とした5つの主要イニシアチブに焦点を当てるものです。

I2LECの運営委員会は、気候変動問題や環境に対する犯罪に対処するための訓練および共同作戦の強化など、世界的な行動の必要性について議論しました。 本ロードマップは、今後数年間のI2LECの行動および活動分野の指針となるものです。

運営委員会には、I2LECのパートナーや、UNODC、インターポール、合同環境ユニットのUNEP/OCHA、ユーロポール、ESRI、UNPOLおよびUAE内務省などの国際機関の代表者らが集まり、気候変動がもたらす課題に地球規模で取り組む上での国際協力と協調の重要性に全会一致で合意しました。

2023から2025年のロードマップは、運営委員会のさまざまなメンバーによって先導される数多くの世界的な取り組みを包含しています。これらの取り組みには、世界的な格差とニーズの評価に加え、環境に影響を与える犯罪に関する白書、国連気候インシデントオブザーバー、グローバルトレーニングハブ、環境と気候変動に影響を及ぼす犯罪を対象とするインターポール主導の合同気候活動ユニットなどが含まれます。 これらの取り組みはそれぞれ、I2LEC運営委員会の組織メンバーが主導します。

UAE内務省国際局長のダナ・フメイド中佐は、気候変動がもたらす課題にすべての関連パートナーが対処するために、法執行機関の能力を積極的に強化するロードマップの整備の重要性を強調しました。

「グローバルな課題にはグローバルな解決策が必要です。 この生産的な運営委員会の会合は、法執行機関が気候変動に備えるだけでなく、環境に対する犯罪を防止し起訴するための手段と理解を持つことが極めて重要であることを改めて浮き彫りにしました。 同省では、I2LECの世界的な準備態勢評価を主導します。これは、気候変動に関連する世界の法執行機関のギャップとニーズについて、権威ある理解を得られるようにするものです。 これに続いて、アブダビにグローバルトレーニングハブを設立し、世界中の法執行機関を支援する予定です」と、Humaid中佐は語っています。 

UNODC湾岸協力理事会地域代表であるであるHatem Aly博士は、UNODCがI2LECの共同議長として同取り組みを支援することを改めて表明しました。

「UNODC全体を代表し、この共同イニシアチブの実施に向けて、我々があらゆるレベルでの技術的および戦略的支援に最大限に注力することを改めて確認したいと思います。 このためUNODCは、環境に影響を与える犯罪に関する包括的な研究論文に着手し、I2LECの旗の下、COP28でこれらの調査結果を発表することを目指します。 I2LECの枠組みで採択された取り組みとプロジェクトは、環境および気候に影響を及ぼす犯罪に対処する法執行機関の意識向上と技術的能力強化に向けて、既存のデータプラットフォームおよびイニシアチブのパートナーメンバーの専門知識を活用するものです。 この文脈においてUNODCは、その関連する地域的および世界的手段とプログラムプラットフォームの統合された技術的能力を利用することを約束します。」

インターポールの警察サービス担当エグゼクティブディレクター、スティーブン・カバナー氏は、次のようにコメントしています。 「環境犯罪に取り組むことは、法執行機関の重要な使命となっています。 過去100年間、インターポールは最も一般的な脅威に応じて、国際的な法執行活動の発展において主導的な役割を果たしてきました。 気候変動の危機が高まるにつれ、環境安全保障戦略は、私たち全員が直面している脅威の規模を反映したものでなければなりません。 我々はこの使命に情熱を燃やしており、I2LECのパートナーとともに、より強力な対応およびグローバルな共同作戦を実現するために、環境執行における我々の専門知識を活用するという決意を固めています。」

国連警察顧問のFaisal Shahkar氏は、こう続けます。「気候危機に対処するための包括的な対応が急務となっています。 気候変動問題や環境に対する犯罪に取り組む受入国の警察への支援強化の一助となる、この2年間のロードマップの発表を称賛したいと思います。 このような重要な連携を通じて、環境に対応する警察活動を主流化することは、気温の上昇、食糧や水の不安定性および気候関連の犯罪や紛争が増加する将来に備えた国連警察の構築に寄与します。 国連警察の専門家の訓練や派遣を含め、I2LEC構想に貢献できることを楽しみにしています。」

Esriの中東およびアフリカにおける国家安全保障担当リーダー、Guilhem Soulieは、I2LECに関連する分析を実行するためには、多様なデータセットにアクセスし、それらの共同管理を可能にすることが重要であると強調しました。

「気候変動に対する犯罪は、2次、3次的な影響、つまり波及効果をもたらすため、適切なインテリジェントワークフローで対処する必要があります。 そのためには、非常に多様な国内外の組織間の全面的な協力が必要となります。 Esriは、その技術的な専門知識をこのような素晴らしい国際的な法執行機関に提供できることを光栄に思います。特に、グローバルな準備評価とインタラクティブなダッシュボードの作成において、リアルタイムの気候情報へのアクセスを大幅に向上させるために、技術と専門知識を提供することを約束します。」

第1回運営委員会は、I2LECの誓約など、イニシアチブ設立以来、いくつかの重要なマイルストーンを経て開催されました。また、ウィーンで開催された犯罪防止刑事司法委員会(Commission on Crime Prevention and Criminal Justice、英文略称:CCPCJ)の第32回会合で発表され、20カ国以上の支持を得ました。

本日をもって、UAE内務省とUNODCは、I2LECの他のパートナーとともに、2023から2025年ロードマップの実施に向けて力を合わせることになります。 これには、今年末にドバイで開催されるCOP28でのI2LEC主催イベントも含まれており、国際的な認知度の拡大および本イニシアチブへの支援促進を目的としています。

I2LECは、環境と気候変動に影響を及ぼす犯罪に関する啓発、能力開発、研究ならびに気候変動に対する法執行機関の対応を目的とした世界的なイニシアチブです。