アルツハイマー病協会、ドナネマブの第3相試験のデータに関する見解をAAIC 2023で報告

アムステルダム、2023年7月18日 /PRNewswire/ -- 本日、イーライリリー(Eli Lilly)が発表した「TRAILBLAZER-ALZ 2」に関する臨床試験のデータは、早期症候性アルツハイマー病におけるドナネマブの重要な進展を示しており、これは、アルツハイマー病研究と治療における重要な進歩です。

第3相試験の完全なデータは、「アルツハイマー病協会国際会議®(AAIC®)2023」(オランダ・アムステルダム)およびオンラインで報告されました。このデータは、同時に「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」にも掲載されました。

この結果は、ドナネマブが早期症候性アルツハイマー病(軽度認知障害または軽度認知症)患者の認知機能と機能の低下を有意に遅らせることを示しました。これは、同社が2023年5月に発表した最新データの結果を裏付けるものでした。AAICでは、以下の点を学びました。

  • 試験期間中、有効な治療効果はプラセボに対して持続的に増加し、最も大きな差が18ヶ月時点で観察されました。
  • 病気の最も初期段階にある研究参加者は、プラセボと比較して認知機能の低下が60%遅延するなど、より大きな恩恵を受けました。さらに進行した患者においても有意な効果が認められました。
  • 病気の最も初期段階にある、ドナネマブを投与された研究参加者の約半数(47%)が、1年後に臨床的な進行を示さない結果となりました。

「このような詳細情報を踏まえると、脳からベータアミロイドを徹底的に除去することが、初期のアルツハイマー病患者の病気の進行を有意に遅らせるという、説得力のある科学的根拠がさらに得られました」と、アルツハイマー病協会最高科学責任者のMaria C. Carrillo博士は語りました。

「この結果は、できる限り早期に治療を開始することでより大きな有益な効果が期待できることを示していますが、また、病気の進行が後期になってから治療を開始しても、病気の進行を遅らせる可能性があることも示しています」とCarrillo氏は述べました。「このような恩恵は実際に意味のあるものであり、人々にとっては日常生活に参加する時間が増え、自立した生活を維持し、将来の医療上の意思決定を行う時間が与えられます」

「TRAILBLAZER-ALZ 2」の参加者は、認知と機能の両方を測定する尺度を用いて18ヶ月にわたって評価されました。臨床段階に基づく低・中程度のタウタンパク質を持つ参加者を事前に特定した分析では、病気の初期段階の患者において、ドナネマブのより大きな恩恵が示されました。

他の抗アミロイド治療と同様、この治療にも副作用があります。同社によると、アミロイド関連画像異常(ARIA)のレベルと重症度は、「TRAILBLAZER-ALZ」の第2相試験と一致していました。ARIAは通常無症状ですが、重篤になることもあります。このリスクは、慎重な観察とモニタリングによって管理することが可能であり、必要とあれば治療から除外することもできます。多くの場合、治療は再導入できます。

死に至る病気を抱える患者とその家族は、常に医師と相談し、自分に適した治療計画を立てるべきであり、これには、承認された治療法の恩恵とリスクを考慮することも含まれます。

同社は公に、米国食品医薬品局(FDA)への通常の承認申請を完了し、年末までに規制当局による承認が下りる見込みであること、また、他の世界各国の規制当局への提出が進行中であることを公表しました。肯定的な臨床試験の結果に基づき、アルツハイマー病協会は米国食品医薬品局(FDA)の通常の承認を大いに支持しており、一度承認されれば、CMSや他の民間保険会社が、この治療法の恩恵を受ける人々に対して完全かつ即座に適用することを期待しています。

今回の臨床試験を含め、アルツハイマー病協会はアルツハイマー病の臨床試験において、すべての関係者の代表性を向上させるための進展がほとんどないことに依然として失望しています。例えば、認知症は黒人やヒスパニック系アメリカ人に特に影響を与えますが、治療研究において彼らの占める割合が極端に少ない状況です。臨床試験は、その対象集団を正確に反映することが重要です。私たちは、代表性を有していないコミュニティに到達するためにできる限りの努力をしなければなりません。そうすることで、得られた発見がすべての人々に恩恵をもたらすことができるのです。

ドナネマブの臨床試験は、FDAが承認した2つのアルツハイマー病抗アミロイド治療薬で実施された試験とは異なり、この試験では、研究参加者は脳内のアミロイド除去があらかじめ決められたレベルに達した時点で治療を中止します。一定のしきい値を下回ると、患者は治療から外され、プラセボ群に加えられました。この薬剤を投与された研究参加者のうち、半数(52%)が治療コースを12ヶ月未満で終了し、72%は18ヶ月までに治療を完了しました。これは、患者や家族、処方医、支払者にとって注目すべき点です。なぜなら、患者は生涯にわたってこの治療を継続的に受ける必要がなくなる可能性があるためです。

本日発表された肯定的な結果の意義を考えるにあたり、アルツハイマー病協会は、すべての潜在的な治療方法を前進させることに全力で取り組むと同時に、異なるアプローチを組み合わせた複合療法の開発方法を探求し続けることに引き続き尽力していきます。すべての承認された治療法へのアクセス、およびすべての人々に対する質の高いケアとサポートが提供されることが必要です。

アルツハイマー病協会国際会議®AAIC®)について
アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)は、アルツハイマー病やその他の認知症に注目する世界中の研究者が集まる世界最大の会議です。世界中から集結した研究者が一堂に会し、情報共有や最新の研究成果の発表が行われます。アルツハイマー病協会の研究プログラムの一環として、AAICは認知症に関する新たな知識を生み出し、重要な共同研究コミュニティを育成するための触媒となっています。
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アルツハイマー病協会は、世界的な研究を加速し、リスクの低減と早期発見を推進し、質の高いケアとサポートを最大化することで、アルツハイマー病と他のすべての認知症の根絶に道を切り開いています。同協会が思い描いているのは、アルツハイマー病や他すべての認知症のない世界です。alz.orgをご覧になるか、24時間365日対応のヘルプライン(800.272.3900)までお電話ください。

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