アジア太平洋地域での研究と教育を推進するために、オーストラリア、香港、シンガポールの主要なロースクールが協力して、法とサステナビリティに関する研究同盟を結成

シドニー、香港、シンガポール、2023年7月14日 /PRNewswire/ -- シンガポール経営大学(SMU)、Yong Pung How School of Law(YPHSL)、シドニー大学ロースクール(USyd)、香港大学法学部(HKU)は本日、当該地域におけるサステナビリティを達成するための法律に焦点を当てた研究と教育イニシアチブを推進する狙いで、アジア太平洋地域では初の法とサステナビリティに関するアジア太平洋研究同盟を設立することを発表しました。

これは、ハイパーコネクテッド・ワールドにおける法律–サステナブルな未来に向けて点をつなぐという題して初めて開催された法とサステナビリティ会議の場で発表されました。 SydとHKUの支援の下で、SMUとYPHSL主催による今回の会議は、3部構成でおこなわれた一連の会議で最初に開かれたもので、協議を進める研究同盟にとっての出発点にあたります。

また、SMUサステナビリティシリーズ2023の最初のイベントでもあります。このシリーズは、2023年7月から10月にかけて開催されるサステナビリティに焦点を当てたイベントキュレーションから構成されています。大学は、このシリーズを通してサステナビリティに関する協議を進め、ステークホルダーやパートナーと協力して、サステナビリティ・ブループリント(Sustainability Blueprint)に基づいて、達成のきっかけになった主要な出来事を紹介する予定です。

シンガポール特使のProfessor Tommy Kohを主賓として迎え開催された2日間の会議では、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、インド、インドネシア、ケニア、南アフリカ、スロベニア、スペイン、スリランカ、イギリス、ペルーからの約100件の投稿論文から選ばれた50人以上の講演者が登壇します。

会議初日には、Dr Lena Chan(シンガポール国立公園局国際生物多様性保全課シニアディレクター)による基調講演が行われましたが、「バイオダイバーシティ3都市が紡ぎ出す物語(Weaving a Tale of Three BiodiverCities)」と銘打って、Nature Indexで生物多様性の条約都市であるシンガポールが、開発において果たす役割と都市のサステナビリティについて話しました。

続いて、3大学をまとめるリーダーのSMU学長Professor Lily Kong、USydからAssociate Dean EducationのProfessor Nicole GrahamならびにHKU法学部長のProfessor Zhao Yun参加の下、全体会議が開かれ、サステナビリティ教育において大学が果たす重要な役割について議論がおこなわれました。また、ウォンパートナーシップ(WongPartnership)、ジョンソンコントロールズ(Johnson Controls)、ムシムマスグループ(Musim Mas Group)、世界自然保護基金シンガポールの代表者を招いて、ビジネス、金融、法務、ガバナンスにおけるサステナビリティとESGに関する見解を述べる業界パネルディスカッションもおこなわれました。

法とサステナビリティに関するアジア太平洋研究同盟

2日間の会議の後、研究同盟は2024年に、「Review of European, Comparative and International Environmental Law」に約12の論文などを掲載する特別号を発行する予定です。 2024年と2025年には、USydとHKUがそれぞれ、会議シリーズで予定されている残りの会議を主催します。

YPHSL学部長のLee Pey Woan教授は、複数大学が協調する背後にある動機について考えるなかで、次のように述べています。「技術の進歩とグローバリゼーションは、情報、アイデア、商品、人の移動と交流に大きな影響を与えました。 地球の自然体系に多大な変化をもたらし、地球上の生命を維持する自然体系にある能力に深刻な脅威をおよぼしています。 このような差し迫った課題にもかかわらず、国内外のレベルで法制度自体は、法制度が成立した当時のままで変わっていません。 したがって、学者や政策立案者は、複数のセクターが相互にサステナビリティを認識して、地球環境への広範囲にわたる変化による影響を予測して、今日直面している前例のない社会的および生態学的混乱に対処する、新しい法律およびガバナンスシステムを構想することが重要です。」

サステナビリティ法を選択科目に

サステナビリティ法は環境法の上を行くもので、環境、社会、経済への配慮を組み込みながら、人間と自然の調和を達成する法律上の解決策を改めて検討する必要性から、SMU YPHSLは、2024年1月に、法学部のすべての学生に、新しい選択科目としてサステナビリティ法を導入します。 本コースでは、サステナビリティとさまざまな法律や政策の流れに対する環境、経済、社会における側面と、交差する部分について、学生が理解を深める講義になる予定です。 学生は、課題に対処する現行の法律や政策を例にとりながら、地域的および世界的なサステナビリティを取り巻く、現在おこなわれているさまざまな開発について考える機会を与えられます。

7月15日、会議に参加する学者はSMUの法学部の1年生と一緒に、シンガポール2030グリーンプラン100万本の木運動(OneMillionTrees movement)の100万本の木運動を支援する植樹プログラムに参加します。 植樹活動で植える苗木は、ジャワ島に入植する以前からフォートカニングヒルに生息していた在来種に近い、特別に選ばれた苗木を10本植えるので、その修復作業には特別な意味合いがあります。 植樹活動についての近況報告は、2024年と2025年に、それぞれオーストラリアと香港で開催される会議シリーズの後半回で会議参加者にお渡しします。

会議の詳細については、次のWebサイトをご覧ください。https://site.smu.edu.sg/smu-sydney-hku-law-sustainability-conference#home