CGTN:上海協力機構に新加盟国、グローバルな課題の中でより緊密な協力を視野に

北京、2023年7月6日 /PRNewswire/ -- イランは4日、公式に、世界で最大の面積と人口を有する包括的な地域協力組織である上海協力機構(SCO)の9番目の加盟国となりました。

イランの正式加盟が、同機構の第23回首脳理事会で決定されました。同機構加盟国の各国首脳はこの会議にオンラインで出席しました。

同会議で演説した中国の習近平国家主席は、イランの同機構への加盟を歓迎し、各加盟国に対し、世界の平和と発展にさらなる確実性と前向きなエネルギーをもたらすために、団結と協調を維持するよう呼びかけました。

「人々の幸せな生活への願いは我々の目標であり、平和、発展、および双方にとってメリットのある協力は、止められない時代の流れである。」と習主席は指摘しました。

世界をより良い場所にするため、習主席は同機構加盟各国首脳に対し、中国は他の加盟国と協力し、「グローバル発展イニシアティブ」(GDI)、「グローバル安全保障イニシアティブ」(GSI)、および「グローバル文明イニシアティブ」(GCI)を積極的に実施する用意があると述べました。

混迷と変革の世界にあって、習主席はGDI、GSI、そしてGCIを相次いで提唱し、グローバル・ガバナンスに対して中国の解決策を貢献しました。この3つの構想は、上海協力機構の「3本柱」、すなわち安全保障、経済、人的交流の3つの主要協力分野を強化するというニーズにも合致しています。

共通の安全保障を守ること

上海協力機構は20年以上前に、テロリズム、分離主義、および過激主義の3つの勢力と闘うという基本的使命をもって誕生しました。長年にわたり、安全保障協力は上海協力機構の枠組みの中で加盟国にとって主要な焦点であり続けてきました。

この「3つの勢力」に対抗するため、上海協力機構加盟国は情報共有と情報交換を拡大し、また、反テロ合同演習を実施することで顕著な前進を遂げました。2020年だけでも、上海協力機構加盟国は40件以上のテロ攻撃を防ぎ、50以上のテロリスト集団を解体することができました。

この組織はまた、上海協力機構とアフガニスタン・パキスタンに関する国際コンタクト・グループなどのメカニズムを通じて、麻薬取引や国際組織犯罪を取り締まり、また、地域的なホットスポットの再燃に対処するための加盟国の努力の主要な調整役としても機能しています。

習近平は、地域の平和を維持し、共通の安全を守る呼びかけをして、「この地域の平和と安全を維持することは、我々に共通の責任である。」と指摘しました。

さらに、中国はあらゆる方面と協力してGSIを実施し、対話と協議を通じて国際紛争の解決を促進し、国際的・地域的なホットスポットの政治的解決を促し、この地域における確固たる安全保障の支柱を築く用意があると付け加えました。

「協力の分け前」を大きくする

ユーラシア大陸の5分の3を占める上海協力機構は、世界の人口の半分近くを占め、世界の国内総生産(GDP)の20%以上を占めており、これはまた、発展の可能性がさらに大きいことを意味します。さらに、中国が提唱する一帯一路構想(BRI)は、上海協力機構加盟国に対して、潜在的な可能性を引き出して、特にインフラ分野での実務協力を強化するチャンスを提供しています。

中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道、中国・中央アジア天然ガスパイプライン、および中国・欧州間貨物列車の定期運行といった輸送サービスの建設により、上海協力機構加盟国間の結びつきは物理的に緊密になっています。

習主席は、「我々は、『一帯一路』を全世界に恩恵をもたらす『幸福の道』として拡張するために協力すべきである。」と述べて、BRIの10周年に中国が第3回『一帯一路国際協力フォーラム』を開催することを上海協力機構加盟各国首脳に伝えました。

中国と上海協力機構加盟国の地元の経済貿易協力実証地区もまた、地元の人々に具体的な利益をもたらしています。上海協力機構諸国との貿易額は2019年の8億5000万元(約1億1700万ドル)から2022年には81億元(約11億ドル)に急増しました。

経済成長を促進することがこの地域のすべての国にとって共通の課題である、と習主席は会議の中で強調しました。また、加盟諸国に対し、実務的な協力に焦点を当て、経済回復を促進するよう呼びかけました。

また、保護主義、一方的な制裁、国家安全保障の過度な拡張に反対し、障壁の設置、デカップリング、およびサプライチェーンの切断といった動きを拒否する一方で、GDIを実行して、双方にとってメリットのある協力の分け前を大きくするために各方面と協力することを誓いました。

人々の絆を深める

上海協力機構加盟諸国には多くの古代文明と民族が存在し、万華鏡のような宗教的・文化的遺産を受け継いでいるため、異文化交流と相互理解を促進する努力が真に必要です。

「言語年」、「文化年」、および「観光年」といった文化行事が、加盟国間で相次いで開催されており、上海協力機構加盟国の人々が互いをよりよく知ることを目的としています。

同機構はまた、上海協力機構大学(USCO)を発展させてきており、同機構加盟諸国の青少年の間の文化・学術交流を奨励しています。現在、USCOの協力プログラム下にある大学は82校あり、7つの専門分野があります。

中国国家主席は4日、今後3年間に同機構加盟国に1000人規模の国際的な中国語教師奨学金を提供して、3000人規模の「中国の懸け橋(Chinese Bridge)」のサマーキャンプの機会を提供し、また、科学研究交流のために100人の若手科学者を中国に招待すると発表しました。

習近平は、この地域におけるすべての国が異なる文明の調和ある発展を望んでいると確信しています。「我々は、グローバル文明イニシアティブ(GCI)を実施し、あらゆる文明間の包摂と共存を促進し、あらゆる国家間の相互理解と友好を高めるために、あらゆる方面の協力を歓迎します。」

https://news.cgtn.com/news/2023-07-04/With-new-member-SCO-eyes-closer-cooperation-amid-global-challenges-1lay4OIVy36/index.html