CGTN:中国にとってなぜ文化遺産の保存がそれほど重要なのでしょうか?

【北京2023年6月8日PR Newswire】文化財保存の専門家のMa Yanru氏(59)は、2000年以上前にさかのぼる漢王朝時代の鉄剣の修復に懸命に取り組んでいます。

Ma氏が顕微鏡をのぞき込んだところ、剣とその鞘の木目に、金の糸が絡み合いっているのが分かりました。Ma氏は木目がこの材料が広葉樹林から採られたものであることを示唆していると結論づけています。

Ma氏は、漢時代の剣は古代中国で火薬などを使わない最高の冷兵器の1つであることから非常に歴史的価値が高く、これから多くの情報を収集することができると言っています。

Ma氏は「中国文化であれ、世界の他の地域の文化であれ、あらゆる文化の継承は物質的なものの保存によって可能となる」と語っています。

また「ある物をみると、それに関係した人々のことを思い起こし、古代の人々の生活やそうした人々の文化を探求したくなるものです」と付け加えました。

さらに「こうした物質的なものによって自分の仮説を検証し、解答を見つけることができるのです」と語りました。

Ma氏は中国に数多くいる文化財修復専門家の1人です。中国は世界最古の文明の発祥地の1つであり、文化遺産と自然遺産の保護の重要性を強調している国です。

中国の古いことわざに「世界のあらゆるものには生存と発展の法則があるが、それらは自分のルーツを保存する方法を知っている」というのがあります。

習近平(Xi Jinping)国家主席はこの考えに同調し、文化遺産保護の重要性をしばしば強調しています。習主席は、中国文明が長く続いているのは自分のルーツを根本から理解していることによると確信しています。

過去10年間にわたり、中国は文化財の保護に目覚しい進歩を遂げてきました。

文化観光省のRao Quan次官によると、2021年末までに中国には1億800万点の国有の可動文化財と、およそ76万7000点の不動文化財があり、中国にある世界遺産の総数は56件に達して世界で第2位にランクされています。

無形文化遺産の保護も着実な進歩が見られます。昨年7月に開かれた文化財に関する全国会議によると、中国は現在までにユネスコの無形文化遺産リストに42件が掲載されており、世界最多を誇っています。

万里の長城や大運河などに関する文化財を保護するための主要なプロジェクトが完了し、数万点の貴重な収集された、または発掘された文化財が修復されたことが会議で発表されました。

習主席が第20回中国共産党大会で発表した報告書は、中国の優れた伝統文化は中国文明の知恵の結晶であると指摘し、中国は都市と農村の発展の過程で、文化財や遺産を保護し、歴史遺産や文化遺産の保護と保存に一層取り組んでいくことを強調しています。

https://news.cgtn.com/news/2023-06-07/Why-does-preserving-its-cultural-heritage-matter-so-much-to-China--1krGH3GGzMA/index.html

https://youtu.be/tcZl4O_U7D4

ソース:CGTN