【北京2023年5月1日PR Newswire】中国東部の浙江省杭州市で27日に閉幕した国連(UN)世界データフォーラム(WDF)は、持続可能な未来づくりに向けたデータガバナンスと政府間協力の強化を呼び掛けました。
アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は「21世紀の今日、データは20世紀における石油のような存在であり、発展と進歩の原動力となっています。データは、責任を持って使われることで、持続可能な未来の基盤となります」と語りました。
同フォーラムで中国はデータガバナンスの経験を紹介し、国際的な研修をより多く開催し、ビッグデータ中国拠点用の国連グローバルプラットフォーム開発を加速させることで、グローバルなデータガバナンスにさらに貢献していくことを約束しました。
中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は同フォーラムに寄せた祝辞で、同国はデータガバナンスを通じた持続可能な開発のための2030アジェンダの実現を支援するため、他の国々と協力していく用意があると語りました。
習氏は、中国は「グローバル開発構想」の枠組みの中で、国際的なデータ協力を深化させていく用意があるとも述べました。
▽機能するデジタルトランスフォーメーション
中国政府はデジタルトランスフォーメーションに取り組んできており、ビッグデータを活用した企業の同様の取り組みを支援しています。
中国国家統計局(NBS)は、特に人口、農業、経済について統計調査を実施してきました。同局はそのようにして収集したデータから、重要な社会問題を特定し、経済を分析し、政策立案のための重要な事実を提供することができます。
データテクノロジーは中国の物流業界にも大きな利便性をもたらし、企業は受注前でも将来の仕事量を予測し、人員や設備を割り振ることができるようになりました。その結果、物流チェーンは最適化され、同じリソースでより多くの商品を輸送できるようになりました。
米国に拠点を置くデータ専門の非営利団体「Open Data Watch」のShaida Badieeマネージングディレクター兼共同創設者によれば、中国は国内でデータテクノロジーに資源を投入しているだけでなく、他国への技術支援も行っています。
▽環境により優しい未来に向けた協力
一国だけの取り組みで、世界が将来的に環境により優しくなることはできません。中国のビッグデータ戦略には世界各国との緊密な協力が必要です。
国連統計部のFrancesca Perucci副部長によると、中国は同部の強力なパートナーとして、データプロジェクトや講習会の実施を支援してきました。
中国国家統計局(NBS)のKang Yi局長は、中国は統計の開放に真剣に取り組んでおり、先進的なデータテクノロジーを他の発展途上国と共有するつもりだと話しています。
同氏は、中国は投資信託を通じて国際的な講習会をより多く開催し、ビッグデータ用の国連グローバルプラットフォームの研究・開発に深く関与することで、グローバル・データガバナンスへの中国の貢献をより際立たせられるだろうと付け加えました。