東京, 2023年2月22日 /PRNewswire/ -- 医薬品の受託開発・製造サービスを提供する味の素バイオファーマサービス(以下、味の素バイオファーマ)は、高い生産性を持つ二本鎖オリゴヌクレオチド形成用酵素を開発したことをお知らせします。
味の素株式会社バイオ・ファイン研究所の梶本祥平研究員、萩原佑介主任研究員は、静岡県立大学の研究者と共同で、祖先設計法を用いて高機能な人工RNAリガーゼを開発しました。この人工RNAリガーゼは天然RNAリガーゼよりも耐熱性が高く、また、ゼノ核酸(天然のDNAやRNAとは異なる糖構造を有する核酸アナログ)を含むRNAフラグメントに対して優れたライゲーション活性を示しました。
市販のsiRNA原薬を合成するために、ゼノ核酸を含むRNAフラグメントを反応基質として天然のRNAリガーゼを用いた場合、24時間反応後の収率はわずか20%でした。これに対し、今回開発した高機能人工RNAリガーゼを用いた場合、同条件で反応収率は80%に向上し、核酸医薬の酵素合成に適した特性を有していることが確認されました。本酵素を用いることで、従来の方法と比較してより生産性が高く、環境負荷も小さい核酸合成プロセスの実現が期待されます。
萩原上席研究員は、「本研究を通じて核酸医薬品の供給を貢献できることを嬉しく思います。今回の酵素の開発は、弊社が革新的なソリューションを提供し、社会に高い価値を提供し続けていることの好例です。」と述べています。
反応基質となるRNAフラグメントは、従来の固相合成だけでなく、味の素バイオファーマのAJIPHASE®技術によって大量かつ高純度で製造することが可能であり、核酸医薬を高効率・高純度で大量生産するための技術として用いられています。なお、本成果は、米国微生物学会が発行する学術誌「Applied and Environmental Microbiology」に掲載されました。
味の素株式会社および味の素バイオファーマサービスについて
味の素株式会社は、コーポレートメッセージ「Eat Well, Live Well.」のもと、アミノ酸の可能性を科学的に追求し、地域や社会に貢献する持続可能で革新的なソリューションを通じて新しい価値を創造し、未来の成長を目指します。味の素株式会社(TYO: 2802)の詳細については、www.ajinomoto.com をご覧ください。
同社の医薬品受託開発・製造サービスである味の素バイオファーマサービスは、ベルギー、米国、日本、インドに拠点を持ち、低分子から高分子までの原薬・中間体の開発、cGMP製造、無菌充填仕上げのサービスを総合的に提供するCDMO(受託開発・製造機関)です。味の素バイオファーマサービスに関する詳細については、www.AjiBio-Pharma.com をご覧ください。 さらに、味の素バイオファーマサービスは、前臨床試験やパイロットプログラムから商業量に至るまで、革新的な独自プラットフォーム技術であるAJIPHASE®(オリゴヌクレオチド合成技術)、CORYNEX®/ TALAMAX®(タンパク質発現技術)、AJICAP®(タンパク質結合技術)を用いたサービスをはじめ、オリゴ核酸合成、抗体薬物コンジュゲーション(ADC)、高活性原薬(HPAPI)製造、生体触媒、連続フロー製造などのサービスを、前臨床から商業製造まで幅広く提供しており、これらを通じてお客様のご要望にお応えいたします。プラットフォーム技術に関する追加情報については、https://ajibio-pharma.ajinomoto.com/ をご覧ください。
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