シンガポール、2023年2月13日/PRNewswire/ -- Minderoo Foundationによる画期的な指標、プラスチック廃棄物メーカー指数(Plastic Waste Makers Index、英文略称:PWMI)2023は、地球上のプラスチック汚染問題が悪化していることを示しています。また、使い捨てプラスチックのライフサイクルにおいて生じる温室効果ガス排出に関する新規アセスメントは、使い捨てプラスチック生産者が気候危機の問題を助長している根拠を示しています。
本レポートの主な所見は以下の通りです:
- 消費者の関心の高まり、企業の取り組み、および規制にも関わらず、使い捨てプラスチックごみは一層増加。2021年度は2019年と比べて、さらに600万トン(地球上の一人当たり約1kg相当)のごみが発生し、それらのほぼすべてが化石燃料を原料とするものである。
- 使い捨てプラスチックは汚染危機だけでなく気候危機をもたらし、2021年度における使い捨てプラスチックによるライフサイクル温室効果ガス(Scope 1、2および3)排出量は、英国におけるCO₂総排出量(二酸化炭素4億5千万トン)に匹敵するものであった。
- 再生プラスチック利用はなかなか進まず、プラスチック分野においても、非常に限られた活動にとどまっている。2019年から2021年の期間において、化石燃料を原料とし、生産された使い捨てプラスチックの増加は、再生プラスチックの15倍であった。
- 石油化学産業において、大規模に再生ポリマーのリサイクルや生産に取り組んでいる企業は以下の2社のみである:台湾の Far Eastern New Century ・ タイの Indorama Ventures
Plastic Waste Makers Index 2023は、2021年度末のデータにより、ベンチマークをアップデートしました。それによると、2021年度において、世界の人口が使用した使い捨てプラスチックは1億3,900万トンであり、2019年の1億3,300万トンから増加したことが分かります。
また、プラスチックごみ分野において最も多く活動した石油化学会社のトップ100社リストは、このPWMIと驚くほど似通っています。
Minderoo Foundation 会長アンドリュー・フォレストAO(Andrew Forrest AO)博士は、「化石燃料分野の大企業はプラスチックの問題に取り組むどころか、その反対に、地球と人間を脅かすプラスチック製品の製造を増加させている」と述べ、また以下の主張をしています。
「これまでのプラスチック生産活動に変革をもたらすには、これまでと全く異なるアプローチが必要です。例えば、化石燃料を原料として作るプラスチックポリマー1㎏に対して、‟ポリマープレミアム"を課す、または財政的優遇策を設けて再利用やリサイクルを促進するといった、この問題に関して重要な意味を持つ新しいインフラストラクチャー構築を助ける方法があります」。
「もし、あなたがポリマー生産に投資しており、‟ポリマープレミアム"を払っていないのであれば、あなたは自然破壊を助長していることになります」
本レポートが提唱する主な方法として、石油化学企業に対して新しい化石燃料ポリマー生産設備建設へ圧力をかける、投資家や金融機関に対して働きかける、議決権の行使やダイベストメントストラテジーを行うように強く呼びかけることを挙げてます。
「この包括的なレポートは、プラスチックと気候に関する研究の必要性や株主の関与について、有益なベンチマークを提示しています」とロックフェラー・キャピタル・マネージメントのCasey Clarkは述べています。また続けて「投資家、規制機関、および市民社会は、プラスチックの利用を減らし、ごみの管理に対する取り組みを増やし、‟循環型"の生活様式に切り替える必要があると強く主張しています。このような状況においても、世界におけるバージンマテリアルや使い捨てプラスチックの利用は依然として増え続けています」とコメントしました。
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