Rainwater Charitable Foundation、第4回脳研究Rainwater Prize受賞者発表

受賞者らは、神経変性疾患に関する革新的な科学的発見が評価される

フォートワース、テキサス州、2023年1月27日/PRNewswire/--神経変性疾患研究の最大の独立系助成機関の1つであるRainwater Charitable Foundationは本日、神経変性疾患研究における「最優秀イノベーション賞」と「革新的若手科学者賞」に対する本年度の Rainwater Annual Prize受賞者を発表しました。本年度の「最優秀イノベーション賞」は、次のチームに授与されます。C. Frank Bennett博士(IONIS社)Don W. Cleveland博士(UCSD、カリフォルニア大学サンディエゴ校)、Timothy M. Miller博士(ワシントン大学)の3名です。また、ドイツ神経変性疾患センター(DZNE)のSusanne Wegmann博士には、Rainwater Prizeの「革新的若手科学者賞」が授与されます。各賞は、2023年4月27日にフランス、リールで開催されるEurotau 2023 Conferenceで発表されます。

Rainwater Prize Programは、脳内のタウタンパク質の蓄積に関連する神経変性疾患の新たな治療法に向けた科学的進歩を評価し、神経変性疾患研究の問題に対する認識を高め、タウオパシー分野に新しい研究者を取り込み、革新的で有効な治療法につながる科学的成果を表彰することで、科学的発見を促進することを目的としています。

神経変性疾患研究における「最優秀イノベーション賞」に対するRainwater Prizeは、次の方々に分配される予定です。

共同研究者のBennett博士、Cleveland博士、Miller博士は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、アルツハイマー病、タウオパチーなどの神経変性疾患治療のアンチセンス技術を過去20年にわたり発展させてきた功績が認められました。

  • IONIS社の最高科学責任者であるBennett博士 は、アンチセンス技術の発展とIONIS社の創薬基盤の拡大に努めています。彼は、過去30年にわたり、アンチセンス・オリゴヌクレオチドの研究に取り組んでいます。約20年前から、ALSやSMA(脊髄性筋萎縮症)の治療薬開発のアンチセンス技術の可能性を研究しています。SMAで初の治療薬として2016年にFDA承認されたヌシネルセンは、その後、世界50か国以上で承認されています。現在、彼は後期臨床試験中のハンチントン病の治療薬に取り組み、他の神経疾患治療薬の発見と開発を牽引しています。
  • カリフォルニア大学サンディエゴ校の細胞分子医学の特別教授のCleveland博士は、進行性核上性麻痺を含む多くの神経変性疾患を決定づける細胞内糸状沈着物の主要成分であるタウタンパク質の特性を発見、精製、同定しました。Bennett博士とMiller博士とともに、ヒト神経系の遺伝子を抑制する技術を利用したデザイナーDNA薬を開発し、ALS、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病の治療を目的とした7つの異なる臨床試験で研究されています。
  • セントルイス・ワシントン大学医学部、研究副長兼神経学David Clayson教授のMiller博士は、20年以上にわたり、ALSやタウオパシーなどの神経変性疾患に対する有効な治療法の解明に尽力してきた第一人者です。2007年、Miller博士はALSのトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)プログラムを立ち上げ、神経障害を持つ人々の生活を改善する将来性のある臨床試験を開始しました。Cleveland、Bennettの両博士が開発したSOD1 ASOを用いた最新研究結果は、SOD1 ALSの進行を遅らせる劇的な有効性を示しています。彼の研究室は、タウオパシーの治療薬としてタウmRNAとタンパク質を低下させるアンチセンス薬であるBIIB080/IONIS-MAPTRxの開発初期段階を牽引しました。

「この賞は名誉なことであり、この研究資金を利用して、次世代の取り組みをさらに進めていきたいと考えています。」とCleveland博士は述べています。また、「Rainwater Prizeの賞金は、新しいニューロンの成長と慢性的にタウを抑制する過程の継続開発に役立つでしょう。」とも述べています。

「革新的若手科学者賞」に対するRainwater Prizeは次の科学者に授与されます。

  • DZNEの研究グループリーダーであるWegmann博士は、神経変性疾患におけるタウタンパク質の作用を、さまざまな実験モデルや方法論を用いて研究し、疾患脳におけるタウの正常な機能と異常な機能を発見しています。彼女は、ヒト死後脳組織を用いて生化学的、生物物理学的、細胞学的結果を検証することで、試験管からヒトへの難しいトランスレーショナルリープを成し遂げる方法を見いだしています。難問を解決したいという強い興味から、彼女は工学の学位を取得し、その後、生物物理学とタウの脳病理学へと発展しています。現在、Wegmann博士と彼女のグループは、タウの新しい相互作用の特定と、アルツハイマー病とタウオパシーにおけるタウの相分離の役割同定に焦点を当てています。

「とても光栄に思っています。この賞金で、タウタンパク質が、まだ十分に解明されていないさまざまな方法で毒性を発現する仕組みについての研究をさらに推し進めます。」とWegmann博士は述べています。また、「このタンパク質の実際の機能について、まだ解明できていないので、疾患研究に役立つよう、その基礎生物学の知識を広げるよう努めます。」とも述べています。

Cleveland博士、Bennett博士、Miller博士、およびWegmann博士は、神経変性疾患研究に大きく貢献した研究発表および査読研究に基づいて、Rainwater Prizeの最優秀イノベーション賞(40万ドル)および若手科学者賞(20万ドル)にノミネートされました。彼らは、研究の質、タウオパシーへの応用性、リーダーシップ、指導力、科学界への貢献度などを基準に選考されました。

Rainwater Charitable Foundationの理事である、Todd Rainwater氏は「本年度のRainwater Prizeの受賞者について、この上ないほどの期待を寄せています。」と述べています。また、「創薬活動を推進する科学者の共同グループに「最優秀イノベーション賞」が贈られることは、チームサイエンスの重要性を認識させるものです。本年度の若手賞にWegmann博士が選ばれたことは、ヨーロッパをはじめ世界中で起きているエキサイティングな科学的発見を浮き彫りにするものです。父は、こうした科学者たちと、この分野への重要な進歩をとても誇りに思っているでしょう。」とも述べています。

本年度の受賞者の詳細については、www.rainwaterprize.orgをご覧ください。

Rainwater Charitable Foundationの医学研究について

Rainwater Charitable Foundation(RCF)は、1990年代初めに、著名なプライベートエクイティ投資家で慈善活動家のRichard E. Rainwaterによって設立されました。RCFは、幼稚園から高校までの教育、医学研究、その他の価値ある活動において、さまざまなプログラムを支援しています。タウに関連する神経変性疾患の新しい診断法と治療法の開発を促進するという使命を果たすため、Rainwater Charitable Foundation医療研究チームは、タウ・コンソーシアムとRainwater Prizeプログラムを管理しています。Rainwater Foundationは、これまでに1億6,100万ドル以上を医学研究に投資し、8つの治療薬をヒト試験へと進めることに貢献してきました。詳しくは、www.shiseido.comをご覧ください。 

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