【アーバイン(米カリフォルニア州)2022年12月21日PR Newswire】がんや免疫疾患を治療するための新規治療法を開発している臨床期バイオテクノロジー企業PeproMene Bio, Inc.は21日、再発または難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫(r/r B-NHL)を対象とするPMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)の第1相臨床試験の最初の患者が、治療後1カ月で完全寛解に至ったと発表した。本試験は、米国最大級のがん研究・治療機関シティ・オブ・ホープ(City of Hope )で実施されている。
当患者は治療開始後の1カ月間、グレード1のサイトカイン放出症候群(CRS)を含む低グレードの治療下発現毒性を経験しただけで完治し、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS) は見られなかった。本単施設・用量漸増試験(NCT05370430)の主任治験責任医師でシティ・オブ・ホープ血液・造血細胞移植部リンパ腫科准教授のElizabeth Budde医学博士(Elizabeth Budde )は「このマントル細胞リンパ腫患者は、化学免疫療法、BTK阻害剤、ベネトクラックス、CD19-CAR T療法など複数の先行治療に対して難治性を示していた。微小残存病変が陰性化した深い完全寛解を確認できたことを喜んでいる」と語った。
シティ・オブ・ホープ総合がんセンターの副理事長兼副所長で、PeproMeneの創設科学メンバー、科学顧問委員会の有給委員長でもあるLarry W. Kwak医学博士(Larry W. Kwak )は「B細胞性リンパ腫や白血病に対するCD19-CAR T細胞治療の初期効果は高いものの、不幸にも再発した患者には満たされていない大きな医療ニーズがある」「BAFF-RはB細胞性悪性腫瘍の新たな腫瘍標的であり、BAFFR-CAR T療法がこうした患者にとって臨床的に意義のある新たな選択肢となることを期待している」と語った。Kwak氏はPeproMeneの出資者である。
PeproMene最高執行責任者(COO)のHazel Cheng博士は「PMB-CT01治療を受けた最初のB-NHL患者で許容可能な安全性プロファイルと早期完全寛解が得られたことは、PMB-CT01の開発・評価史上初の大きな節目だ。これらの初期臨床結果は、2019年にScience Translational Medicine誌に掲載された、PMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)がB細胞性悪性腫瘍におけるCD19抗原損失を克服できることを示す、シティ・オブ・ホープの前臨床研究データでも裏付けられている」と語った。
▽PMB-CT01について
PMB-CT01は、B細胞活性化因子受容体(BAFFR)を標的とするファースト・イン・クラスの自己キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療薬である。BAFF-Rは、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーの1つで、B細胞にほぼ独占的に発現するBAFFの主要な受容体である。BAFF-Rシグナルは正常なB細胞の増殖を促し、B細胞の生存に必要と考えられているため、腫瘍細胞がBAFF-R抗原の欠損によって免疫反応を回避できる可能性は低い。このユニークな特性から、BAFF-R CAR T療法にはB細胞性悪性腫瘍の治療法となる大きな可能性がある。BAFF-R CAR-Tは、抗BAFF-R scFv(単鎖可変領域フラグメント)抗体およびCD3ゼータ、4-1BBを含む第2世代のシグナル伝達ドメインを使い構築された。当社の研究で、BAFFR-CAR T細胞は試験管内および動物モデルでヒトのリンパ腫や白血病を死滅させることが判明している。PeproMeneはシティ・オブ・ホープから、PMB-CT01に関する知的財産をライセンス供与されている。
▽PeproMeneについて
PeproMeneは、カリフォルニア州アーバインにある臨床期バイオテクノロジー企業で、がんや免疫疾患を治療するための新規治療法を開発している。PeproMeneの主力候補PMB-CT01(BAFFR-CAR T細胞)は現在、再発・難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL;NCT04690595)およびB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL;NCT05370430)を対象に第1相臨床試験で研究が行われている。PeproMeneは、BAFFR二重特異性T細胞誘導抗体やBAFFR-CAR NK細胞の開発も行っている。詳細については、PeproMene Bio Inc.のHazel Cheng博士(hazel.cheng@pepromenebio.com )に問い合わせるか、www.pepromenebio.com を参照。
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