ヌルスルタン(カザフスタン), 2022年12月2日 /PRNewswire/ -- 2022年11月29日、45カ国の政治指導者、外交官、専門家、ノーベル平和賞受賞者、国際NGOの代表が一堂に会したGlobal Alliance of Leaders for Nuclear Security and Nuclear-Weapon-Free World(GAL)(核安全保障・核兵器のない世界のための指導者たちのグローバルアライアンス)会議が、パリでのDialogue of Continents(大陸間の対話)フォーラムで開催された。
参加者は、「核戦争を回避するにはどうすればよいか?」と題したセッションで、ウクライナ戦争をめぐる課題について意見を交わした。
アンゲラ・ケイン(Angela Kane)元国連事務次長はスピーチの中で、現在の地政学的危機では核のエスカレーションが起こり得るシナリオになっていると強調した。
専門家である同氏は「現在、2つのリスクがある。1つ目は、ザポリージャ原子力発電所の破壊による核の大惨事である。2つ目のシナリオは、核兵器の使用の可能性である。この紛争により、軍備管理分野で過去60年間積み上げてきたすべての進展が覆された」と強調した。
次に、スロバキア共和国の元エネルギー憲章事務局長兼外務省大使のUrban Rusnak氏は、最近の国際的な出来事に照らして、自発的な非核化に関してカザフスタンが取った措置は特に価値があると述べた。
同氏は「カザフスタンのように、核ポテンシャルを有し、非核化を経たウクライナの状況は特に懸念される。最近まで、核インフラ施設が攻撃の標的になるとは想像し難いものだった」と強調した。
アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)のシニアフェローであり、エネルギー・セキュリティープログラム(ITIC)ディレクターであるAriel Cohen氏はオーディエンスに対し、戦場での原子炉を巻き込むインシデントがもたらす結果に着目することを訴えた。
同氏は「ザポリージャの原子炉の安全性が危うくなると、ウクライナだけでなく、核の安全性全般に破滅的な結果をもたらすことになる。原子炉の安全性を保証する国際メカニズムは崩壊する」と指摘した。
著名なカザフスタン外交官であるNursultan Nazarbayev Foundation(ヌルスルタン・ナザルバエフ財団)のKairat Abuseitov氏はセッションを総括し、カザフスタンには自発的な非核化のユニークな例があると指摘した。
同氏は「カザフスタンは(1991年に)世界で4番目に大きな核兵器備蓄を保有していた。カザフスタンには核保有国になる権利があった。しかし、別の道を選択した」と語った。
結論として、参加者は、核不拡散の問題を解決するための政治的意思の欠如は、さらなるエスカレーションをはらんでおり、核保有国間の失われた相互信頼を回復できる対話プラットフォームの重要性はかつてないほど重要であることに同意した。
GAL会議は、カザフスタン共和国のカシムジョマルト・トカエフ(Kassym-Zhomart Tokayev)大統領のフランスへの公式訪問中に開催された。世界のウランの42%を生産するカザフスタンは、平和的な原子力・核不拡散の分野でフランスや欧州連合(EU)と積極的に協力を深めている。
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