中低所得国における投資の低迷、世界的な停滞、豊富なドライパウダー:民間インフラ投資の現状

*分断:2021年の民間のインフラプロジェクトへの投資の80%が高所得諸国で発生した。

*力強い動き:インフレと金利の上昇がインフラに及ぼす影響は他の資産クラスを下回った。

*グリーンライニング:2021年の民間のインフラ投資の60%がグリーンだった。

【シドニー2022年10月13日PR Newswire】

Global Infrastructure Hub(https://bit.ly/3RMFu3F )(GI Hub)がこのほど刊行した新たな報告書によると、民間のインフラプロジェクトへの投資は、投資が最も必要とされている中低所得諸国で低迷している。2021年に投資は高所得諸国で8.3%増加した一方、中低所得諸国では3年連続で減少し、8.8%の減少となった。


 

Global Infrastructure HubのMarie Lam-Frendo最高経営責任者
Global Infrastructure HubのMarie Lam-Frendo最高経営責任者

同時にInfrastructure Monitor 2022報告書(https://bit.ly/3rNEUbi )によると、全体の民間のインフラプロジェクト投資はパンデミック以前の水準に回復しつつあるものの、8年連続で停滞している。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックで見えたように、十分で、弾力性のあるインフラへの投資不足は、どこにおいても人々を弱い立場にし、不適切な医療や失業の増加、貧困、その他の壊滅的な影響をもたらす。

民間投資の低迷は、ドライパウダーの水準上昇とインフラ投資の力強い成果と並行する形で特に際立っている。

GI HubのMarie Lam-Frendo最高経営責任者(CEO)は「利用可能だが、まだ投資に回されていない民間資金であるドライパウダーは、2010年以降、4倍増の2980億米ドルに達した。資金がある時に極めて必要とされるインフラに投資をしていないということは受け入れがたい。インフラへの投資が他の資産クラスへの投資に比べて力強い成果を示すことをわれわれは認識している」と語った。

報告書は、未曽有の水準にあるグリーン民間投資における「グリーンライニング」を指摘している。その大部分は再生可能エネルギー分野である。しかし再生可能な分野以外のグリーン投資は依然として低調で、気候目標を達成するには増加させる必要がある。

Lam-Frendo氏は「われわれはインフラ投資危機もしくは気候危機のいずれも無視することはできない。公共部門と民間部門の協力により、その両方の解決に向けて力を合わせることができる。インフラ分野にとって喫緊で明白な優先課題は、力を合わせて、大規模な投資急増を始動させることである」と述べた

Infrastructure Monitor 2022は、政府と投資家に最大限の影響をもたらす投資を絞り込むためのデータによる知見を提供している。これはGI Hubの主力報告書の第3版であり、以下のような動向を網羅している:

―民間のインフラプロジェクト投資

―インフラ投資の動き

―インフラへの民間資金の活用可能性

―民間のインフラ投資における多国間開発銀行の役割