ER陽性/HER2陰性の進行性・転移性乳がんに対するMenarini Groupのエラセストラントの市販承認申請が欧州医薬品庁(EMA)の審査に受理される

  • 承認されれば、エラセストラントは欧州連合(EU)においてER陽性/HER2陰性の進行性・転移性乳がんの2次治療(2L)および3次治療(3L)の患者に使用できる初めての経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)になる
  • 試験対象者の全体およびESR1遺伝子変異を有する患者において、エラセストラントの有効性が、現在の標準治療薬と比較して統計的に有意であることを示す主要な第3相主試験EMERALDの結果によって申請が裏付けられた

フィレンツェ(イタリア), 2022年8月22日 /PRNewswire/ -- イタリアの株式非公開の医薬品・診断薬企業Menarini Group(「Menarini」)とMenarini Groupの100%子会社Stemline Therapeutics(「Stemline」)は19日、ER陽性/HER2陰性の進行・転移性乳がん患者を対象とした選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)エラセストラント(Elacestrant)の市販承認申請(MAA)の有効性が欧州医薬品庁(EMA)により確認されたことを発表した。本申請の有効性確認によって申請が完了したことが確認され、EMAによる集中審査手続きが開始される。

Menarini GroupのElcin Barker Ergun最高経営責任者(CEO)は「進行性または転移性のER陽性/HER2陰性乳がんの治療には、初期の治療で耐性ができた後に満たされていない大きなニーズがある。EMAが審査申請を受理したことは当社にとって重要なステップであり、EMAと協力して、欧州でER陽性/HER2陰性の進行性・転移性乳がんの2次・3次治療の患者にエラセストラントを提供できることを期待している」とコメントした。

第3相EMERALD試験(NCT03778931)は、ER陽性/HER2陰性の進行性または転移性乳がん患者を対象に、エラセストラントをSOC内分泌単剤療法(フルベストラントまたはアロマターゼ阻害剤のいずれかを治験責任医師が選択)と比較検討したものである。本試験結果は最近、2022年5月18日にJournal of Clinical Oncology(JCO)のオンライン版に掲載された。本試験のさらなる事後解析は、2022年9月9日-13日にフランスのパリで開催されるEuropean Society for Medical Oncology(ESMO)Congress 2022(欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)2022)で発表される予定。

Menarini Groupは2020年7月、EMERALD試験を実施、成功させたRadius Health, Inc(NASDAQ:RDUS)からエラセストラントのグローバルライセンス権を取得した。良好な第3相データに基づき、Stemlineは2022年7月、欧州医薬品庁に市販承認申請(MAA)を行った。また、米国では食品医薬品局(FDA)がエラセストラントの新薬承認申請を受理、優先審査に指定されたことから、規制当局によるエラセストラントの審査が進行中である。Menarini Groupは現在、エラセストラントの世界的な登録、商品化および開発活動を全面的に担っている。

▽エラセストラント(RAD1901)と第3相試験EMERALDについて

 エラセストラント(Elacestrant)は、治験段階にある選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)で、2018年、FDAからファストトラック指定を受けた。EMERALDに先立ち完了した前臨床試験で、本化合物は、単剤または他の治療法との併用で乳がん治療に使用できる可能性があることが示されている。第3相試験EMERALDは、ER陽性/HER2陰性の進行性・転移性乳がん患者の2次治療または3次治療の単剤療法としてエラセストラントを評価する、無作為化・非盲検・実薬対照試験である。本試験には、CDK4/6阻害剤を含む内分泌療法での1次または2次治療歴のある患者477人が登録された。本試験の患者は、エラセストラントを投与する群と、治験責任医師が選択した承認済みホルモン剤を投与する群に無作為に振り分けられた。本試験の主要評価項目は、全患者集団およびエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)に変異のある患者群における無増悪生存(PFS)だった。副次評価項目は、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性の評価だった。

▽Menarini Groupについて

Menarini Groupは、売上高40億ドル超、従業員数は1万7000人を超える国際的な大手医薬品・診断薬企業である。Menariniは、満たされていないニーズの高い治療分野に重点を置き、心臓疾患、腫瘍、呼吸器疾患、消化器疾患、感染症、糖尿病、炎症、鎮痛用の製品を提供している。18の生産拠点と9の研究開発センターを有するMenariniの製品は、世界140カ国で販売されている。詳細については、www.menarini.com を参照。

▽Stemlineについて

Stemline TherapeuticsはMenarini Groupの100%子会社で、新規のがん治療薬の開発と商品化に焦点を当てた商業段階のバイオ製薬会社である。Stemlineは米国および欧州において、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)患者を対象としたCD123を標的とする新規標的治療薬を商品化しており、他のさまざまな適応症についても単剤による治療および他剤との併用で追加臨床試験が行われている。Stemlineは固形がんおよび血液がんを対象に、さまざまな開発段階にある低分子化合物および生物学的製剤の広範な臨床パイプラインを持っている。

▽Radiusについて

Radiusは、骨の健康、神経系希少疾患、腫瘍分野の満たされていない医療ニーズへの対応に注力しているグローバルなバイオ医薬品企業である。Radiusの主力製品TYMLOS(R)(アバロパラチド)注射薬は、骨折リスクの高い閉経後の骨粗しょう症女性の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。

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