インシリコ・メディシンが、アラムコが支援するProsperity7 Ventures主導の新規投資を発表、シリーズDの資金調達総額は9500万ドルに

【ニューヨーク2022年8月11日PR Newswire】

ハイライト

*インシリコ・メディシンが、シリーズDの資金調達ラウンドの第2回クロージングを発表、不確実な市場でシリーズDの資金調達総額は9500万ドルに達した。

*シリーズD2ラウンドは、世界有数の総合エネルギー・化学企業アラムコの投資子会社アラムコ・ベンチャーズの多角的グロースファンドProsperity7が主導した。

臨床段階のエンドツーエンドの人工知能(AI)創薬企業インシリコ・メディシン(Insilico Medicine)は10日、アラムコ・ベンチャーズの多角的グロースファンドProsperity7 Venturesが主導するシリーズDの資金調達の第2回クロージングが完了、シリーズDの資金調達総額が9500万ドルになったと発表した。バイオ医薬品やライフサイエンス分野への投資を得意とする、その他のグローバル投資家も参加した。

今回の資金調達には、米西海岸の大手総合資産運用会社、B Capital Group、ウォーバーグ・ピンカス、BHR Partners、Qiming Venture Partners、Deerfield、Pavilion Capital、BOLD Capital Partners、WS Investment CompanyなどのシリーズDラウンドの既存投資家に加え、Prosperity7を新規投資家に迎えた。インシリコの創業者兼最高経営責任者(CEO)のAlex Zhavoronkov博士もシリーズDラウンドに投資した。

Prosperity7 Ventures のAysar Tayebエグゼクティブ・マネジングディレクターは「AIと機械学習の創薬への応用の深化が、製薬業界に極めて斬新かつ前向きな影響を与えていることは実証されており、こうしたイノベーションのフロントランナーであるインシリコ・メディシンとのパートナーシップに参画できるのはうれしい。地域や部門を超えたアラムコの幅広いエコシステムに支えられている当ファンドは、同社が規模を拡大して世界中に足跡を広げ、優れたバイオテクノロジーを推進し、より大きな幸福のために前向きな影響を与えられるよう支援していきたい」と語った。

新たなシリーズDの調達資金は、現在、ニュージーランドと中国で第1相試験が行われている主力プログラムや治験薬(IND)承認に向け研究中の複数のパイプラインプログラムなど、インシリコのパイプラインの継続的推進を支えていくことになる。調達資金は、エンドツーエンドのPharma.AIプラットフォームのさらなる開発、完全自動のAI駆動型ロボット創薬ラボとバイオデータ工場の立ち上げ、地域センターの設立など、その他の重要な戦略的取り組みにも投じられる。

インシリコ・メディシンの創業者兼CEOであるAlex Zhavoronkov博士は「アラムコは2022年、時価総額で世界最大の企業となった。「破壊的技術」への投資に注力している、そのベンチャーキャピタル部門Prosperity7に投資してもらえたのは、非常に光栄だ」「サウジアラビアで過ごしてみて、同国がテクノロジーで大きな飛躍を遂げつつあることがはっきりした。当社はこの取り組みに加わり、人工知能の最新の進歩を活用して、同国がビジョンを実現する手助けをしていきたい」と語った。

ユニークなCEO2人体制により、インシリコ・メディシンはAI能力と医薬品研究開発を同時に前進させている。インシリコはこのほど、同社の医薬品研究開発プラットフォームを推進するため、最高科学責任者(CSO)のFeng Ren博士を共同CEOに昇格させた。Ren博士は、創薬と開発の監督に加え、拡大している臨床開発を指導しつつ、事業開発の推進でも主導的役割を果たしていく。Ren博士の在任中、同社は満たされていないニーズの高い分野に狙いをつけ、パイプラインを新規かつ革新的な医薬品候補の強固なポートフォリオに転換した。COVID-19治療用の新規3CLプロテアーゼ阻害剤(https://www.prnewswire.com/news-releases/insilico-medicine-announces-novel-3cl-protease-inhibitor-preclinical-candidate-for-covid-19-treatment-301553766.html )、腫瘍を適応症とするMAT2A(https://www.prnewswire.com/news-releases/insilico-medicine-expands-synthetic-lethality-portfolio-with-nomination-of-a-preclinical-candidate-targeting-mat2a-for-the-treatment-of-mtap-deleted-cancers-301540618.html )およびUSP1(https://www.prnewswire.com/news-releases/insilico-medicine-announces-advancement-of-its-preclinical-candidate-for-usp1-synthetic-lethality-target-to-ind-enabling-studies-for-various-oncological-disorders-301524925.html )をターゲットとした2つの合成致死プログラムなど、社内パイプラインの7つのプログラムが、IND承認に向けた研究に入っている。また、線維症をターゲットとした初の自社開発プログラムは、オーストラリアで第0相マイクロドーズ試験が成功裏に完了し、ニュージーランドと中国の両方で第I相臨床試験に入った(https://www.prnewswire.com/news-releases/insilico-announces-successful-completion-of-phase-0-microdose-trial-and-initiates-phase-i-clinical-trial-for-its-first-ai-discovered-anti-fibrotic-product-candidate-with-novel-target-301489534.html )。

インシリコ・メディシンの共同CEO兼CSOであるFeng Ren博士は「当社は、AIと医薬品開発を等しく行う企業としての体制を整えた」「グローバルプレゼンスの拡大、開発中のロボットラボ、社内パイプラインプログラムの大幅な進展など、数多くのエキサイティングな取り組みが進行中だ。今回の資金調達ラウンドにより、当社は能力を拡大し、社内プログラムを前進させ、AIを開発し、サウジ地域のパートナーと連携して新たな地域技術拠点の開発ができるようになる」と語った。

インシリコは、多くの大手製薬会社と共同開発やソフトウエアライセンス契約を結んできた。2020年後半に2つのプラットフォームPandaOmics(TM)、Chemistry42(TM)を発売して以来、2020年の売上高に基づく上位20社の製薬会社のうち9社が、インシリコのAIプラットフォームを使用してきた。2022年、インシリコは1月にFosun Pharma、3月にEQRXとそれぞれマルチアセット・パートナーシップ契約を締結した。特筆すべきは、インシリコが初の重要なマイルストーンを達成し、Fosun Pharmaとの戦略的提携開始から40日足らずで、がん免疫療法向けQPCTLプログラムの前臨床候補を選定したことである(https://www.prnewswire.com/news-releases/small-molecule-targeting-cd47-sirp-pathway-insilico-medicine-achieves-its-first-major-milestone-in-fosun-pharma-collaboration-with-the-nomination-of-preclinical-candidate-for-qpctl-301484495.html )。事業開発は、Pharma.AIプラットフォームの価値を実証し、解き放つ同社の戦略において、引き続き重要な役割を担っている。

▽インシリコ・メディシン(Insilico Medicine)について

臨床段階のエンドツーエンドの人工知能(AI)創薬企業インシリコ・メディシンは、次世代AIシステムを使い生物学、化学、臨床試験分析を結びつけている。同社は、深層生成モデル、強化学習、トランスフォーマー、その他最新の機械学習技術を活用し、新たなターゲットを発見し、望ましい特性を持つ新たな分子構造を設計するAIプラットフォームを開発してきた。インシリコ・メディシンは、がん、線維症、免疫、中枢神経系疾患、老化関連疾患用の革新的医薬品を発見、開発するための画期的ソリューションを提供している。

詳細については、www.insilico.com を参照。